科目名 | 文化表現とテクノロジー | |
担当者 | 大杉 千尋 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 視覚表現とテクノロジー:西洋における視覚文化とテクノロジー | |
授業の達成目標 | 美術とそれに関連するテクノロジーを一通り理解して芸術鑑賞や読書に必要な知識や意識を身につけることを第一の目標とします。また、卒業論文やレポートで美術史や視覚文化論を扱う場合、その第一歩として、より高度な理解につなげるための基礎知識を身につけることも目標にします。 | |
今年度の授業内容 | 古代から近現代に至るまでの美術史を概観しつつ、その形成と発展に対して人類のテクノロジーがどのように関係づけられるかを追っていきます。人類の視覚文化がテクノロジーと相互に影響を与え合いつつ発展してきたかを時代順に見てゆき、更にはそれに関わる社会背景についても言及します。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 指定教科書、授業の最後に提示する参考文献などの読書を通じて60分程度の予習復習を行ってください。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 次回講義に関係している教科書の部分を読み、自分でメモを取ったりレジュメをつくるなどの予習を行ってください。また、授業最後に参考文献を示しますので、それを読んで復習を行うことも推奨します。更に理解や興味を深めたい場合は、別の論文や図書を場合に応じてお知らせしますので、個別に相談してください。 | |
第1回 | メディアの源流 ①:ギリシャ美術とキリスト教美術: 先史〜ギリシャ・ローマ美術 | |
第2回 | メディアの源流 ②:ギリシャ美術とキリスト教美術:キリスト教美術 | |
第3回 | インスタグラムと聖画像 ̶ストーリーズの機能に⾒る発信⼒ | |
第4回 | Zoomと聖画像 ̶「窓」の機能としてのイメージ | |
第5回 | 写本から印刷へ ̶⻄洋におけるメディアの変遷①: ⼿書き写本挿絵とその伝播 | |
第6回 | 写本から印刷へ ̶⻄洋におけるメディアの変遷②: 印刷術の発展とイメージの広がり | |
第7回 | 印刷技術の発展 :⻄洋から東洋、⽇本へ | |
第8回 | 絵画をいかに伝達するか:複製版画の発達と近年の展覧会における撮影OKエリアの増加傾向 | |
第9回 | 鉄道時代のイメージ:旅と芸術 | |
第10回 | ニュースと絵画、ニュースとSNS | |
第11回 | 投影されたもの | |
第12回 | ⼤量⽣産時代のイメージ ̶アーツ・アンド・クラフツからウォーホルまで | |
第13回 | 絵画vs写真? | |
第14回 | 何が芸術を芸術たらしめるのか?ホックニーからAIまで | |
授業の運営方法 | パワーポイントを投影しながら講義を行います。 また、こちらから皆さんに意見を求め、教室全体で理解や多様な意見を共有します。少人数の場合は簡単なディベートを行う場合もあります。 また、要点を示したスライドを映す場合もありますが、書き写す時間は十分にとりますので、スライドの撮影は禁止とします。 「その他、履修生への注意事項」の項目も事前によく確認してください。 評価方法は出席とレポートによります。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 受講者個々人の多様な意見を尊重し、授業内で適宜発言を求めます。 また、最終回にてAIによる描画体験を通じたレポート課題を出題します。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
授業参加 | 70% | 出席1回につき5点を加点します。 |
小論文・レポート | 30% | 30点満点のレポートを課します。 |
テキスト | デイヴィッド・ホックニー /マーティン・ゲイフォード、木下 哲夫訳『絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで <増補普及版>』2020年、青幻舎 |
参考文献 | 毎回の授業最後に提示します。 |
その他、履修生への注意事項 | ・視覚芸術を扱う授業のため、しばしば裸体・ヌード、戦争、流血などの不快、あるいは残虐な要素のある作品をお見せすることがあります。教育機関によっては、教員と受講者双方が事前にこの点を確認しなかったためにトラブル、ハラスメントに発展した事案もありますので、その点を理解し、合意の上で受講してください。 ・受講生の多様な意見、見識を尊重します。積極的に質問や意見をすることが求められます。 ・スライドの撮影は固く禁止します。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】 |
実務経験の概要 | 担当教員は美術史を専攻し、神戸大学、トリアー大学(ドイツ)等で学びました。 16世紀のドイツの画家グリューネヴァルトの代表作〈イーゼンハイム祭壇画〉に関する論考を2023年に出版しました。 現在は日本大学芸術学部の研究員としても活動し、文部科学省の外郭団体である独立行政法人日本学術振興会による「科学研究費助成事業」による助成を受けて、17世紀ドイツの芸術批評について研究を続けています。 詳細な経歴については以下をご参照下さい。 https://researchmap.jp/chihiro_osugi |
実務経験と授業科目との関連性 | 講師がこれまでに研究してきた写本、印刷や版画といった(その時代において)新しいメディアを講義の中心に据え、視覚文化の伝播とテクノロジーの進化との関連について講義を行います。また、その時々の美術展についてとりあげ、現代美術やそれに関連するテクノロジーについても言及し、常に新しい視点を提供します。 |