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科目名人文学演習IA
担当者長谷川 裕子
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数1単位
授業の方法演習
授業題目古文書から読み解く日本中世社会
授業の達成目標歴史研究に必須となる史資料の読解方法を学びます。本授業では、前近代の日本史を研究するための史資料のうち、「古文書」という文字史料を取り上げます。日本古代・中世の時代の古文書の様式を理解した上で、古文書の書き手・受け手の立場に注意しながら、一つの史料を取り巻く社会状況や歴史的事項についての認識を深め、古代・中世の古文書を歴史研究に活かすことができるようになることを目指します。論文作成などの学術活動に際して必要な研究倫理を身につける。
今年度の授業内容すべての歴史研究は、現代に伝わる厖大な歴史史資料のなかから、歴史研究者が重要であると考えた史資料を読み解き、複数の歴史史資料を論理的に繋ぎ合わせながら進められています。歴史研究に不可欠な歴史史資料のうち、演習ⅠAでは主に日本の中世という時代を対象に、同時代を生きた人びと自身の手になる「古文書」という文字史料を取り上げて読み解きます。中世の古文書は、古代律令国家の時代に中国から伝わった文書の様式を継承しながら、独自に作り出されたさまざまな文書様式が存在しています。こうした中世の古文書の様式に注意して実際に古文書を読み解くための知識と技術を習得するとともに、古文書の分析から引き出されるさまざまな歴史的事象や社会状況、人びとの行動や暮らしなどに目を向けながら、受講者各自の興味関心を探っていきます。その上で、受講者各自が個別の研究テーマに取り組み、最終的に卒業論文として成果をまとめることを目指します。研究テーマは、演習の学びのなかからも発見できるように進めていきます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業レジュメや授業で使用するや古文書をあらかじめ一読し、分からない歴史用語などを調べておいてください。また、日本の前近代史(近代以前の歴史)について、興味のある研究分野に関する学修を受講者各自で進めておいて下さい。 合計15時間
自習に関する一般的な指示事項受講者各自が興味をもった研究分野に関する文献リストを作成し、入手可能な文献を読んで内容を整理して下さい。
第1回ガイダンス―史資料のなかの古文書―
第2回院政期の史料―後白河院政関係文書を読む―
第3回鎌倉前期の史料―源頼朝政権関係文書を読む―
第4回鎌倉後期の史料―蒙古襲来関係文書を読む―
第5回鎌倉時代末期の史料―悪党関係文書を読む―
第6回南北朝時代の史料―建武政権関係文書を読む―
第7回室町前期の史料―足利尊氏・義満政権関係文書を読む―
第8回室町後期の史料―応仁・文明の乱関係文書を読む―
第9回戦国期の史料(1)―戦国大名成立過程関係文書を読む―
第10回戦国期の史料(2)―戦国大名領国支配関係文書を読む―
第11回戦国期の史料(3)―惣国一揆権力関係文書を読む―
第12回荘園の史料―東寺領荘園関係史料を読む―
第13回惣村の史料―村落間相論関係史料を読む―
第14回個別研究のテーマ発表
授業の運営方法実際に古文書を読解する作業および質疑・意見交換・発表等はすべて受講者が中心になって行います。
遠隔授業の実施に際しては、ポータルに授業レジュメを提示し、Teamsを使用します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法授業の冒頭で、前回授業についての質疑応答を実施します。また、学期内に実施する課題についての解説も、適宜授業内で行います。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しません。
小論文・レポート 0% 実施しません。
授業参加 50% 積極的・協力的な授業態度により評価します。
その他 50% 受講者の報告の内容により評価します。
テキスト 購読史料についてはコピーを配付します。
参考文献 歴史学研究会編『日本史資料[2]中世』(岩波書店)
その他、履修生への注意事項 授業で使用する資料は、対面授業の場合は授業日に配布し、遠隔授業の場合はポータルに掲示します。
遠隔授業はリアルタイム型で実施する場合はTeamsを使用します。オンデマンド型で実施する場合は、授業開始時間に授業動画へのリンクをポータルに提示します。
遠隔授業日のTeamsに参加するためのコードは、初回授業の前にポータルを通じて提示します。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】