科目名 | 人文学特殊講義(国際教養)B | |
担当者 | 加藤 百合 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 日本とロシア・スラヴ諸国との人的交流・文化交流の歴史を知る。互いのイメージの変遷とその要因について考える。 | |
授業の達成目標 | ロシアにおける日本学がどのようにはじまり、発展してきたのかを知り、地理的条件や政治的環境の変化にともなってどのように両国間の文化・相互理解が推進/阻害されたのかを理解し、客観的に説明できるようになる。 日本においてロシア文化とくに文学・芸術はどのように受容されてきたのか、ロシア語学習、ロシア文学翻訳、バレエや演劇など様々な分野について知り、歴史の流れをふまえて具体的な地事例を自分で調べられるようになる。 文化・相互理解に尽くした両国の人々について、代表的な人々の事績を知る。 受講後、ロシアや中東欧についてのニュースに興味を持ち、その意味を考えるようになる。 |
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今年度の授業内容 | 今年度は、まず、近代に入ってはじめて本格的に交流が開始されることになった日露両国について、なぜ長いこと未知なる隣人であり続けたのか、歴史的地理的な距離感について概観する。異なる文化圏に属する両国の文化受容の流れを考える。 交流前史として漂流民たちの存在と彼らが残した足跡をたどる。また漂流民たちの異文化接触の様子を知ることで、言語間の差異と言語習得上の特徴と問題点などについても踏み込みたい。漂流民たちの時代は、ロシアにおいてはロマノフ王朝の帝国拡張の時代、日本においては鎖国時代であった。歴史的状況を考える。 19世紀後半明治維新以後に人的交流と学問・文化の交流が始まる。ロシア革命までの30余年間濃やかに交錯し実りをもたらした学問・文化交流を複数分野において学ぶ。 できれば現代の、ポップな文化の拡がりや学生交流にまでつなげてみたい。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 自分の興味のある分野でロシア(スラヴ諸国)はどのように絡んでいるか、興味を持って調べてほしい。(観光分野におけるロシア、とか、文学史におけるロシア文学、とか、国際経済における日露関係、とか、人物交流の上でのロシア人、とか…)そうした問題意識をもって講義を聴くこと。自分の予備知識、予測と齟齬する内容については、質問したりディスカッションを提案するようにする。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 自分の興味のある分野でロシア(スラヴ諸国)はどのように絡んでいるか、興味を持って調べてほしい。(観光分野におけるロシア、とか、文学史におけるロシア文学、とか、国際経済における日露関係、とか、人物交流の上でのロシア人、とか…) また、ニュースを視聴したりネット記事を読んだりしていて、ロシア関係の事柄とであったら、深く考えてみよう。 |
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第1回 | 現在ロシア連邦といわれる国家はユーラシア大陸の大きな部分を占めている。古代ロシア人(ルーシの民)はどこに住んでいたのか、どのような文化をもっていたのか、シベリアとはどういうところか、ロシア人が日本海を初めて見たのはいつごろか?隣国となるまでの前史を学ぶ。 | |
第2回 | 漂流民の話①伝兵衛 ほか | |
第3回 | 漂流民の話②大黒屋光太夫 | |
第4回 | 幕末遣露留学生と幕末遣欧使節団 | |
第5回 | ロシア正教会①ニコライ大主教 | |
第6回 | ロシア正教会②山下りん ほか | |
第7回 | 東京外国語学校 二葉亭四迷 ほか | |
第8回 | 日露戦争 廣瀬武夫 ほか | |
第9回 | 日本学をつくった人々 コンラッドとネフスキー ほか | |
第10回 | 白系ロシア人 バレエ、チョコレートなど | |
第11回 | ドストエフスキーと日本 | |
第12回 | トルストイと日本 | |
第13回 | マトリョーシカと箱根細工 | |
第14回 | チェブラーシカ ほか | |
授業の運営方法 | 歴史的内容について主に講義形式で進める。講義の中でさらに知りたいと思ったこと、興味をひかれた点、疑問、自分の意見などについては積極的にFBしてほしい。直接回答する、ないし次回以降の授業の中で展開し考える機会をつくってゆく。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 教室での質問や話題提供にはその場で応じ、リアルタイムでの双方向性を確保することによって活力ある授業をめざす。レポートやコメントシートによる質問や指摘は、次回以降の授業時間に紹介したり詳しい解説をしたりする。必要な場合には個別にメール等で連絡することが考えられる。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 50% | 授業で取り上げた人物から自分で選択し、レポートを書く。授業内で字数や書き方について指導する。 |
授業参加 | 50% | 積極的な授業参加。質問、感想などによるFB。 |
その他 | 0% |
テキスト | 授業の進行に必要な資料は配布する。文字情報はあまり配布しないので、授業時にノートをとること。 |
参考文献 | トピックごとに参考文献を推薦する予定。 |
その他、履修生への注意事項 | コロナ感染防止対策のための変則的な授業は無事終息しました。しかし一方、一昨年初頭以来、ロシアという国家が、周辺世界にとって大きな脅威として否定的に存在感を増しています。講義をする私としても心苦しい試行錯誤ですが、工夫しながらできるかぎり楽しい学びができるようにしたいと思います。なるべく講義の内容をコンパクトにしてみなさんが自分たちで検索したり調べたりする時間にあてたいと思います。 《授業運営方法》毎回の小テストの代わりに、毎回ちいさな課題を出しますので、「課題提出」してください。 《出席回数》➀毎回の授業に参加してして②(授業を聴けば書ける)ちいさな課題を提出することで「出席」とします。 《成績評価方法》毎回の授業参加と課題+期末レポート(題目は後日連絡) |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |