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科目名シンボル表現論
担当者本間 紀子
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目シンボル表現から世界や文化を見る ― 西洋の伝統的なシンボル表現とその影響
授業の達成目標
1)
ロゴマークやシンボルマークの役割を理解し、有名な例をいくつかあげて説明することができる
2)ギリシア・ローマ神話における天体や植物や動物の象徴について説明することができる
3)キリスト教美術における植物や動物の象徴について説明することができる
4)西洋美術にみられる擬人像の表現について説明することができる
5)授業でとりあげた主要な作例について説明し、自分の考えを述べることができる
今年度の授業内容オリンピックやWHOのシンボルマーク、スターバックスやナイキのロゴ(ロゴマーク)、都道府県や市町村のマークや公認キャラクターなど、私たちの周りには沢山のシンボル表現があります。
 それがどんなにシンプルなデザインであっても、その形、その色彩には、何らかの意味がこめられています。だから私たちは有名ブランドのシンボルマークやロゴを一目見ただけで、どこのものなのか理解することができるし、そのブランドが伝えようとしているコンセプトやイメージまで読み取ることができるのです。
 今年度の授業では、西洋の伝統的なシンボル表現とそれらが後世へ与えた影響について考察します。団体や組織、企業やブランドのマークに伝統的な象徴が使われることはよくあることです。そのようなことをすることによって、より豊かな意味付けをすることができるからです。例えば、WHOのシンボルマーク「杖に巻き付く蛇」(ギリシア神話の医神アスクレピオスに由来)は医療のシンボルであり、オリンピックの開会式に登場する鳩のモティーフ(『旧約聖書』の大洪水のエピソードに由来)は平和のシンボルとして伝えられてきたのです。
 過去と現在のシンボル表現から多くのことを学び取ってもらいたいと考えています。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事後学習が中心となります。「課題」(宿題)が出ている場合は、1時間から2時間(課題の内容によってはそれ以上)必要になると思います。
しかし、与えられた課題をこなすだけでは十分とは言えません。わからなかったことは調べましょう。教科書と参考資料をじっくりと時間をかけて読みましょう。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項配布資料や教科書『花と果実の美術館』のその回の授業に関連するページを読む。わからない用語、知らない神話や物語があれば、図書館の本やインターネット等で調べる。
日常生活の中で興味深いロゴマークやシンボルマーク等を見つけたら、記録をとっておくとよい(模写をしたり、写真に撮ったりするなど)。
第1回授業の説明+イントロダクション「身近なところにあるシンボル表現(WHOのシンボルマーク、スターバックスやナイキのロゴなど)
第2回サインとマークの歴史
第3回ギリシア・ローマ神話と「天体」1 惑星
第4回ギリシア・ローマ神話と「天体」2 黄道十二宮
第5回ギリシア・ローマ神話と「動物」
第6回ギリシア・ローマ神話と「植物」
第7回キリスト教美術と「植物」1 旧約聖書
第8回キリスト教美術と「植物」2 新約聖書(イエス・キリスト)
第9回キリスト教美術と「植物」3 新約聖書(聖母マリア)
第10回肖像画に添えられた植物
第11回擬人像とアレゴリー(寓意)1「自由」「平和」「運命」など
第12回擬人像とアレゴリー(寓意)2  美徳と悪徳
第13回擬人像とアレゴリー(寓意)3「大陸」、「国家」、「都市」
 ※この回に定期試験の説明をする予定
第14回シンボルで読み解く名画 / 全体のまとめ
授業の運営方法講義形式で行います(パワーポイントを使用)。質問等は授業の後に受け付けます。資料のプリントは印刷したものを配布する予定ですが、ポータルにもアップします。
授業終了時に「おさらいクイズ」(小テスト)を出題します。「おさらいクイズ」(小テスト)は出席の確認を兼ねているので、所定の用紙に解答を記入して提出しないと「早退」または「欠席」とみなされます(たとえ出席していたとしても)。
「課題」(全6回の予定)は宿題になります。なるべく二週間以内にポータルに提出してください。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法「おさらいクイズ」(小テスト)と「課題」は次の回の講義の冒頭に解説や補足をします。どの程度正解できたのか各自で確認してください。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 55% 55点を最高点とし、「授業の達成目標」の5項目を問います(筆記試験でノートや教科書等の参照は不可)
小論文・レポート 25% 課題(全6回の予定)の提出状況および内容を評価
授業参加 10% 小テストの受験回数によって参加度を評価
その他 10% 小テストの解答内容を評価
テキスト 小林賴子花と果実の美術館,名画の中の植物』 2010年 八坂書房
    ※2400+税(2640円) ISBN978-4-89694-967-4
参考文献 1. ハンス・ビーダーマン『図説 世界シンボル事典』 藤代幸一 監訳 2001年 八坂書房
2. ミランダ・ブルース=ミットフォード『サイン・シンボル大図鑑』 小林頼子・望月典子 監訳 2010年 三省堂
3.『世界のサインとマーク』 村越愛策 監修 2002年 世界文化社
4. スティーヴン・ウェッブ『記号とシンボルの事典,知ってそうで知らなかった100のはなし』 松浦俊輔 訳2019年 青土社
5. コリン・ソルター『世界を変えた100のシンボル』 甲斐理恵子 訳 全二巻 2022年 原書房
6. 杉原梨江子『神話と伝説にみる花のシンボル事典』 2017年 説話社
7. ジェイムズ・ホール『新装版 西洋美術解読事典,絵画・彫刻における主題と象徴』 日本語訳監修 高階秀爾 2004年 河出書房新社
8. 松島道也『図説 ギリシア神話「神々の世界」篇』(ふくろうの本) 2001年 河出書房新社
9. 庄子大亮『世界の見方が変わるギリシア・ローマ神話』 2022年 河出書房新社
10. 小林賴子『花のギャラリー,描かれた花の意味』 改訂新版 2003年 八坂書房
11. 遠山茂樹『歴史の中の植物,花と樹木のヨーロッパ史』 2019年 八坂書房
12. 『西洋絵画の中の花(朝日美術館, テーマ編4)』 堤委子・矢野陽子 責任編集 1997年 朝日新聞社
13. 『ヨーロッパの図像 花の美術と物語』 海野弘 解説・監修 2017年 パイ インターナショナル
14. 『象徴と寓意,見えないもののメッセージ (ART GALLERYテーマで見る世界の名画10) 』 伊藤博明 責任編集 2018年 集英社
関連ページ Web Gallery of Art ※英語
 https://www.wga.hu/index.html
その他、履修生への注意事項 教科書(『花と果実の美術館』)は必要です。必ず入手し、毎回持参してください。教科書がないと「課題」や「おさらいクイズ」ができないことがあります(結果として、成績に大きく影響します)。定期試験のための勉強の際にも、困ることになるでしょう。

第2回以降は、過去に配布したプリントを使うことがあります。必要に応じて持ってきてください。

担当教員に何か連絡したい場合は跡見のwebメールを使ってください(honma7390@atomi.ac.jp)。メールには授業名と問い合わせの内容がわかるような題名をつけると対応が早くなると思います(例 「シンボル表現論 教科書の購入について」)。
初回の授業が始まる頃に、この授業の方針をまとめたプリント「よくある質問とその回答」をポータルの「授業資料」にアップする予定です。必ず読んでおいてください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】