科目名 | 多文化社会論 | |
担当者 | 吉田 さち | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 多言語社会の現状と課題 | |
授業の達成目標 | この授業の達成目標は以下の4点です。 (1) 多言語社会に関連する基本的な概念や理論について説明できる。(2) 国内外の日系・コリア系移住者コミュニティの多言語状況について説明できる。 (3) 多言語化する日本社会の現状について、国籍・言語・在留資格・地域・メディアなどさまざまな視点から説明できる。 (4)外国人児童・生徒の言語問題、ヘイトスピーチの問題などについて、現状を説明したうえで、自分なりの意見を述べることができる。 |
|
今年度の授業内容 | グローバル化が進み、日常生活において日本語以外の言語に触れることが当たりまえのことになっています。街中で複数の言語で書かれた看板を見かけたり、アルバイト先で日本語以外の言語を使う顧客との間で、日本語や英語等を用いて話したりすることがあるかもしれません。また、みなさんが日常的によく使うソーシャルメディア上でも、日本語のみならず、英語、朝鮮・韓国語等、さまざまな言語を見たり聞いたりすることがあるでしょう。 この授業では、現代社会について、特に「言語」の側面に焦点を当てて考察していきます。まず、学期の前半で、関連する基本的な概念・理論について見ていきます。それを踏まえて、国内外の日系・コリア系のエスニック・コミュニティに焦点を当てて、彼らの多言語使用、言語シフト、母語の維持・喪失、言語教育等の実態について考察します。学期の後半では、日本のエスニック・タウンの一つである新宿区大久保地区について、グループで調べ、その結果を発表してもらいます。 |
|
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前に、参考文献や関連書などで、次の授業のテーマ関する章を読み、内容を理解しておく。授業後は内容を振り返り、復習ノートにまとめ、理解を深めること。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 普段から、多文化・多言語社会に関連する新聞記事やニュース等に積極的に触れるようにすること。 | |
第1回 | オリエンテーション、多言語社会のイメージ、多言語化する日本社会(人口、国籍、言語、在留資格、集住地域と散住地域など) |
|
第2回 | 在日外国人と在留資格について—映像を視聴して考えよう— |
|
第3回 | 多言語主義と複言語主義、自分の中のことばの資源—言語ポートレートの作成を通じて— |
|
第4回 | 国内の言語政策(日本語政策、多言語政策) |
|
第5回 | 多言語サービス・多言語支援、「やさしい日本語」 | |
第6回 | 国内の外国人児童・生徒と言語教育(継承語の保持、日本語の習得) | |
第7回 | 多言語景観—バーチャルフィールドワークを行おう— | |
第8回 | 国外の状況(1)南米、サハリン(旧樺太)等の日系コミュニティと言語 | |
第9回 | 国外の状況(2)サハリン・中国・中央アジア等のコリアンコミュニティと言語 | |
第10回 | 国内の状況(1)日系ブラジル人のコミュニティと言語 | |
第11回 | 国内の状況(2)在日コリアンのコミュニティと言語 | |
第12回 | エスニックタウン新宿区大久保地区について調べよう(グループ調査) | |
第13回 | エスニックタウン新宿区大久保地区について調べよう(グループ発表) | |
第14回 | 今学期のまとめ | |
授業の運営方法 | この授業では、受講生に発言を求めることがあります。またペアやグループ活動も多く取り入れます。ぜひ積極的に参加するようにしてください。 |
|
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 課題回収後、次の講義にて教員がふりかえりを行います。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 40% | 学期末レポート |
授業参加 | 30% | 小課題、発言、ペア・グループ活動への参加状況 |
その他 | 30% | 提出された小課題の内容 |
テキスト | 独自に作成した資料を配布する。 |
参考文献 | 駒井洋監修・小林真生編著 (2020)『変容する移民コミュニティ : 時間・空間・階層』明石書店 多言語化現象研究会編(2013)『多言語社会日本‐その現状と課題‐』三元社 平高史也・木村護郎クリストフ編(2017)『多言語主義社会に向けて』くろしお出版 福永由佳編(2020)『顕在化する多言語社会日本』三元社 松田真希子・中井精一・坂本光代編(2022)『「日系」をめぐることばと文化 移動する人の創造性と多様性』くろしお出版三宅和子・新井保裕編(2021)『モビリティとことばをめぐる挑戦 社会言語学の新たな「移動」』ひつじ書房 村田晶子・中山京子・藤原孝章・森茂岳雄(2019)『チャレンジ!多文化体験ワークブック』ナカニシヤ出版 他、適宜紹介します。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】 |