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科目名スポーツ文化論
担当者渡 正
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目スポーツの文化的特質と現代社会
授業の達成目標現代社会におけるスポーツの文化的特質と近・現代社会の特徴を理解し、スポーツと社会・文化の関連について検討することができるようになることが求められる。

1:社会・文化的現象としてスポーツを考え、現在のスポーツの特徴や歴史的経緯を理解し説明することができる。
2:現代社会におけるスポーツについて考察し、その課題について説明できる。
3:自らの実践するスポーツやスポーツライフについて考察し、自らのスポーツ実践について反省的に捉え返すことができる。
今年度の授業内容現代のスポーツは、社会生活な様々な相で見出す事ができる。特にオリンピックなどのメガスポーツ・イベントやプロスポーツは、政治・経済・社会と密接に関連した社会的な出来事となっている。
スポーツがどのようなものであるかは、その時代や社会の文化的特質によって多様であった。そのため本講義では、スポーツを社会や主体の多様性から考えること、およびスポーツの多様性を考えることを目標とする。またそのなかで、スポーツがそれぞれの社会的・歴史的文脈においてどのように語られ、表象されるのかということを、具体的な事例を紹介していく。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について本講義では、準備学習として計60時間が必要となる。
準備学習として、事前にポータル等に掲出する各回の講義資料を読み、疑問点などを予め整理しておくこと。
講義終了後は、配布プリントや講義ノートを見直し、終了後に掲出される課題を行うこと。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項日常生活の中で、新聞、テレビ、webなどにおけるスポーツやアスリートの描かれ方・語られ方に積極的に目を向け、授業で示した視点を参照しながら、現在進行形のスポーツ現象の解釈および分析を試みてほしい。
上記に加えて授業内で指示した資料等をよく読み、我が国におけるスポーツ文化の特徴を考察すること。それらの知見をもとにディスカッションを行うこともあるので、準備することが望ましい。
第1回受講ガイダンス/スポーツの定義
授業の概要と基礎的知識について説明する。文化概念やスポーツ文化概念を構成する諸要素について理解する。
第2回近代社会と近代スポーツ
近代スポーツの概念とその成立過程について理解する。スポーツがいかなる文化的特質を持っていたのかを理解する。
第3回近代スポーツと階級性
初期近代スポーツのもつ階級制とアマチュアリズムについて理解する。
第4回近代社会とオリンピック・ムーブメント
代オリンピックがどのようにして誕生したのか、その時代の文化的・社会的背景について把握する。またオリンピックの影響について検討する。
第5回近代オリンピックの社会・政治的側面
1936年のベルリン・オリンピックはナチスドイツのユダヤ人迫害を隠蔽するために政治利用された。あるいは、スポーツ自体が人種差別などのさまざまな社会的な問題を発露させてきた。こうしたスポーツと政治の関連について考える。
第6回スポーツとナショナリズム
現代スポーツの課題としてのナショナリズムと排外主義について理解を深める。
第7回スポーツのグローバリゼーション
イギリスで誕生したスポーツはどのように現在のような全世界的な社会的・文化的現象へと変化していったのか。またそれによってスポーツの特徴にはどのような変化があったのかを考える。
第8回日本におけるスポーツ文化の受容と発展
日本の学校教育とスポーツ文化の関係性、特に部活動とスポーツのあり方を考える。
第9回スポーツとメディア
現代におけるメディアとスポーツの相互依存的な関係性を把握する。また、日本におけるスポーツとメディアの関係性を考える。
第10回スポーツと性 
スポーツにおいてジェンダーやセクシュアリティはどのように扱われてきただろうか。「性」のあり様とスポーツの関連を考える。
第11回女性アスリートのメディア表象 
メディアとジェンダー・セクシュアリティはどのように結合しているのかを女性アスリートをめぐるメディア表象から考える。
第12回スポーツと障害者
障害者スポーツとはいったいどのような営みなのか。障害者スポーツという現象それ自体を考える。
第13回パラリンピックと日本のスポーツ文化
パラリンピックの開催は日本社会にどのような影響を与えてきたのか。日本社会はパラリンピックや障害者スポーツをどのように捉えてきたのかを考える。
第14回スポーツをめぐる社会問題
スポーツはその内部に、体罰や暴力、ドーピング、賭けなどの問題を抱えている。現代社会におけるスポーツの諸問題を検討し今後のスポーツ文化を考察する。
授業の運営方法基本的に講義形式で授業を進めるが、授業中に課題を課し、その内容について受講生同士でのディスカッションを行いスポーツ文化についての各自の理解を深めることもあるため、学生の積極的参加が求められる。
授業は、パワーポイントで行い、必要に応じて映像資料を使用する。また、後日復習が可能となるように資料を配布する。
授業の進捗あるいは授業内容に関連する社会的動向によって、スケジュールが変更される場合もありうる。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回の授業後に提示される課題については、原則次回の授業中に回答の解説を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 70% レポートを通して授業の目的・目標が達成されているかを確認する
授業参加 30% 授業内で指示した課題の内容と提出状況
定期試験 0% 実施しない
テキスト 授業中に配布する。
参考文献 よくわかるスポーツ文化論/井上俊・菊幸一編著/ミネルヴァ書房/2011年/2,500円
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】