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科目名文化創造における伝統と現代
担当者青木 涼子
開講期2024年度春学期
科目区分集中講義
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目

文化創造における伝統と現代の関わりを考察する


授業の達成目標

現代の文化表現は、我々が歴史的に培ってきた文化的な伝統の上に成り立っていることを学びます。具体的な創造の現場に即して講義し、学生がその重要性を説明できることを目指します。最終的に学生自身が興味のある文化表現において、それをいかに伝統に根ざしたものであるかを自ら考え、答えを導き出す能力を身につけることを期待します。


今年度の授業内容

高度なテクノロジーを活用しグローバルに流通する今日の文化表現は、一見すると前近代からの文化的な伝統とは切り離されているかに見えます。しかし、本質的に新しい表現はしばしば伝統的なものとの対決の中から生み出され、一方で現代的な表現との関わりによって伝統的な表現が再活性化されることもあります。この授業では、新たな文化表現の創造においてこうした伝統と現代のダイナミズムがどのようにして機能しているかを、具体的な創造行為の現場に即して講義し、学生がいかに現代の文化表現が歴史的な厚みを背負ったものかを説明できるようになることを目指します。


準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について関連する映像などをYouTubeなどで鑑賞しておくこと。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項

関連する本、舞台、映画、DVD、美術展覧会などを積極的に鑑賞すること。


第1回

イントロダクション 伝統と現代 



第2回現代の文化表現における能・狂言
第3回現代の文化表現における歌舞伎
第4回現代の文化表現における人形浄瑠璃
第5回武智鉄二の試み
第6回現代演劇における日本の伝統的身体、空間
第7回現代音楽と日本の伝統音楽1日本人作曲家
第8回現代音楽と日本の伝統音楽2日本人作曲家
第9回

現代音楽と日本の伝統音楽3世界の作曲家 


第10回現代音楽と日本の伝統音楽4世界の作曲家
第11回現代音楽と日本の伝統音楽5世界の作曲家
第12回

ベケット、イェイツと能


第13回三島由紀夫「近代能楽集」
第14回現代音楽と能の実践的考察
授業の運営方法

講義形式による。一部能のワークショプもあり。


課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法レポート回収後、気になった点に関して解説を行う。発表内容に対して、教員が講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 定期試験は行いません。
小論文・レポート 30% 3日間毎日、1日の最後に小論文を書く時間を設け、提出してもらいます。
授業参加 50% 課題の提出、発表
その他 20% グループで課題発表を行ってもらいます。
参考文献

渡邊守章、渡辺保「現代における伝統演劇」財団法人 放送大学教育振興会、2002年

ISBN4-595-11380-3

横石崇、青木涼子ほか「これからの僕らの働き方:次世代のスタンダードを創る10人に聞く」早川書房、2017年

ISBN-10: 4152096640

国際文化会館、新渡戸国際塾「これからの世界を考える人へ」国際文化会館 アイハウス・プレス (2018/12/5) 

ASIN: B07L57NQJ6

「伝統から未来へ―能×現代音楽で世界を拓く」青木涼子 (能×現代音楽アーティスト)


関連ページ

青木涼子公式ホームページ https://ryokoaoki.net/

Twitter https://twitter.com/ryoooaoki

Instagram https://instagram.com/ryoooaoki

YouTube https://www.youtube.com/c/RyokoAoki


その他、履修生への注意事項

校外見学の予定あり。 


卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】
実務経験の概要

能声楽家

ペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫など20ヵ国55人を超える作曲家たちと能の声楽「謡」を素材にした新しい楽曲を発表。世界16ヵ国にてオーケストラとの共演、オペラ出演を行っている。東京藝術大学音楽研究科修士課程修了(能楽観世流シテ方専攻)。ロンドン大学博士課程修了。2015年度文化庁文化交流使。2019年度第11回「創造する伝統賞」受賞。


実務経験と授業科目との関連性

能声楽家として、具体的な創造の現場に即して講義し、学生がその重要性を説明できることを目指します。