科目名 | ライティング特殊演習(メディア)A | |
担当者 | 岩崎 達也 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 演習 | |
授業題目 | マスメディアの衰退とSNSなどのスマートフォンを中心としたコミュニケーションが主体となってきたメディア環境の変化によって、企業のマーケティング・コミュニケーションも大きく変わった。本講義では、マーケティング理論をベースに広告を中心とするマーケティング・コミュニケーションの理論を学び、ライティング手法について事例を見ながら実際に書くことでその手法を身につけていく。 多くの広告事例をみることで、プロモーションミックスの考え方や手法を学ぶ。 |
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授業の達成目標 | マーケティング・コミュニケーションの理論や施策について説明できるようになる。また、広告における有効なライティングの考え方や手法を身につけ、実際に書けるようになる。メディア環境が複雑化する中で、どんなメディア、どんなデバイスを使えばターゲットに届くかを戦略的に考えられるようになる。 | |
今年度の授業内容 | 企業のマーケティング戦略において重要な位置を占めるプロモーション。その一つの手法である広告に焦点をあて、新たな切り口の発見、360度の発想など広告におけるキャッチフレーズの考え方とその手法を学ぶ。また、広告が伝わりづらくなった時代における読んでもらい、納得してもらえるライティング手法について、事例を豊富に紹介し、それらを分析することでライティング手法を身につける講義とする。 「マーケティングと広告」、「言葉とビジュアル」、「メディアと表現」など、実践に役立つ講義とする。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 予習:TV、新聞、インターネットメディア、雑誌、交通広告など、各時間テーマとする各メディアのCMを見ておく。 また、それぞれのメディア特性とコピー(文章)との関係について、考えを巡らせておく。1時間 復習:配布した資料とテークノートした講義の内容を再読し、気づきを記録しておく。1時間 |
合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 気になる広告や企業プロモーションを記録しておき、広告ライティングの手法やプロモーション仕組みを考察する。 マーケティングコミュニケーションに関する書籍を1冊読む。 |
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第1回 | 講義に関するオリエンテーション。自己紹介、評価方法の説明、広告ライティングへの導入 。 シラバスの内容・スケジュールの説明。 広告の始まりの話。 |
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第2回 | 広告と企業活動におけるコミュニケーション事例の説明。 企業や組織のおこなうコミュニケーションの種類を理解する。 近代工業社会の企業のマーケティングにおいて広告がどんな役割を担ってきたについて理解する。 マーティングの基礎理論からマーケティングミックスの4Pを学び理解する。 |
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第3回 | 広告とマーケティング(1)切り口。360度の発想 USPの発見。 広告の切り口の重要性を講義し、その発想の手法について教授する。 実際に簡単なランティングをやってみることで切り口の重要性を理解する。 切り口でこんなに訴求ポイントが変わる。 |
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第4回 | 広告とマーケティング(2)コピーとデザイン 広告がどのように機能してきたかを理解する。広告の中での言葉の役割とビジュアルの役割を理解する。 既存の広告を見て、自分ならこうする、を考え書いてみる。 |
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第5回 | 広告コミュニケーションの実務(1)広告コミュニケーション計画 IMC。 広告コミュニケーション実務についての基本的な用語を理解し、広告コミュニケーション計画の流れと立案するための基本的な手法を学ぶ。近年の広告で気になる広告手法や表現を探しておき、議論する。自分でなぜその広告が訴求するのかを説明できるようにする。 |
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第6回 | 広告コミュニケーションの実務(2)状況分析 ポジショニングと広告のメッセージ(広告コンセプト)の発見。 セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの手法を理解し、広告コンセプトの立案とはどういうものか理解する。また、実際にコンセプトをつくってみる。 |
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第7回 | 広告コミュニケーションの実務(3)広告表現の検証 広告制作の手順。 受賞作を見て、広告表現においてなぜそれが優れているのか考え、説明できるようにする。 広告制作の手順について理解する。実際に自分が広告制作に関わるならどの部分かを理解する。 |
