科目名 | ライティング特殊演習(批評)A |
担当者 | 林 浩平 |
開講期 | 2024年度春学期 |
科目区分 | 週間授業 |
履修開始年次 | 3年 |
単位数 | 1単位 |
授業の方法 | 演習 |
授業題目 | 本演習では、批評的意識で綴られた時事的コラムや書評の文章を学び、短文という土俵での文章表現力を鍛錬する。 |
授業の達成目標 | 本演習の目標は、将来文化創造に関わる企業や団体に所属して業務を行う際に必要な文章ライティングのスキルを磨くことにあるが、ここでは特に短い文章において、ジャーナリスティックなセンスを活かし、かつ社会的な批評意識を持って、多数の読者を説得できる文章技術を習得することを目指したい。 |
今年度の授業内容 | まずは、お手本となる文章を熟読する。ジャーナリスティックなセンス、というのは、いま現時点で何が大事な問題であるかを嗅ぎ分ける嗅覚である。そのセンスを十分に活かして綴られた、主に古典詩歌についてのコラムが、大岡信の「折々のうた」である。これは、朝日新聞の第一面に足かけ29年間にわたって連載されたが、詩歌の鑑賞文がかくも長期間継続して書き継がれたのは、ひとえに大岡のアクチュアルな批評感覚によるだろう。生き生きとして躍動感にあふれた大岡の散文に学びたい。また、同じ朝日新聞の朝刊にはいまも続く時事コラム「天声人語」がある。これは新聞記者経験を持った複数の書き手が担当するが、政治経済社会の諸問題のなかから、具体的な話題をどう掴みだして、どんな切口で批評すれば、説得力のある文章になるのか。これまでの名作コラムを教材として学ぼう。さらに、書評というのも、短文によって一冊の書物の世界を紹介し評価する場であるから、書き手の要約の力と批評意識がものを言うジャンルである。すぐれた書評の文章に触れてみよう。こうしたお手本を熟読しながら、課題として、時事コラム的な短文や書評の文章に各人が挑戦する。演習形式で授業を進めるので、各人の書いたものを相互に鑑賞し批評しあう場ともなろう。受講生同士の切磋琢磨を期待する。 |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 配布されて授業中に読んだお手本の教材を帰宅してから、再度読み返そう。その段階で気が付いたこととか、重要と思ったことをノートに記述するように。また課題として提出し、指導を受けたり添削を受けた自分の原稿は、読み直して、訂正箇所を清書するように。予習復習には合計14時間。
|
合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 新聞を定期購読する家庭が減っているため、自宅に新聞を取っていないかもしれないが、自宅もしくは大学や公共の図書館で毎日の新聞を手に取って、朝日新聞なら「天声人語」を、他紙なら第一面の時事コラムを読んでみよう。ジャーナリスティックなセンスを磨くには、日々、世界では何が起こっているかにアンテナを張って、関心を向けることが大切。 |
第1回 | 本演習のガイダンスを行い、さらに文章表現の重要ポイントをレクチャーする。 |
第2回 | 大岡信の『折々のうた』を読み、短い批評文の書き方を学ぶ。(一回目) |
第3回 | 大岡信の『折々のうた』を読む。(二回目) |
第4回 | 大岡信の『折々のうた』を読む。(三回目) |
第5回 | 課題作文をそれぞれが朗読して発表、相互に批評し合い、担当教員の指導を受ける。 |
第6回 | 『天声人語』を読み、時事的コラムの書き方を学ぶ。(一回目) |
第7回 | 『天声人語』を読み、時事的コラムの書き方を学ぶ。(二回目) |
第8回 | 社会批評の精神で綴られたエッセイを読んで、問題意識の持ち方などを学ぶ。(一回目) |
第9回 | 課題作文をそれぞれが朗読して発表、相互に批評し合い、担当教員の指導を受ける。(二回目) |
第10回 | 社会批評の精神で綴られたエッセイを読んで、問題意識の持ち方などを学ぶ。(二回目) |
第11回 | お手本となる書評の文章を読む。(一回目) |
第12回 | お手本となる書評の文章を読む。(二回目) |
第13回 | お手本となる書評の文章を読む。(三回目) |
第14回 | 課題作文をそれぞれが朗読して発表、相互に批評し合い、担当教員の指導を受ける。(三回目) |
授業の運営方法 | 配布される教材プリントを使って短文の批評的エッセイを熟読し、書き方のポイントを学ぶ。そのうえで、提示された課題に沿って課題作文を執筆し提出、発表し、指導を受ける。
|
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 演習の場で発表した課題作文の文章について、担当教員による指導と評価を受ける。 |