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科目名語用論
担当者中村 聡
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目言葉によるコミュニケーションを可能にしている暗黙のルールを探る
授業の達成目標私たちが普段ほとんど意識することなく行っている言葉のやりとりで生じる文字通りではない意味(たとえば「あなたと毎朝コーヒーが飲みたいな」が「結婚してください」の意味だったりする)が生まれる仕組みや、相手をできるだけ嫌な気持ちにさせないよう、相手に余計な労力をかけさせないよう、会話の際に人が無意識に従っているルールを説明できるようになる。そして、その知識をAI(人工知能)には不可能とされる、人間的な言語コミュニケーションに役立てられるようになる。
今年度の授業内容言葉の意味をコンテクスト(言葉の使用場面と状況)と結びつけて研究する言語学の分野である語用論( pragmatics) の代表的な諸理論の論点を紹介し、私たちの言語コミュニケーションへの応用性を探る。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について原則として授業の前日の夜に、各回の授業資料をクラスプロファイルの「授業資料管理」に upload するので、目を通し疑問を感じた箇所を意識して、授業に臨むこと。その疑問に対する答えを教員の話の中に求め、教員が配布する紙の授業資料に記入すること。講義終了後は、記入した授業資料を見返して理解を深めるように努めること。コミュニケーション文化学科の学生でなくとも、自分の卒業論文のヒントを講義の中に見出してほしい。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項日本語で書いてある語用論の書籍は多くはなく、日本語で書いたものでも専門的なものが多いので、最善の方法は、毎回の授業後に講義内容を必ず復習することである。
第1回言語学の一分野である語用論(言語運用論)の研究領域、コミュニケーション研究における語用論の意義
第2回「文」と「発話」と「コンテクスト」
第3回推論(推理)
第4回協調の原理 — 円滑なコミュニケーション成立のために話し手・書き手が守っていること
第5回会話的含意(文字どおりではない意味)
第6回協調の原理の非遵守と会話的含意
第7回一般化された会話的含意と特殊化された会話的含意
第8回協調の原理の非遵守レトリック(ことばの技巧)
第9回直示 (deixis) 
第10回照応 (exphora, anaphora, cataphora)
第11回言語行為理論 (1):言語行為の分類


第12回言語行為理論 (2):適切性条件

第13回ポライトネス理論 (1):Politeness Principle
第14回ポライトネス理論 (2):face wants; negative face and positive face
授業の運営方法講義形式で進める。毎授業ではないが数回、原則として授業内で,講義の内容に関する筆記課題を出す。場合によってはポータル上で課題を提出してもらうこともある。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法課題に対するフィードバックは授業時に口頭で、あるいポータル上で行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 70% 定期試験期間中に行う筆記試験(教員が配布した紙資料のみ参照可)
小論文・レポート 0% なし
授業参加 30% 講義内容に関する課題の提出回数と内容;自主的発言の回数;授業への姿勢
その他 0% なし
テキスト 定めない。教員が作成した紙資料を配布する。
参考文献 川添 愛.   2017. 『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』 朝日出版社.   ISBN: 978-4-255-01003-8
小泉 保 (編).   2001. 『入門 語用論研究』  研究社.    ISBN: 978-4-327-40126-9
Peccei, J. S.  1999.  Pragmatics.  Routledge.   ISBN: 0-415-20523-9
Yule, G.  1996.  Pragmatics.  Oxford University Press.  ISBN: 978-0-19-437207-7

その他、履修生への注意事項 ・教室では受講生の意思で席を選んでくださって結構ですが、いつも同じ席に座ってください。その席に基づいて座席表を作り、出欠確認を行います。

・授業中に「机に突っ伏して」いる場合は、授業を聞いてくれていないと判断し、授業参加点より減点します。事情があって、やむをえずそうなるときがある場合は予め、体調が悪くてそうなってしまった場合は授業終了直後に、教員に伝えてください。

・授業中にスマホやタブレットやPCを操作している場合は、授業を聞いてくれていないと判断し、授業参加点より減点します。事情があって操作する必要があるときは、予め、あるいはその場で、あるいは授業終了直後に教員に伝えてください。
 




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