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第8回 | 広告コミュニケーションの実務(4)メディア計画、メディア選択とメディアプラン。 メディア特性を理解し、メディアデザインの考え方を理解する。メディアにおける表現の違いを検証し、なぜその表現なのかを議論する。 |
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第9回 | 広告コミュニケーションの実務(5)実際にコピーを書く。 広告効果についてのさまざまな考え方と効果指標について理解し、実際にその言葉が届くかを考える。 ビジュアルにキャッチコピーを入れてみる。なぜ、その言葉なのかを説明することで、表現とはどういうことかを理解する。 |
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第10回 | コミュニケーション・ミックス①:戦略PR 広告が届かなかった時代に脚光を浴びるPR(パブリシティ)についての基本的な考え方と手法を理解する。 広告では、伝わるものと伝わらないものを理解する。マーケティング・コミュニケーションの役割を理解する。 |
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第11回 | コミュニケーション・ミックス②:SP(セールス・プロモーション) 店頭POPや人的販売、イベントでのコミュニケーションを理解する。 マーケティング・コミュニケーションの役割を理解する。実際にPOPを書いてみることで、どうしたら買いたくなる文章かを学ぶ。 |
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第12回 | コミュニケーション・ミックス③:SNSほかデジタル広告の手法。いま、主流となっているSNSなどのデジタル広告の手法について事例を見ながら考察する。 自分ならどんな手法をとるか、その戦略を考える。 |
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第13回 | 広告コミュニケーション計画の作成 具体的課題への応用。 特定商品あるいはサービスについてのコンセプトワーク、キャッチコピー制作をする。 どのようなコミュニケーション・デザインをすれば訴求するかを考える。 最終レポート課題の提示。 |
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第14回 | 広告コミュニケーションまとめ 講義全体を通した総括および質問。最終のレポート課題についての質問。 広告コミュニケーション理論およびライティングの手法を理解し、実践でも活用できるように確認する。 |
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授業の運営方法 | 対面授業で行う。講義はパワーポイントを使った講義とし、基本的には資料を事前に添付する。 教室で実際に広告のライティングや広告コンセプトの作成をしてもらうが、課題については、当日(状況によっては事前)に提示する。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | ライティング内容に関しては、講義内での教員がコメントを行う。また、学生たちにもコメントを求め、議論することで学びにつなげる。 なお、最終のレポート課題に関しては、基本的には提出後のコメントは行わない。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
小論文・レポート | 50% | 論理性やエビデンス、独自性などがきちんと示されているかなどを評価して採点する。 |
授業参加 | 50% | きちんと講義に参加し、ライティング課題などに積極的に取り組む姿勢 |
テキスト | 独自に作成したパワーポイントで講義をする。 |
参考文献 | 『現代広告全書: デジタル時代への理論と実践』 田中 洋(編)/岸 志津江(編)/嶋村 和恵(編) (2021)有斐閣 ISBN: 4641165882 |
その他、履修生への注意事項 | 出席と最終レポートを重視するので、積極的に講義への参加を。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】 |
実務経験の概要 | 11年間、広告会社「博報堂」にて、コピーライター、CMプランナーとして、サントリー、JRA、カネボウ化粧品などの広告企画提案、広告制作を行う。その後日本テレビに転職し、広報、営業企画、番組企画、宣伝部長、編成局エグゼクティブディレクターなどを歴任した。バラエティ番組の立ち上げや日テレの企業ブランディングを統括した。その後に番組制作会社の執行役員として、営業、新規事業開発などのマネジメントを行った。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 博報堂のクリエイティブ、広告企画や日本テレビでの宣伝戦略など実務経験で得たもの(知識や人脈)を本講義でも活用し、広告知識と実務的なスキルをあわせて教授することにより臨場感のある実践型の授業を行う。社会に出たときすぐに使える知識を授ける講義にする。 |