[戻る]
科目名ライティング特殊演習(批評)B
担当者江口 正登
開講期2025年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数1単位
授業の方法演習
授業形態対面(一部オンライン)
オンライン実施回
第9回/第11回
授業題目長文の演劇批評を書く。
授業の到達目標1.一般的・基礎的な文章技術を身につけた上で、文章の目的や読者を意識し、適切なスタイルを選択できるようになる。
2.対象を論理的な根拠に基づいて分析・解釈し、評価できるようになる。
3.ある程度の長さの批評を書けるようになる。
4.現代の社会の中での批評のあり方について、自分なりの意見が述べられるようになる。
今年度の授業内容批評を書くことは、作品を鑑賞し、思考し、言語化する能力を養うものですが、同時に、そのように言語化することを通じて、他者との対話の場を開き、自らの思考と作品の意義を公共化していく契機にもなります。作品を語る言葉はまた、展覧会のカタログや演劇公演のプログラム、映画のプレスリリースなど、社会のさまざまな場面で求められており、批評を書く力は実際的なスキルとしても有用です。
本授業では、批評という文章のあり方を理解することからはじまり、作品分析や執筆の方法を学び、また実際の批評文を読むことを通して、批評を書くための技術を身につけます。演劇批評を書くことを最終的な目標としますが、それ以外のジャンルの表現や批評も参照します。
履修者には、授業の中盤に短文の批評(1000~2000字程度)を、また終盤に長文の批評(4000~6000字程度)を執筆してもらいます。短文の批評は実際に舞台を観て執筆し、長文の批評は映像で参照できる作品について執筆してもらう予定です。書いた批評には教員からももちろんフィードバックを行いますが、履修者同士でも互いに読みあい、フィードバックを交換します。
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について・事前に講義資料に⽬を通し、気になった点や疑問に思った点などを整理しておく。
・調べ物や映像の視聴などを事前課題として課すこともある。
・互評会に関しては、他の履修生の書いた批評も読み込み、意見を話す準備をしておく。
・執筆のためのリサーチを随時進める。
1回平均約45分
自習に関する一般的な指示事項・普段から文章を読む際には、その技巧や構成、スタイルなどにも注意を向けるようにしてください。
・演劇はもちろんのこと、それ以外の様々な芸術ジャンルにも⽇頃から関⼼を持つようにしてください。授業時にも公演や展⽰の情報を紹介するので、なるべく積極的に⾜を運んでみてください。
授業の特徴(アクティブラーニング)レポート/プレゼンテーション/討議(ディスカッション・ディベート)
第1回ガイダンス
授業概要、スケジュール、成績評価などについて説明し、履修者の関心を確認する。

第2回批評とは何か①
批評とはどのような文章なのか、その形式、機能、目的について学ぶ。
第3回批評とは何か②
現代の日本において批評はどのような位置にあるのか、媒体や想定される読者層との関係について考える。
第4回批評を読む①
レビューなどの短い批評文を読む。
第5回作品分析の方法①
様々なジャンルの芸術作品を分析するための基本的な方法を学ぶ。
第6回作品分析の方法②
特に演劇作品の分析に関する固有の問題や方法を学ぶ。
※この週までに短文の批評を完成させる。
第7回互評会①
各自が執筆した短文批評を読み合い、相互にフィードバックを行う。
第8回執筆の方法①
執筆の準備段階において必要な発想法や情報収集の技術などを学ぶ。
第9回執筆の方法②
アイデアの広げ方・深め方や論理の構築の仕方、文章作法など、実際に執筆を進める際の技術を学ぶ。
第10回批評を読む②
一定の分量を持つ作品批評を読む。
第11回批評を読む③
紹介や報告の機能に重点を置いた文章を読む。
第12回批評を読む④
個別の作品評に留まらない、より広範な問題を扱った、論考としての性格の強い批評を読む。
※この週までに長文の批評を完成させる。
第13回互評会②
各自が執筆した長文批評を読み合い、相互にフィードバックを行う。
第14回まとめ
各自の執筆経験を振り返り、批評を書くことの意義やその社会的な機能について議論をする
授業の運営方法・教員による講義、履修者による批評の執筆、それらについてのディスカッションを主軸として進める。履修者には、執筆の進捗状況の報告も随時行ってもらう。批評執筆のために演劇公演の鑑賞(チケット代3000〜5000円程度のものを対象とする予定)が課されます。
・資料配布や日常的な連絡にはMicrosoft Teamsを使用します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法執筆した批評に対して、授業内でフィードバックを行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 60% 批評の執筆(短文と長文の2回)
授業参加 40% 執筆状況についての報告やディスカッションへの貢献など、授業参加への積極性
参考文献 唐木元『新しい文章力の教室:苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』インプレス,2015年.
シルヴァン・バーネット『美術を書く:美術について語るための文章読本』村山閑訳,東京美術,2014年.
その他、履修生への注意事項 ・オンライン授業の回は、Microsoft Teamsを利用し、リアルタイム配信の形式で行います。資料の配布、出席確認もTeamsを通じて行います。
・授業の運営⽅法の欄にも書きましたが、批評執筆に関連して演劇公演の鑑賞が課題となりますので、チケット代の⽀出が必要になります。3000〜5000円程度のものを対象とする予定です。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】