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科目名人文学演習IA
担当者森 まり子
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数1単位
授業の方法演習
授業題目国際教養としての世界史ーーグローバル視点で欧米とアジアの関係を探求する
授業の達成目標欧米史とアジア史を横断的に概観・比較するテーマを扱う事により、欧米から見たアジア、アジアから見た欧米という視点を持ち、教科書にはない歴史的背景を深く掘り下げて国際問題を語れる様になることが、ゼミの達成目標です。論文作成などの学術活動に際して必要な研究倫理を身につける。
今年度の授業内容今日の民族問題・宗教紛争・移民・ジェンダー問題はフランスのムスリム移民問題の様に、欧米とアジアを個別に見ても理解できません。ゼミでは欧米から見たアジア、アジアから見た欧米、両者の交流・対立をテーマとし、欧米とアジアという異なる文化圏を同時に見て比較しつつ、教科書にはない歴史的背景を「深掘り」するグローバル・ヒストリーの視点で欧米とアジアを探求します。カシミール紛争の背後に英国支配があった様に、対立が数世紀前の出来事に起源を持つ事を発見する事もあるでしょう。国際問題を理解する為の広い視野を、読書・映像・討論で楽しく身につける事がゼミの概要です。アイデンティティや宗教の問題も、多角的に掘り下げていきます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について毎回の文献講読をしっかり行い、レジュメを作成する際には不明な用語や事件は自主的に調べて内容に含めるなど、深い学習をして下さい。発表担当に当たっていなくても同様の自主的な調べを行って下さい。 合計15時間
自習に関する一般的な指示事項卒論が最終目標である事を考え、3年生はその基礎となる知識や思考法を身につける事を念頭において、積極的に関連文献を読んでいきましょう。発表の準備は余裕をもって行って下さい。他の人の発表を聞く事もゼミの重要な一部ですので、他の人の意見に耳を傾ける事によって視野を広げる事に普段から努めて下さい。
第1回イントロダクション
第2回アイデンティティとは何か
第3回イギリスから見た日清戦争下の朝鮮ーーイサベラ・バードの『朝鮮紀行』(時代背景)
第4回イギリスから見た日清戦争下の朝鮮ーーイサベラ・バードの『朝鮮紀行』(日本人の見た日本史との相違)
第5回イギリスから見た日清戦争下の朝鮮ーーイサベラ・バードの『朝鮮紀行』(朝鮮ナショナリズムと閔妃)
第6回イスラームの生活
第7回世界の宗教ーーユダヤ教
第8回世界の宗教ーーキリスト教とイスラーム
第9回三大一神教の関係、多神教の世界
第10回ヨーロッパ人は多神教をどう見たかーーマルコ・ポーロの『東方見聞録』
第11回『東方見聞録』を素材に考える、ヨーロッパから見た仏教とイスラーム
第12回ヨーロッパ人による「アジア」の発見
第13回ヒンドゥー教の性格と、ヒンドゥー・ムスリム紛争
第14回キリスト教の多様性ーー東方教会と東欧・ロシア世界
授業の運営方法演習形式
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回レジュメに書かれた質問に答えたり、ディスカッションを通じてフィードバックします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
授業参加 70% 文献講読の発表、ディスカッションへの参加
その他 30% 卒論を念頭においた各自のテーマのレポート
定期試験 0% 実施しない
テキスト ●日下部公昭ほか著『第4版 詳説世界史図録』山川出版社、2021年、860円(+税) 
※第3版でも結構です。買い直す必要はありません。

受講者の関心に沿って、その他は話し合って決めます。
参考文献 取りあえずは、イスラーム世界についての理解を深める基本文献を挙げておきます。
・後藤明著『イスラーム世界史』角川ソフィア文庫、平成30年(これはお勧めです)
・『岩波イスラーム辞典』(深く学びたい人は購入が望ましい。不明な言葉は調べる習慣を)
・ジョン・L・エスポジト著『イスラーム世界の基礎知識』原書房、2009年
・山川出版社「イスラームを知る」シリーズ全巻
・塩尻和子・池田美佐子著『イスラームの生活を知る事典』東京堂出版、2006年

<アジア全般>
・イサベラ・バード著『朝鮮紀行』、講談社学術文庫
・マルコ・ポーロ著『東方見聞録』1・2、平凡社ライブラリー
・『アジア人物史』全巻、集英社

その他の様々な関連文献は、授業中にも、また各自の関心に合わせて適宜紹介します。
その他、履修生への注意事項
●レジュメはご自分でチームスに前日までにアップして頂きます。教室へは紙媒体1部をご持参下さい。
●授業スケジュールは授業の実際の状況や進捗に応じて、削減したり一部内容を変えたり、順番を変えたりすることがあります。
●欠席の場合は、できる限り事前のご連絡をお願いいたします。発表者は遅刻をしないよう、また事前に充分準備できるよう心がけて下さい。

<成績評価に関する注意点>
毎回のレジュメやゼミへの主体的参加が評価の重要な対象となります。4年次の卒論の出来具合にも影響しますので、不明な事をそのままにせず、積極的にディスカッションをリードするなど、問題意識を高めるよう心がけて下さい。

卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】