科目名 | 人文学演習IIA | |
担当者 | 森 まり子 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 4年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 演習 | |
授業題目 | <民族・宗教・宗派紛争>と内戦から見た世界/異文化衝突と異文化理解 | |
授業の達成目標 | 異なる文化圏の比較を通じて異文化をどのように理解すべきか、或いは理解するには限界もあるのかについて世界的な視野から考える事ができるようになる。また、現代世界で異文化同士の衝突が紛争を招いている現実についても、各自の関心のあるテーマの追求を通じて関心を持って考える事ができるようになる。論文作成などの学術活動に際して必要な研究倫理を身につける。 | |
今年度の授業内容 | 民族・宗教・宗派紛争について中東と欧米両方を視野に入れて学ぶ。両方を知らなければ理解できない問題の例として、9.11テロの背景には厳格なイスラームを守るサウディアラビアの政情不安やアフガニスタン内戦があり、「イスラーム国」問題はイラク・シリアの内戦や欧米でのムスリム移民差別と関わっている。ゼミでは政治対立の背後にある異文化衝突にも目を向け、「他者を真に理解するとは」「流血を防ぐ為には」等を考える。共通資料を読みつつ各自の関心も発表し、「こういう見方もあるのか」という発見を大切にする。なお異文化衝突現象は歴史的背景をたどらないと深く理解できないため、過去の中東やヨーロッパの人々の意識を探る文献も扱いつつ、根本から、かつ多角的に考える授業とする。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 毎回の文献講読をしっかり行い、レジュメを作成する際には不明な用語や事件は自主的に調べて内容に含めるなど、深い学習をして下さい。発表担当に当たっていなくても同様の自主的な調べを行って下さい。 | 合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 卒論が最終目標である事を考え、積極的に関連文献を読んでいきましょう。発表の準備は余裕をもって行って下さい。他の人の発表を聞く事もゼミの重要な一部ですので、他の人の意見に耳を傾ける事によって視野を広げる事に普段から努めて下さい。 | |
第1回 | イントロダクション | |
第2回 | 共通資料の講読と発表ーーパレスチナのナクバ | |
第3回 | 共通資料の講読と発表ーーパレスチナ問題(ユダヤ人の立場から) | |
第4回 | 共通資料の講読と発表ーーパレスチナ紛争とジェンダー | |
第5回 | 共通資料の講読と発表ーージェンダーとアジア・アフリカ | |
第6回 | 共通資料の講読と発表ーージェンダーと紛争 | |
第7回 | 共通資料の講読と発表ーー宗教とジェンダー | |
第8回 | 共通資料の講読と発表ーー旧ユーゴスラヴィアの紛争(ムスリムを中心として) | |
第9回 | 共通資料の講読と発表ーーユーゴの歴史(ムスリムを中心として) | |
第10回 | 論文の検索実習(予定) | |
第11回 | 共通資料の講読と発表ーーユーゴ紛争における民族意識と宗教意識(ムスリムを中心として) | |
第12回 | 共通資料の講読と発表ーー西欧におけるムスリム移民 | |
第13回 | 共通資料の講読と発表ーーヨーロッパとイスラーム(テロの問題) | |
第14回 | 卒論中間報告会 | |
授業の運営方法 | 演習形式 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 毎回レジュメに書かれた質問に答えたり、ディスカッションを通じてフィードバックします。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
授業参加 | 70% | 文献講読の発表、ディスカッションへの参加 |
その他 | 30% | 卒論を念頭においた各自のテーマのレポート |
定期試験 | 0% | 実施しない |
テキスト | ●日下部公昭ほか著『第3版 詳説世界史図録』山川出版社、2020年、860円(+税) 読む文献は受講者の関心に沿って考えますが、取りあえずは3年次から読み始めているものを読み進めていきます。 |
参考文献 | <パレスチナ問題全般> ・広河隆一著『パレスチナ』岩波新書 ・森まり子『シオニズムとアラブ』講談社選書メチエ、2008年 <イスラーム世界を知る基礎的文献> ・エスポズィート著『グローバル・テロリズムとイスラーム』明石書店 ・後藤明著『イスラーム世界史』角川ソフィア文庫、平成30年 ・『岩波イスラーム辞典』(読む辞典に近い。不明な言葉は調べる習慣を) ・ジョン・L・エスポジト著『イスラーム世界の基礎知識』原書房、2009年 ・山川出版社「イスラームを知る」シリーズ全巻 <その他の紛争・ジェンダー・辞典> ・柴宜弘著『バルカンの民族主義』山川出版社(世界史リブレット) ・ライラ・アハメド著『イスラームにおける女性とジェンダー』法政大学出版局 ・ホスケン著『女子割礼』明石書店 ・大塚和夫著『いまを生きる人類学』中央公論新社 ・梶田孝道編『ヨーロッパとイスラーム』有信堂高文社 ・『アジア人物史』全巻。集英社 授業中にも、また各自の関心に合わせて適宜紹介します。 |
その他、履修生への注意事項 | ●レジュメはご自分でチームスに前日までにアップして頂きます。教室へは紙媒体1部を持参して下さい。 ●授業スケジュールは授業の実際の状況や進捗に応じて、削減したり一部内容を変えたり、順番を変えたりすることがあります。 ●欠席の場合は、できる限り事前のご連絡をお願いいたします。発表者は遅刻をしないよう、また事前に充分準備できるよう心がけて下さい。 <成績評価に関する注意点> 毎回のレジュメやゼミへの主体的参加が評価の重要な対象となります。卒論の出来具合にも影響しますので、不明な事をそのままにせず、積極的にディスカッションをリードするなど、問題意識を高めるよう心がけて下さい。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |