科目名 | 実践日本語(発声法) | |
担当者 | 黒沢 保裕 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 演習 | |
授業題目 | 発声についての基礎的な知識を得る。 自分の声に関心を持ち発声法について考える。 声に出して表現する楽しみを知る。 |
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授業の達成目標 | 「ことば」と「声」は、人と人がコミュニケーションを深める際の重要な要素。とりわけ「声」はその人の個性・魅力と切り離すことのできない大事な属性だ。この「発声法」の授業では、実際に声を出すことに重点を置きながら以下の項目について達成を目指す。 ・自分の声・発声の良さや改善すべき点を客観的に認識できるようになる。 ・発声のメカニズムを知り、自分の声をより魅力的にする手がかりを掴めるようになる。 ・日本語の発声・発音・アクセントについて基本的な知識を身につけ、日常の音声表現に生かせるようになる。 ・声に出して表現する楽しみを体感できるようになる。 |
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今年度の授業内容 | 授業の柱は2つ。各回のテーマに沿った担当講師による「講義」と、履修生に実際に声を出してもらう「実習」だ。とりわけ「実習」には重きを置き、毎回可能な限り声を出してもらうよう授業を進める。とは言え、余計な緊張は無用。専門的な経験・知識・技術は不問、うまくある必要もない。ただ、表現することへの前向きな姿勢は求めたい。「声に出して表現する楽しさ」を実感できるようになることがこの授業の最大の目的である。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 毎回、事前にポータル掲示に掲出する課題・実習教材などに必ず目を通し、確認しておくこと。また、授業を受ける前には、課題や実習教材を少なくとも一度は声に出して読んでおくこと。 | 合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | テレビ・ラジオ・映画・YouTubeなどのSNSから日常生活に至るまで、身の周りにある「声」や「音のことば」に日頃から関心を持つこと。どんな声で、どんな話し方をしているのか、どんなことばを使っているのか、印象的な声や心に残る表現を敏感に捉えて欲しい。 | |
第1回 | 【自分の声を知ろう】 自分の声は好き?嫌い?…自分の声をどう感じているか一人一人に話してもらい、その録音を試聴 自分の声にはどんな特徴があるのか、どんな発声をしているのか、客観的に認識してもらう |
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第2回 | 【発声法って何?】 同一人物の声なのになぜこんなにも表現の幅がある?…典型的な例を提示し、発声の違いで声の表情がまったく変わることを知る 【声を出してみよう】 「自己紹介」①…履修生全員に自己紹介をしてもらい、収録していく |
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第3回 | 【呼吸と発声】 息は声のエネルギー…息・呼吸と声の関係について考えてみよう 日常の会話では一声でどのぐらい話している?あなたは一息で何秒声を出し続けられる? 【声を出してみよう】 「自己紹介」②…前回収録した録音を一人一人試聴、より魅力的な声・発声にするにはどうすれば良いか個別にアドバイス |
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第4回 | 【発声のメカニズム】 〈呼気⇒声帯振動⇒共鳴⇒調音〉…息が声に変わってことばとして発せられるまでの仕組みを知り、自分の声をより魅力的なものにするための手がかりをつかむ 【魅力的な自己紹介とは?】 “つかみ”はOK? “一点突破”で印象に残す |
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第5回 | 【日本語を知ろう】① ・アクセント 日本語のアクセントには4つの型がある 【声を出してみよう】 谷川俊太郎の詩集「ことばあそびうた」の作品を声に出して、ことばの持つリズムの楽しさを体感する その1回目 |
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第6回 | 【日本語を知ろう】② ・イントネーション 日本語は音の高さで伝わる意味が変わる 【声を出してみよう】 谷川俊太郎の詩集「ことばあそびうた」の作品を声に出して、ことばの持つリズムの楽しさを体感する その2回目 |
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第7回 | 【振り返り成果チェック】(成績評価対象) 授業で扱った教材の中から課題を指定 一人ずつ音読してもらい、春学期前半の成果を確認する 【日本語を知ろう】③ ・母音 母音が支える日本のことば 母音の発音 連母音の長音化 母音の無声化 |
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第8回 | 【日本語を知ろう】④ ・子音の発音ⅰ カ行、サ行、タ行、ナ行…苦手な発音は人それぞれ、自分の“弱点”を発見し改善の糸口をつかむ 【声を出してみよう】 歌詞の世界を楽しもう…あの歌この歌、朗読することで新鮮に響き出す「歌詞の世界」の魅力と楽しさを体感する |
