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科目名世代別コミュニケーション論
担当者依田 真門
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目世代ごとに差異が見られるコミュニケーションの特性を捉え、多世代共生、多世代協働に向けた基本的認識を身に着けるとともに、世代をつなげるコミュニケーション力を高めるための知見を習得する。
授業の達成目標1)異なる世代の間で観察されるコミュニケーション行動の差異や共通点をデータ等を通じて把握すると共に、その背後にある意識や考え方に目を向けて、広範な視点で世代別コミュニケーションを捉えられるようになる。
2)世代間の差違を分析的にとらえていくための方法とその考え方を学び、他世代/同世代のコミュニケーション特性を客観的な視点から捉えられるようになる。
3)チームで行う他世代の人々へのインタビュー調査を通じて、世代を超えたコミュニケーションの実践的な知見とスキルを強化する。
4)Z世代と呼ばれ社会的注目度が高まっている”自分たち世代”を世代論的視点からとらえ、自己認識の深化と視野の拡大につなげる。
今年度の授業内容「夫婦別姓」に関する考え方を例にとってみましょう。男女の雇用条件が(原則)同等となり、女性が社会に出ることが当たり前の世代から見ると、どちらかに姓を一本化させる現行の制度は自由度が低いものに映るかもしれません。とはいえ、これは30年以上前に”適齢期”を過ごした世代とは、捉え方に大きな差がある可能性があります。それぞれが育った時代の雰囲気や常識が異なることから、双方の”当たり前”にギャップがあるからです。前半の講義では、世代により異なるものごとの捉え方やコミュニケーション観の差異などを調査データやエピソードを参照しながら掴んでいき、中盤以降は日本における「家族」像の変遷を補助線として世代間の差違を捉える視点を強化していきます。これら講義内容と並行して受講生同士でチームを作り、共同で他世代の方々にインタビューを行い、世代を超えたコミュニケーション力の向上に挑んで頂きます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について毎回授業後の復習: 30分-60分
特定の回に出される事前準備:コース期間合計で3-4時間
インタビュー実施を含めたチームでの調査活動:コース期間合計で10-15時間
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項各回の復習は必ず行い、都度学習内容を理解するようにしてください。毎回指定された課題は必ず提出するようにして下さい。チーム単位のインタビュー調査が始まるのはコース中盤頃ですが、その準備は前半から開始されます。偶然組んだ仲間と協力して進めて頂くので、互いに十分コミュニケーションを取り合い助け合って進めて下さい。
第1回オリエンテーション - なぜ、世代別コミュニケーション論を学ぶのか?
第2回世代間ギャップの構造を探る
第3回世代別コミュニケーションの分析視点(1) 加齢効果
第4回世代別コミュニケーションの分析視点(2)  世代効果
第5回世代別コミュニケーションの分析視点(3)  時代効果
第6回世代別コミュニケーションを考える視点1 - 家族観
第7回世代別コミュニケーションを考える視点2- 結婚観・パートナーシップ
第8回世代別コミュニケーションを考える視点3 - 家庭と仕事
第9回世代別コミュニケーションを考える視点4 - 信仰心、宗教観
第10回世代別コミュニケーションを考える視点5 - 国際化、ナショナリズム
第11回世代別コミュニケーション研究(1)チーム発表1(バブル世代以前の世代担当チーム中心)
第12回世代別コミュニケーション研究(2) チーム発表2(団塊ジュニア世代以降の世代担当チーム中心)
第13回Z世代の課題
第14回世代別コミュニケーション論 総括
授業の運営方法原則として対面で行います。講義、個別課題と演習、グループ討議、チーム活動(インタビュー調査)等が並行して進められます。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回授業開始時に前回授業の振り返りと課題へのフィードバックを行います。講師が必要と判断した場合は、個別に直接またはポータル等を介してフィードバックを行う場合もあります。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 50% 授業の理解度と当該テーマに関する自身の掘り下げ度合いを見ます
授業参加 50% 出席点と毎回提出される課題の回答内容、チーム活動のアウトプットから授業への参加態度を評価します
定期試験 0% 定期試験は行いません
テキスト 毎回配布するパワーポイント資料、その他講義の進捗に合わせて配布する資料を参照します。その他授業中にURL等を指定して参照する場合があります。
参考文献 NHK放送文化研究所(2020)「現代日本人の意識構造(第九版)」NHK出版 ISBN-13:978-4140912607
阪本節郎、原田曜平(2015)「たった一冊で誰とでもうまく付き合える『世代論の教科書』」東洋経済新報社 ISBN-13:978-4492557433
千田有紀(2011)「日本型近代家族 どこから来てどこへ行くのか」勁草書房 ISBN-13:9784326653614
原田曜平(2020)「Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?」光文社 ISBN978-4-334-04507-4
その他、履修生への注意事項 1.受講生の全授業出席を前提としたカリキュラム構成になっています。(単位取得には8割以上の出席が必要です)授業は毎回のテーマで自己完結しているものではなく、各回が連携しながら学習が進行する設計になっています。従い一度欠席すると全体が見えなくなり、学習の観点からは大きなハンデを負うので十分に注意してください。
2.各回授業時に使用する資料は、授業前日の午後6時までにポータル「授業資料」にアップしておくので、各自で参照可能な形で授業に臨んで下さい。授業後は毎回復習を行って内容を消化し、指定された課題は必ず提出して下さい。
3.インタビュー調査チームは、講師側で決定します。偶然一緒になった仲間と意義のある活動が出来るよう、コミュニケーションを充分にとり、互いに協力しあって進めて下さい。
4.期末レポートは、講義内容の理解度、授業内で指定した文献の読み込みの深さ、インタビュー調査とグループ活動から得た収穫の質、等を総合的に見て評価を行います。従いレポートは講義、文献、チーム活動で得たデータや学習を関連させ、自分なりの整理を行ってまとめてください。
5.新型感染症の対応等により、授業形態が”対面”以外となる場合は、状況に応じて変更内容を掲示などにてお知らせします。遠隔授業は原則としてZoomでの実施とし、その際のURLは、前日配布の授業資料内に掲載します。また、対面/Zoomのハイブリッド型で授業を行う場合は、対面での受講生にもスマホなどを通じて同時並行でZoomに入って頂く可能性があります。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】