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科目名世界教育事情
担当者宮津 多美子
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目映画・ドラマで学ぶ現代教育事情
授業の達成目標この授業では、主に欧米の中等・高等教育に関する教育事情を取り上げ、教育の意味と意義、課題を学ぶ。「教育」とは、広義には「教え導くこと」、狭義には「学校教育」を指す。学校教育は時に政治への親和性を示し、時に権力に対抗する手段を提供する。また、教育内容(カリキュラム)はその社会の思想や価値観を反映し、対立や論争の火種となることもある。中等・高等教育機関に所属する思春期の若者にとって「学校」は自分探しの始まりの場でもあり、後の人生や人間関係を形作る知識やスキルを学ぶ重要なステージでもある。よって、この授業では、多くの学生にとって人生の岐路となる中等・高等教育における問題に焦点を当てる。授業では、主に今日の中等・高等教育の問題を欧米の映画・ドラマから学び、それぞれの作品が扱う問題に関する背景に関する知識を得た上で、ディスカッション/ディベートを通して教育分野の知見を深める。
【授業の達成目標】
1. 現代の中等・高等教育に関する問題を特定できる。
2. 現代の中等・高等教育に関する問題の背景について説明することができる。
3. 現代の中等・高等教育に関する問題について自分の意見を述べることができる。
4. 現代の中等・高等教育に関する問題についてレポート・論文を執筆することができる。
今年度の授業内容授業の前半は、主に学校を舞台とするアメリカの映画・ドラマから、教育に関する諸問題を学ぶ。その後、その問題の背景にある教育事情、理論、理念等について学びを深める。後半は関連するテーマでグループ・ディスカッション/ディベートを行う。テーマとして取り上げるのは近年、議論となっている日米における教育関連の課題である。
使用言語:英語
期末レポートの言語:日本語もしくは英語
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について〇 事前にシラバスを読み、関連するメディアを視聴し、授業で取り上げる教育事情や教育問題について考察する(2時間/週)。
〇 授業後は内容を振り返り、復習ノートにまとめ、理解を深める(1時間/週)。
〇 計画的に期末レポートを作成する(テーマ選定、文献収集、アウトライニング、執筆、推敲等)(1.5時間/週)。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項〇 アクティブ・ラーニングによって自律的に取り組むこと。
〇 レポートの主題(授業に関連する独自テーマ)を決め、関連する文献を収集し、計画的に執筆すること。
〇 最新の関連資料はインターネット上で入手できるので積極的に活用すること。
〇 文献はインターネット等のデジタルメディアだけでなくプリントメディア(定期刊行物・書籍等)も参照すること。
〇 自分の意見と他人の意見とを区別すること(剽窃に注意)。
〇 レポート執筆時に参照した文献の書誌情報を記録しておくこと(文献リスト作成に必要)。
第1回高等教育:学術的問いと議論—中等教育と高等教育の違いは何か?
 Family Ties: Little Man on Campus (1984)
 ディベートテーマ:留学
第2回教師の葛藤:教師と生徒の関係—教師は何をすべきか?
 Freedom Writers (2009)
 ディベートテーマ:部活動
第3回権力と教育(1):義務教育の始まり―教育的に「有害な」書物とは?
 Family Ties:Read It and Weep (Part I) (1988)
 ディベートテーマ:厳しい校則(染髪、下着の色など)
第4回権力と教育(2):カリキュラム検閲―カリキュラムは誰のもの?
 Family Ties:Read It and Weep (Part II) (1988)
 ディベートテーマ:デート禁止の校則
第5回階級と教育:シーバスリーガル効果―教育の質とコストは比例するか?
 Good Will Hunting (1997)
 ディベートテーマ:ギフテッドと飛び級
第6回学問の本質:アカデミアと弁論術―雄弁さはなぜ重要か?
 The Great Debaters (2007)
    ディベートテーマ:バイリンガル教育
第7回教育と多様性:ポリティカル・コレクトネス―多様な背景を持つ生徒は尊重されているか?
 Glee (2009-2015) "Home" (S1E16)
 ディベートテーマ:ジェンダーと制服
第8回ドロップアウトする子供:ホームスクーリング―学校教育でしか得られないものは何か?
 The Breakfast Club (1986)
 ディベートテーマ:ホームスクーリング
第9回ユニバーサル教育:ギャツビー曲線と社会階級―なぜ学歴は世代間連鎖するのか?
 The Blind Side (2009)
 ディベートテーマ:能力別クラス編成
第10回デジタルと教育:監視社会―SNSがもたらす闇とは?
 The Social Network  (2010)
 ディベートテーマ:デジタル教科書
第11回学校教育の闇:いじめと子どもの人権―誰が子どもを守るのか?
 13 Reasons Why (2017-2020) "Tape 1, Side A" (S1E1)
 ディベートテーマ:いじめと仇名禁止
第12回教育とジェンダー:ジェンダー差別―女性の学びを阻むものは何か?
 Hidden Figures (2016)
 ディベートテーマ:医学部入試のジェンダー差別
第13回教育の地域格差:世界の果ての通学路―途上国の通学路にはどのような危険があるのか?
 On the Way to School (2013)
 ディベートテーマ:共学と別学
第14回ポストコロナの教育事情:デジタル時代の中等・高等教育―未来の教育はどこに向かうのか? 
 Minerva University
 ディベートテーマ:IT時代の教育
授業の運営方法〇 講義形式を基本とするが、ペア/グループワークも取り入れた双方向の授業を行う。
〇 パワーポイントスライドを用いた授業を教場で行う。
〇 出席確認は出席カードと授業コメントによって行う。
〇 遅刻・早退は30分まで。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法〇 期末レポート提出後の授業で全体的な講評を行う。
〇 個別課題のフィードバックはポータルを通じて行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 50% 期末レポート(授業に関連する独自テーマ)
授業参加 50% リフレクションコメント、授業内課題
その他 0% 実施しない
テキスト 授業資料はポータルで配布する。
参考文献 Gary Thomas, Education: A Very Short Introduction, Oxford UP, 2013. ISBN 978-0199643264.
その他、履修生への注意事項 〇 課題や授業に関する連絡はポータルで配信するため、ポータルには毎日アクセスすること。
〇 授業に関する質問や疑問があればポータルのQ&Aで担当教員に連絡すること。
〇 期末レポートの評価基準(計24点)は以下の通り。
  1. 内容・展開:文章には明確な主題がある。批判的思考が実践されている。オリジナリティがある。
  2. 構成:序論・本論・結論の3部構成である。文章には学術的背景が提示され、先行研究への言及がある。
  3. リサーチ(研究):情報や意見にはその証拠となる文献が引用されている。文献の解釈も提示されている。
  4. 表現・文体:文章は首尾一貫していて、論旨も明確である。豊かな語彙や技巧的表現が使用されている。
  5. 技巧:語用・語法、文の構造(主述の一致)、表記、句読点等には間違いがなく、誤字や脱字もない。
  6. タイムライン:期日内に提出した。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】