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第9回 | 【日本語を知ろう】⑤ ・子音の発音ⅱ ハ行、マ行、ヤ行。ラ行、ワ行…苦手な発音は人それぞれ、自分の“弱点”を発見し改善の糸口をつかむ 【声に出して楽しもう あのセリフこのことば】① 歌舞伎十八番の一つ「外郎売(ういろううり)」…早口ことば満載の演目を実際に声に出し、楽しみながら「発声」「滑舌」のトレーニングを進める その1回目 |
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第10回 | 【日本語を知ろう】⑥ ・子音の発音ⅲ 濁音、半濁音、拗音、撥音、促音…日本語の豊かな音の世界を知る 【声に出して楽しもう あのセリフこのことば】② 歌舞伎十八番の一つ「外郎売(ういろううり)」…早口ことば満載の演目を実際に声に出し、楽しみながら「発声」「滑舌」のトレーニングを進める その2回目 |
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第11回 | 【日本語を知ろう】⑦ ・子音の発音ⅳ 長音、外来音、鼻濁音…日本語の豊かな音の世界を知る 【声に出して楽しもう あのセリフこのことば】③ 落語「寿限無」に挑戦! 「じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ、かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ、うんらいまつ、ふうらいまつ」……リズムに乗って声を出す楽しさ、登場人物の性格を声で読み分けて表現する面白さ、相手に向かって語る楽しさを、落語「寿限無」で体感 その1回目 |
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第12回 | 【声に出して楽しもう あのセリフこのことば】④ 落語「寿限無」に挑戦! リズムに乗って声を出す楽しさ、登場人物の性格を声で読み分けて表現する面白さ、相手に向かって語る楽しさを、落語「寿限無」で体感する その2回目 |
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第13回 | 【仕上げは「音読発表」】① 体感!声で表現する楽しみ(成績評価対象) 授業で扱った教材の中から課題を指定 “仕上げ”として、一人ずつみんなの前で音読発表する |
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第14回 | 【仕上げは「音読発表」】② 体感!声で表現する楽しみ(成績評価対象) 授業で扱った教材の中から前週とはまた違う課題を指定 “仕上げ”として、一人ずつみんなの前で音読発表する それぞれの良い点はどこか、何をどうすればより魅力的な声・発声になるか、個別にアドバイスする |
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授業の運営方法 | 「対面授業」の講義と実習で授業を進める。毎回、可能な限り一度は履修生に声を出してもらうよう授業を進め、「声に出して表現する楽しさ」の体感を目指す。 なお、授業の進捗状況によっては、スケジュールを多少変更する場合もある。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 第7回の【振り返り成果チェック】、第13・14回の【仕上げは「音読発表」】では、それぞれの良い点や課題点をきめ細かくフィードバックするほか、通常の授業の中でも履修生一人一人の能力向上に資する有効なアドバイスを心掛ける。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 0% | 実施しない |
その他 | 20% | 第7の音読「振り返り成果チェック」で効果を確認 |
その他 | 40% | 第13・14回の「音読発表」で成果を判定 |
授業参加 | 40% | 「予習」の取り組みや授業での積極的な発表・発言を評価 |
テキスト | 事前に用意すべきテキストはない。オリジナルの教材・資料を随時授業でに配布。また、ポータルの掲示を通じても配信する予定。 |
参考文献 | 必要に応じて、その都度ポータルの掲示で指示。 |
その他、履修生への注意事項 | 次回の授業については、毎回ポータルの掲示で内容を予告する。毎週必ずポータルの掲示にアクセスして確認するようにして欲しい。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】 |
実務経験の概要 | NHKアナウンサーとして、「NHKモーニングワイド」「新日曜美術館」「新日本風土記」「きょうの健康」をはじめとする様々な番組で、ニュースキャスター、番組司会、ナレーションを担当。番組を自ら提案し、ディレクターとして番組を制作した経験も少なくない。 また、NHK放送研修センターでは、大学生を対象にした「アナウンスセミナー」や広く一般の方を対象にした「朗読セミナー」などの講座で講師を務めた。 現在もNHKラジオでニュースを担当する“現役アナウンサー”でもある。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 多様で幅広い番組実務と講師の経験を多角的に授業に反映させる。 |