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科目名現代文化表現学特殊講義(ポピュラーカルチャー)A
担当者西原 麻里
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目ボーイズラブ(BL)を学術的に研究する
授業の達成目標①ボーイズラブ(BL)研究に関するさまざまな視点や議論を学ぶことにより、BL文化の特徴や意義などを理解し説明することができる。
②さまざまなBL作品の分析を通じて、表現されるものとそこに含まれるメッセージを読み解くことができる。
③復習課題(リアクションペーパー)で自分の考えを言葉にして述べることができる。
今年度の授業内容この授業では、「ボーイズラブ(BL)」について国内外でおこなわれてきた学術研究の視点や議論を学び、BLを通して文化や社会のあり方を考えていく。
BLは、現代日本を始めとして世界各地で女性が中心的担い手となり、マンガや小説、アニメーション、実写ドラマ・映画、ゲームなど複数のメディアを横断しながら、さまざまな興味深い文化・社会現象を生み出している。また、グローバルな展開のもと、ジェンダーやセクシュアリティ、メディアなど社会的課題に関するアップデートもなされている。テキストの議論を中心に読み解きながら、そうした最新のBL文化やBL研究も射程に入れる。
授業は講義形式だが、受講生(挙手制)による「わたしがオススメするBL作品」プレゼンテーションを実施する。また、外部講師(ゲストスピーカー)をお招きする可能性がある。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について準備学修 ※約2時間
授業にて指示された「次週テーマに関する課題」に取り組むこと。授業に関連する話題を積極的にリサーチすること。
事後学修 ※約2時間
授業にて指示された「復習課題」に取り組むこと。授業で学んだことをノート等にまとめること。
※「わたしがオススメするBL作品」プレゼンテーションに参加する人は、その準備をおこなうこと。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項テキストに記述されている議論や情報への理解を深めるために、さまざまな作品に触れることがのぞましい。マンガや小説の場合は電子書籍でも紙の単行本でもよい。
第1回イントロダクション:ボーイズラブ(BL)の歴史と概論
第2回少年愛と耽美の誕生:1970年代から80年代
第3回同人誌と雑誌創刊ブーム、「ボーイズラブ」ジャンルの誕生:1980年代から2000年代初頭
第4回BLの浸透と深化、拡大と多様化:2000年代以降(1)
第5回BLの浸透と深化、拡大と多様化:2000年代以降(2)
第6回やおい同人誌の研究/「BL読み」とクィア・リーディング
第7回やおいコミュニティにおける実践
第8回性表現の議論とBL:フェミニズムの視点から
第9回BLの隣接領域:「BL的」な表象を読み解く
第10回BLゲームとアーカイブ:ゲームならではのBL
第11回社会問題化するBL:BLはなぜ非難の対象とされるのか
第12回BLの読まれ方:ゲイ・カルチャー/メディアとBL
第13回BLとナショナリズム:グローバリゼーションとコンフリクト
第14回授業内評価:確認テスト
授業の運営方法○パワーポイントを使用した講義形式で実施する。授業の資料はPortalで配布するので、事前に各自で印刷やPC等へのダウンロードをおこない準備すること。
○授業でのノートの取り方は、ペーパー/デジタルのどちらでも自由である。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法復習課題(リアクションペーパー)のコメントや質問を次回授業で紹介し、教員から回答する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
授業参加 50% 授業内評価、授業への参加
小論文・レポート 50% 復習課題(リアクションペーパー)の提出
テキスト 堀あきこ・守如子編著『BLの教科書』有斐閣、2020年(定価2,400円+税、ISBN 978-4-641-17454-2)
参考文献 ジェームズ・ウェルカー編著『BLが開く扉――変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー』青土社、2019年
永久保陽子『やおい小説論――女性のためのエロス表現』専修大学出版局、2005年
溝口彰子『BL進化論――ボーイズラブが社会を動かす』太田出版、2015年
その他、授業内で適宜紹介する。
その他、履修生への注意事項 ボーイズラブ(BL)に詳しい人は、自分の読み方や認識にこだわらず、学術的な視点からさらに深く広い知識を得てほしい。
また、BLに詳しくない人も歓迎する。ただし、普段からBLを知ろうとしていってほしい。
授業では外部講師(ゲストスピーカー)をお招きする可能性がある。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】