科目名 | 現代言語表現論 | |
担当者 | 倉石 信乃 | |
開講期 | 2025年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業形態 | 対面(全回対面) | |
オンライン実施回 | — | |
全回対面 | ||
授業題目 | 詩と絵画のパラゴーネ(どちらが優位にあるかを比較すること)の歴史は古代に遡りますが、19世紀前半に誕生した写真、後半に誕生した映画は、両者の関係の根底的な再編を促しました。写真は、現実に起こった事実を直截に証言する媒体と見なされ、文章と緊密に結びつくことでドキュメンタリーまたは記録の表現を打ち立てます。しかし写真や映画の「現実感」や「事実の証言」という特性は、視覚芸術としての新たな想像力を喚起するためにも利用されてきました。写真と言葉の結びつきは、そうした喚起力を高めるものでもありました。言葉は、画面の外側にタイトルや説明、ナレーションとして付け加えられるだけでなく、フォト・モンタージュの場合のように、ひとつの画面の内側で、映像の造形的な要素と言葉とが相互に衝突したり、逆にうまく協力し合うこともあります。また、多くの詩人にとって写真や動画などの映像は、その現実感や事実の証言、記録性が有益であるとともに、自らの感情やヴィジョンを伝えるだけでなく、それらを触発して止まない「媒体=霊媒」(メディア)の役割を果たすものであり続けています。 この授業では、近・現代の言語表現を、絵画や写真、映画、テレビなどの視覚表現との関係に留意しながら、たどっていきます。 同時に、受講生自身の言語表現のヒントになるような、言語による創作の時間も設けたいと考えています。 |
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授業の到達目標 | 1 授業で扱われていた詩もしくは文学的テクストと映像表現(写真・映画など)の関係について、基礎的な理解を獲得すること。 2 授業で扱われていた詩人、画家・写真家・映像作家について、基礎的な理解を獲得すること。 3 授業で扱われていた文学的なテクストと視覚芸術の作品との関係について、基礎的な理解を獲得すること。 4 獲得した基礎的な知識を元に、現代における言語表現の要点について、大まかな説明ができること。 |
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今年度の授業内容 | 1 イントロダクション/詩と絵画のパラゴーネについて 2 原始美術、写真、映画そして言葉 3 ダダとフォト・モンタージュ 詩と写真 4 シュルレアリスム 詩と写真・映画1 5 シュルレアリスム 詩と写真・映画2 6 安部公房 小説と写真・映画 7 萩原朔太郎:詩と写真・映画1 8 萩原朔太郎: 詩と写真・映画2 9 立原道造 詩とイメージ・建築 10 吉増剛造 詩と写真・映画1 11 吉増剛造 詩と写真・映画2 12 サミュエル・ベケット テクストと写真・テレビ・映画 13 ロバート・フランク 写真・映画と言葉 14 まとめ/試験 |
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準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 内容:授業に関連する配布資料などを読み解き、インターネットなどで関連事項を調べる。 時間:1〜2時間程度 |
1回平均約190分 |
自習に関する一般的な指示事項 | 予習・復習に際し、またレポートを作成するに際し、生成型AIの使用はしないこと。インターネットから知見を引用する場合には、必ず引用部分と、それ以外の受講生自らが考えた部分をはっきりと分けて論述することを心がけること。この授業は文学の授業であり、問われているのは、AIを使って手際よくまとめることではなく、拙くとも自分の感覚や思考を文章にして懸命に伝えることである。注 | |
授業の特徴(アクティブラーニング) | レポート/その他 | |
第1回 | 1 イントロダクション/詩と絵画のパラゴーネについて | |
第2回 | 2 原始美術、写真、映画そして言葉 | |
第3回 | 3 ダダとフォト・モンタージュ 詩と写真 | |
第4回 | 4 シュルレアリスム 詩と写真・映画1 | |
第5回 | 5 シュルレアリスム 詩と写真・映画2 |
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第6回 | 6 安部公房 小説と写真 | |
第7回 | 7 萩原朔太郎: 詩と写真・映画1 | |
第8回 | 8 萩原朔太郎:詩と写真・映画2 | |
第9回 | 9 立原道造 詩とイメージ・建築 | |
第10回 | 10 吉増剛造 詩と写真・映画1 | |
第11回 | 11 吉増剛造 詩と写真・映画2 | |
第12回 | 12 サミュエル・ベケット テクストと写真・テレビ・映画 | |
第13回 | 13 ロバート・フランク 写真・映画と言葉 |
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第14回 | 14 まとめ/試験 | |
授業の運営方法 | 授業の到達目標に向けて、受講生の理解を促すために、パワーポイントを基本に特に写真、ヴィデオなどの視聴覚資料を多く使用する。また受講生による能動的な参加をはかるため、実際に詩作などを試みる時間を設ける。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | レポートと試験の終了後、ポータルを通じて全体的な講評と一度の優れた提出物などを紹介する。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
その他 | 40% | 期末試験を実施。授業理解の正確さ、主体的関与、それらと連動した、独自の文学解釈と創造性。 |
小論文・レポート | 40% | 授業理解の正確さ、主体的関与、それらと連動した、独自の文学解釈と創造性。 |
授業参加 | 20% | 授業参加の態度。 |
テキスト | 特に指定しない。 |
参考文献 | 授業内で適宜指示する。 |
関連ページ | 授業内で適宜指示する。 |
その他、履修生への注意事項 | 1 14回目にまとめと期末試験を行うので、特別な理由がない限り、必ず出席・受験すること。 2 期末試験を受けること、レポートの提出を行うこと、さらには14回目の試験日を含めて9回以上出席すること、以上の三つを成績評価を行う条件とする。 3 期末試験40%、レポート40%、授業参加20%として、合計60%以上の評点を得た者を合格とする。詳しくは「評価内容」の項目を参照。 4 学期内に提出してもらうレポートにおいて問われているのは、受講者自身がたとえ拙くとも懸命に考えた固有の見解であって、他人の見解を安易に引用・参照して、整然と並べることではない。 したがって、以下の2点について特に注意すること。 ・レポート作成に際し、生成型AIを使用しないこと。使用していると判断された場合には、大幅に減点される可能性があるので、注意すること。 ・レポート作成に際し、引用・参照した場合には、その旨を必ず明記すること。言及せずに引用・参照していると判断された場合には、大幅に減点される可能性があるので、注意すること。 以 上 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】 |