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科目名写真論
担当者武内 厚子
開講期2025年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業形態対面(全回対面)
オンライン実施回
全回対面
授業題目写真作品を構成する基本的要素を理解し、イメージを読み解く基礎力を身につける。
授業の到達目標写真を制作者側からの視点ではなく、享受者(鑑賞者)側からの視点で考えるための知識を身に着ける。
主要な写真表現の技法と簡単な日本写真史の知識を学ぶとともに、写真作品のイメージを読み解き、自覚的に写真を見、被写体が同じでも伝えたい内容や撮影する人によってちがう写真になることに気づき、その特徴を読み取ることのできる力をつける。
今年度の授業内容パワーポイントや動画を用いた学習により、写真の多様な在り方と読み取り方を学ぶ。
一方、座学だけではなく、受講者数人ごとのグループディスカッションをおこなったり、各自で展覧会を観覧する課題などにより、各自で能動的にかかわり、自身の手を動かして体験的に学ぶ内容も含まれる。
誰もが写真を撮影する現代に、改めて写真について多角的に考える。
すでにそこにある世界を切り取ることが最大の特徴である写真が、それでもそれぞれの表現の異なりが生まれる理由を考えていく。


準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業で紹介した写真に関する用語について検索し、きちんと理解できるようにする。
特に写真技法や用語は独特で混乱しやすいので間違いなく理解できるようにする。
授業で紹介した写真家の授業では紹介しきれなかった作品の画像を見て、写真家の傾向をまとめておく。
授業内で指示する写真史や写真技法に関する動画を見て復習する。
授業で紹介した写真家の展覧会に足を運び本物の写真に触れる機会を積極的に持つ。
1回平均約190分
自習に関する一般的な指示事項書店や図書館で写真集を積極的に見たり、美術館や写真ギャラリーで展覧会を見学するなど、数多くの写真作品に触れるよう心掛けてください。
授業の特徴(アクティブラーニング)リアクションペーパー/ミニテスト/レポート/討議(ディスカッション・ディベート)/グループワーク/体験学習・調査学習
第1回イントロダクション(美術としての写真作品) 授業の進め方についての解説と、今後の授業で取り上げることの導入
第2回写真とは何か・・・・写真前夜
アートとしての写真と資料としての写真の©違い、写真が生まれるまでの流れについて講義します
第3回主要技法紹介1
写真の誕生からの技法的な流れを、動画を交えて紹介します
第4回主要技法紹介2
写真の現像技法など、歴史的な主な技法を動画を交えて詳しく紹介します
第5回主要技法紹介4
実際にいくつかの、歴史的な技法でできた写真を見て理解を深めます
第6回振り返り
写真の技法の流れを振り返ります
第7回何を撮るのか
撮影テーマ、モチーフや撮影する被写体の選択について考えます
受講生複数人によるグループでのディスカッションによる授業です。


第8回何を見るのか
写真の構図による鑑賞者の視線の動きについてなど、鑑賞者の立場から写真を考えます
第9回なにを撮るのか
現代作家の作品表現からコンセプトによる撮影表現の違いを考えます
第10回何を伝えるのか1
写真家に聞くゲストスピーカーとして現役の若手写真家をまねき話を聞きます
第11回日本の写真1
ドキュメンタリー写真、報道写真について考えます

第12回日本の写真
ファッション、デザイン系の写真についてみていきます
第13回日本の写真3
アートとしての写真の変遷について考えます
第14回写真を編む
展覧会として写真作品をあるテーマで見せることについて考えます
授業の運営方法主にパワーポイントと動画を主にパワーポイントと動画を用いた授業。
毎回の授業のパワーポイントデータを共有することはしませんが、
授業で必要なキーワードを描いたレジュメの配布や、関連資料を配布します。
当日出席者を指名して、全員の前で意見や感想を発表してもらうことがあります。
授業によっては、出席者のなかでグループをつくりディスカッションしてもらい、代表に発表してもらうことがありますす。
様々な技法の写真を実際に見てもらう時があります。
なるべく多くの作品画像を紹介しながら進めます。
授業内で随時、関連動画、関連サイトを紹介しますので、各自で見るようにしてください。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法教員が代表的な事例を取り上げコメントする。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 80% 中間・期末レポート
授業参加 20% 挙手、発言、リアクションペーパーなど
テキスト 購入の必要はありません。
参考文献 『写真技法と保存の知識 デジタル以前の写真ーその誕生からカラーフィルムまで』ベルトラン・ラヴェドリン著 白岩洋子翻訳 高橋則英監修 青幻舎、2017年
『日本初期写真史 関東編」図録、東京都写真美術館編集・発行、2020年
『光と影の芸術ー写真の表現と技法』東京都写真美術館編、平凡社、2012年
関連ページ 「写真の技法解説」https://topmuseum.jp/contents/images/explanation/explanation.pdf
東京都写真美術館「教育普及プログラム記録集」https://topmuseum.jp/contents/sys_items/education_record01.pdf
その他、履修生への注意事項 〇やむを得ない事情で授業スケジュールは変更することがあります。
〇ゲストスピーカーとして実際に活躍する写真家を招いて話を聞く機会があります。遅刻などゲストに失礼のないようにしてください。
〇授業中に、当日の出席者のなかから教員が指名して発言してもらうことがありますので、ご承知おきください。
〇出席は毎回の授業開始時に取ります。その時間に遅れた場合は遅刻扱いとなります。
〇電車遅延は授業に間に合った場合のみ受け付けます。授業終了後に学校到着した電車遅延は原則として受け付けできません。
〇配布物は主に授業開始時に配布します。遅刻の場合は教員より指示があるまで待ってください。
〇授業中は私語を慎んでください。私語が多く周囲に迷惑となる場合は退席してもらうことがあります。
〇欠席の場合にQ&Aからの連絡は必要ありません。公欠扱いになる場合は教務課に届けてください。大学で認めているもののみ公欠として受け付けます。就職活動やインターンによる欠席は出席にはなりません。
〇レポート等課題は授業内で発表します。
〇提出は締切日時を過ぎたものは、一切受け付けません。
〇おおよその写真のあり方を把握することを目標としていますので、詳細に暗記することが必要になるような内容は含まれません。そのため、共通理解が必要な内容のみ、資料配布をします。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】
実務経験の概要 現在、東京都写真美術館普及係長、学芸員、エデュケーター。展覧会企画、教育普及事業企画を担当。美術館におけるインクルーシブプログラムやアクセシビリティのプログラムも行う。前職は東京都現代美術館学芸員。専門は美術館教育、対話型鑑賞。観察力、想像力、語彙力など多様な「生きる力」を目覚めさせるオリジナル教材「色と形と言葉のゲーム」を企画開発。

実務経験と授業科目との関連性 美術館での経験による写真のワークショップや対話型作品鑑賞などのスキルを活かして,
楽しみながら仕組みを理解する手法を用いつつ、現場ならではの、教科書にない最新のアート事情を交えた授業を行います。