科目名 | インタビュー | |
担当者 | 渡部 英美 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 実習 | |
授業題目 | インタビュー 〜 短時間で的確に聞く・時間をかけて心を聴く〜 | |
授業の達成目標 | インタビューにはさまざまな形式・方法があることを、テレビ番組などの教材を通して、類似点や相違点を指摘できるようになること。 ゲストに対して取材活動をおこなったうえで、インタビューを収録する。それらの成果を聞き合うことによって、受けとめ方・感性、また表現方法の多様性を実感し、その多様性を説明できるようになること。 |
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今年度の授業内容 | インタビューとは、相手の心の中を覗き深層心理にどんなことを持っているかを引き出すことを目的にしている。 日常生活の中でのやりとりはインタビューの積み重ねであり、「きく」ことがその基本である。しかし「きく」ことについて学習したことはないという人がほとんどである。この講座では、どのようにしたら相手の深層心理にまで深く到達して「聴き(きき)取る」「訊き(きき)ただす」ことができるかを実習を通して体得していく。 インタビューは、ショートインタビューとロングインタビューでは、異なる醍醐味がある。ゲストとの距離感、ことばの選択、語調の硬軟・緩急などをどうすべきかを、テレビのインタビューなどから学び、1対1の、「ショート・ロング」インタビューを体験する。テレビのインタビュー番組をていねいに視聴し、受講生間でディスカッションする。その上で参加者同士でインタビューし合う。最終盤には受講生一人一人による個別取材を経てインタビューを収録し、互いに批評することで内容を深める。 仕事に生かすことや友人同士のコミュニケーションを取りやすくすることなど、今後の人生のヒントになる授業を展開する。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | NHKテレビのインタビュー番組「ここから」(総合テレビ・祝日午前7時30分から放送)などを視聴し、ゲストに対して聞き手がどのようにアプローチしているかを自分なりに考える。質問はどのように組み立てられているか、話の流れにどのように乗っているかなど、インタビューについて考察してみること。初めての視聴をメモにして、保存しておくこと。スポーツ番組などのショートインタビューを視聴し、端的に聞くことについて自分の視点をメモしておくこと。予習に1時間30分。授業を受けた後、予測との違いや収穫をまとめておくこと。30分。 | 合計7.5時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | インタビュー番組を自宅で見ることやインタビュー記事などを読むこと。 インタビューのやりとりを考える、構成を考える、などの課題は、自宅でおこなう。 テレビのインタビュー番組や、新聞・雑誌のインタビュー記事に、意識的・積極的に接してほしい。 |
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第1回 | 「インタビューとはなにか」について考える 隣の人に聞いてみよう 聴くことの難しさはどこにあるか体感 ※インタビュー「ここから」(NHK総合テレビ・祝日午前7時30分視聴の課題) 番組をメモを取りながら視聴すること(再放送なし・NHKプラスで見逃しは1週間視聴可能) |
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第2回 | ショートインタビュー① ペアを組む ペアの相手について、インタビューのコンセプトを考える 「この人(この人たち)」を取材する ショートインタビューのVTR視聴 編集しないインタビューをするには何が必要か 取材シートを作る 収録機材の準備(携帯電話・簡易ICレコーダーなど自分で準備できるものを翌週持参のこと) |
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第3回 | ショートインタビュー② どう聞くかを考える 時間に合わせて構成する 構成シートを作る 翌週の収録テスト(個々人の携帯電話の収録機能やICレコーダーなど収録機材で) |
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第4回 | ショートインタビュー③ ペアを作りショートインタビューを収録する 収録を聞き合い互いに評価する ※インタビュー「ここから」(NHK総合テレビ・祝日午前7時30分視聴の課題) 番組をメモを取りながら視聴すること(再放送なし・NHKプラスで見逃しは1週間視聴可能) 番組視聴をレポートにして提出する(レポート①・QA1000字程度)第5回の授業の前まで |
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第5回 | 教員にインタビューする。 教員を囲んで1対学生全員で、記者会見型インタビューをする。 インタビューの本質について考えるディスカッション 教員へのインタビューの内容を取捨選択し、インタビューの構成を考える。 |
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第6回 | 「心を聴く」「思いを聴く」ためには① ペア交代(初めての新しいペアを作る) 互いに取材をして思いを探る ロングインタビューに向けたシートを作る |
