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科目名コミュニケーション文化学演習IIB
担当者宮津 多美子
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次4年
単位数1単位
授業の方法演習
授業題目人種・ジェンダーからよむ異文化コミュニケーション IV―構造分析で読み解く映画研究
授業の達成目標この授業では、映像メディアの構造分析理論を踏まえて、映像作品に描かれたコミュニケーションギャップとその背景を実践的に学ぶことを目的とする。具体的に授業ではナラティヴ分析/構造分析の理論を学んだ上で、人種・ジェンダー問題を主題とする20世紀後半の欧米の映画(洋画)を取り上げ、物語の構造分析から作品のテーマ・主題を読み解く力を養成する。さらに、映画の登場人物(特にヒロイン)が直面する階級的・文化的・地域的コミュニケーションギャップに注目しながら、作品のメッセージを理解することができる。
【授業の達成目標】
1. 映画作品の構造に注目して、作品のテーマ・主題を読み解くことができる。
2. 映画に描かれた階級的・文化的・地域的コミュニケーションギャップを特定することができる。
3. 映画のプロットや構造によって提示された制作者の意図や人物描写(ヒロイン像)について意見を述べることができる。論文作成などの学術活動に際して必要な研究倫理を身につける。
今年度の授業内容〇 映像メディア分析や異文化コミュニケーション理論をテキストから学ぶ。
〇 授業で扱った映画の中から一作品を選び、小ポートを完成させ、プレゼンテーションを行う。
〇 卒業研究の仕上げ段階にあるこの授業では卒業論文の書式、編集・校正に関するアドバイス等も行う。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について〇 事前に教科書の関連箇所を読み、理解を深める(0.5時間/週)。
〇 教科書の担当章については発表準備をする(1時間)。
〇 期末レポートで扱う映画を視聴してエッセイを作成し、発表準備をする(0.5時間/週)。
合計15時間
自習に関する一般的な指示事項
〇 期末レポートは扱う映画作品を決めて計画的に執筆し、期日までに完成させること。
〇 文献はインターネット等のデジタルメディアだけでなくプリントメディア(定期刊行物・書籍等)も参照すること。
〇 自分の意見と他人の意見とを区別すること(剽窃に注意)。
〇 レポート執筆時、参照した文献の書誌情報を記録しておくこと(文献リスト作成に必要)。
第1回ガイダンス(演習のスケジュール&内容、担当決め)
  論文作成:脚注・編集・校正・文献リストの書式確認
『映画の構造分析』第1章:映画の構造分析(0 物語と構造)
  「リップ・ヴァン・ウィンクル」(Rip Van Winkle)の構造分析
第2回『映画の構造分析』第1章:映画の構造分析 1(テクストとしての映画)
  『エイリアン』(Alien)の構造分析
第3回『映画の構造分析』第1章:映画の構造分析 2(欠性的徴候)
  『大脱走』(The Great Escape)の構造分析
第4回『映画の構造分析』第1章:映画の構造分析 3(抑圧と分析的知性)
   ポー「盗まれた手紙」("The Purloined Letter" )の構造分析
  『北北西に進路を取れ』(North by Northwest )の構造分析
第5回『映画の構造分析』第1章:映画の構造分析 4(「トラウマ」の物語)
  『ゴーストバスターズ』(Ghostbusters )の構造分析
第6回卒論最終プレゼンテーション①(Q&A、講評)
第7回卒論最終プレゼンテーション②(Q&A、講評)
第8回映画の構造分析とヒロイン研究
  地域間コミュニケーションギャップ:『プラダを着た悪魔』(The Devil Wears Prada )
第9回映画の構造分析とヒロイン研究
  階級的コミュニケーションギャップ:『ミリオンダラー・ベイビー』(Million Dollar Baby
第10回映画の構造分析とヒロイン研究
  文化的コミュニケーションギャップ:『ジョイ・ラック・クラブ』(Joy Luck Club
第11回『映画の構造分析』第2章:[四人目の会席者」と「第四の壁」
  『裏窓』(Rear Window)の構造分析
第12回『映画の構造分析』第3章:『アメリカン・ミソジニー』―女性嫌悪の映画史
  『ローズ家の戦争』(The War of the Roses)の構造分析
第13回ジュディス・フェッタリー『抵抗する読者』(The Resisting Reader)
  『偉大なるギャッツビー』(The Great Gatsby)の構造分析
第14回期末レポートプレゼンテーション(発表、Q&A、講評)
卒論の講評、3/4年ゼミ活動の総括
授業の運営方法〇 授業ではペア/グループワーク、クラスディスカッションも行う。
〇 ゼミ活動には積極的に参加し、主体的に学ぶこと。
〇 ゼミは教場による対面授業を基本とする。
〇 出席確認は出席カードと授コメントによって行う。
〇 遅刻・早退は30分まで。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法〇 レポーター課題のフィードバックは授業で行う。
〇 期末レポート提出後の授業で、全体的な講評を行う。
〇 個人課題の個別フィードバックはポータルを通じて行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 40% 期末レポートとそのプレゼンテーション
授業参加 40% リフレクションコメント、授業内課題
その他 20% レポーター発表
テキスト 内田樹、『ハリウッド映画で学べる現代思考 映画の構造分析』(文藝春秋・文春文庫)、2020年.ISBN:9784167801250.
参考文献 ジュディス・フェッタリー、『抵抗する読者ーフェミニストが読むアメリカ文学』(ユニテ)、1994年、ISBN: 978-4843240571. 
その他、履修生への注意事項 〇 文献は可能な限り一次資料(原典)を参照すること。
〇 意見を述べるときには必ず引証を示すこと。
〇 メディアで発信されている情報は自主的かつ批判的に扱うこと(要メディアリテラシー)。
〇 課題や授業に関する連絡はポータルで配信するため、ポータルには毎日アクセスすること。
〇 授業に関する質問や疑問があればポータルのQ&Aで担当教員に連絡すること。
〇 期末レポートの評価基準(計24点)は以下の通り。
  1. 内容・展開:文章には明確な主題がある。批判的思考が実践されている。オリジナリティがある。
  2. 構成:序論・本論・結論の3部構成である。文章には学術的背景が提示され、先行研究への言及がある。
  3. リサーチ(研究):情報や意見にはその証拠となる文献が引用されている。文献の解釈も提示されている。
  4. 表現・文体:文章は首尾一貫していて、論旨も明確である。豊かな語彙や技巧的表現が使用されている。
  5. 技巧:語用・語法、文の構造(主述の一致)、表記、句読点等には間違いがなく、誤字や脱字もない。
  6. タイムライン:期日内に提出した。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】