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第7回 | 「心を聴く」「思いを聴く」ためには② ロングインタビュー収録 ペアで互いに異なる内容をインタビュー (レコーダーや携帯電話の収録機能などを使って収録) 再生して感想を述べ合う 聞き手の意図と聞かれた人の受けとめの違いに気が付く ※インタビュー「ここから」(NHK総合テレビ・祝日午前7時30分視聴の課題) 番組をメモを取りながら視聴すること(再放送なし・NHKプラスで見逃しは1週間視聴可能) レポート②1000字程度 第8回の授業の前まで |
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第8回 | 「心を聴く」「思いを聴く」ためには③ ロングインタビュー発表 全員の収録を聴きながら評価し合う |
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第9回 | 「心を聴く」「思いを聴く」ためには④ ロングインタビュー発表 全員の収録を聴きながら評価し合う |
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第10回 | 完成インタビュー① ペア交代(初めての新しいペアを作る) 互いに取材をして思いを探る ロングインタビューに向けたシートを作る |
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第11回 | 完成インタビュー② ロングインタビュー収録 再生しペアで完成作品にするまでやり直す 新鮮なまま聴くことができるかに挑戦 ※インタビュー「ここから」(NHK総合テレビ・祝日午前7時30分視聴の課題) 番組をメモを取りながら視聴すること(再放送なし・NHKプラスで見逃しは1週間視聴可能) 番組視聴をレポートにして提出する(レポート③・QA1000字程度) ※年末年始休暇が入るので視聴を忘れないように! |
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第12回 | 完成インタビュー試聴 採点予定 合評 この会の内容をレポートに記録し、インタビューについて得たものについて授業時間内にメモを提出する。 |
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第13回 | 完成インタビュー全員視聴② 合評 この会の内容をレポートに記録し授業時間内にメモを提出する。 |
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第14回 | 完成インタビュー全員視聴③ 合評 この回の内容は14回までの間に実施する。 |
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授業の運営方法 | テレビインタビュー番組について、頻繁にディスカッションする。 学生たちがきき手となって収録したインタビューは、クラス内で合評する。 インタビューの取材は授業でおこない、インタビュー用の構成を書くことが時間内でできない時は、自宅でおこなう。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | インタビュー番組視聴やインタビューの体験レポート、学生間相互のインタビュー報告などはWordに記入し、QAで提出。それに対しQAで、SABCの評点でフィードバックする。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 定期試験は行わない |
小論文・レポート | 40% | 番組視聴・体験収穫レポート |
授業参加 | 30% | 発言、リアクションペーパー コメント |
その他 | 30% | インタビュー実技の成果 |
テキスト | 必要に応じてプリントを配付する。 |
参考文献 | 新版NHKアナウンスセミナー 放送の現場から NHKアナウンスセミナー編集委員会編 NHK出版 2005年発行 LISTEN 「聞くこと」は最高の知性 ケイト・マーフィ 篠田真貴子(監訳)松丸さとみ(訳)日経BP 2021年発行 |
その他、履修生への注意事項 | 授業内容が相互に連携しあっているので、出席しないとインタビュー実習の経験が不足し内容が理解しにくく、ペアに迷惑がかかる。前向きに出席してほしい。 <出欠の確認> 毎回、授業の冒頭に出席をとるので、送れないように教室に入ること。ペアでインタビューをする時には欠席すると相手が困るので、欠席があらかじめ分かる時には前の週に教員に伝えること。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】 |
実務経験の概要 | NHKアナウンサー・ディレクター兼務。キャスターとして総合テレビ「なるほど経済」、コメンテーターとしてEテレ「青春五輪の書」、ハイビジョンスペシャル・キャスターとして「世界体感生中継・ナイアガラ瀑布」などを担当。ディレクターとして「NHK特集・土地は誰のものか~都市農地にマイホームは建つか~」や「NHKスペシャル・新日本人の条件」などを制作。NHK放送研修センターの講座では「ナレーション専科」などの講師を担当。元NHKアナウンス室長、元NHK放送研修センター日本語センター長。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 放送現場で取材・制作と表現について最前線での実務経験を積んできた。番組キャスター・インタビュアーとして実践してきた経験を活かして具体的な講義を行う。 |