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科目名人文学特殊講義(国際教養)A
担当者笹島 雅彦
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目

日本外交戦略の課題

授業の達成目標

明治維新以来、100年間あまりの日本外交を概括し、とくに同盟関係の成果と失敗の歴史を振り返って、簡潔に総括できるようにする。政府が歴史の教訓をどのようにくみ取ってきたか、実証的に分析できるようにする。そのうえで、国際秩序の維持に向けて日本の役割はどうあるべきか、具体的な意見を論述できるようにする。

今年度の授業内容

2024年は、世界にとって選挙の年である。とくに、台湾総統選とアメリカ大統領選は、世界の注目の的である。日本は2024年まで、国連安全保障理事会の非常任理事国を務める。いずれにおいても、ウクライナ和平問題は最大のテーマとなるだけに、日本がどのような役割を果たせるのか、探っていく。
このため、明治維新以来の外交史を振り返り、日本が歴史の教訓として留意すべきポイントを理解しながら、国際秩序維持に向けた日本の立ち位置を考えていく。

準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について毎回、指定する範囲内でテキストを熟読、予習すること。新聞の国際ニュースを毎日欠かさず読み、流れをつかむこと。
また、国際ニュースの担当者は、1週間の出来事の中から重要と思われる報道内容をレジュメにまとめて紹介する準備を行う。(1時間)

合計14時間
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項

新聞を毎日熟読し、国際ニュースの流れをつかむ。


第1回授業の概要説明と担当振り分け
第2回ロシアのウクライナ侵略と世界秩序
第3回ウクライナ侵略と国際法上の課題
第4回ウクライナ侵略と日本の課題
第5回明治維新後の日本外交:陸奥宗光の取り組み
第6回日本の同盟史
第7回戦後日本外交と日米同盟
第8回中曽根外交と日米同盟の強化

第9回冷戦後の日本外交の挫折


第10回日本のPKO協力活動と平和構築
第11回安倍外交の展開と国家安全保障戦略
第12回3内閣の戦後歴史談話分析
第13回岸田内閣の国家安全保障戦略改定など安全保障3文書策定
第14回国際秩序と日本の役割
授業の運営方法

毎回の授業冒頭、担当学生が国際紛争に関わる国際ニュースを報告する。教員がそれに基づく背景説明を行い、当日の授業と関連付ける。講義内容は実証的アプローチを目指しており、学生からの積極的な質問・意見を求める。


課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法ウエブ会議システムMicrosoft-teams上、各学生それぞれの「クラスノートブック」欄を用い、毎回の授業終了時に「リアクション・ペーパー」を投稿する。One Note機能をフル活用する。「リアクション・ペーパー」に質問は書かないこと。質問は授業時間内に直接、質問することが原則。「リアクション・ペーパー」には、授業内容のメモや、指示に基づくそれぞれの意見を書きこむこと。教員はそれに対し、赤ペンで講評、添削を行う。レポート提出の場合も同様である。
場合によっては、チームズのチャット機能や、ポータル上の「掲示板」「Q&A」「メール」機能を利用する場合もある。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0%
小論文・レポート 60% 中間、期末レポート
授業参加 40% 積極的な授業参加態度(ニュース報告と質問、意見表明、毎回の授業後コメント)
その他 0%
テキスト

北岡伸一著「明治維新の意味」(新潮選書、2020年)
山内昌之、細谷雄一編「日本近現代史講義」(中公新書、2019年)900円。ISBN978-4-12-102554



参考文献

池内恵ら「ウクライナ戦争と世界のゆくえ」(東京大学出版会、2022年)。
アステイオン097ー2022「ウクライナ戦争ー世界の視点から」(CCCメディアハウス、2022)
川上高司・石澤靖治編「トランプ後の世界秩序」(東洋経済新報社、2017年)のうち、笹島雅彦著「第2章日中関係【政治】」
佐橋亮著「米中対立」(中公新書、2021年)
高橋哲哉、山影進編「人間の安全保障」(東京大学出版会)2800円。ISBN978-4-13-003352-7
東大作「人間の安全保障と平和構築」(日本評論社)2600円。ISBN978-4-535-58700-7
上杉勇司、藤重博美編「国際平和協力入門」(ミネルヴァ書房)2800円。ISBN978-4-623-08165-3
篠田英朗「平和構築入門」(ちくま新書)840円。ISBN978-4-480-06741-8
篠田英朗「はじめての憲法」(ちくまプリマ―新書)820円。ISBN978-4-480-68367-0
篠田英朗「集団的自衛権で日本は守られる」1600円。ISBN978-4-569-85341-3
東大作「内戦と和平」(中公新書)880円。ISBN978-4-12-102576-0
細谷雄一「安保論争」(ちくま新書、2016)880円 ISBN978-4-480-06904-7 
森本敏編著「台湾有事のシナリオ」(ミネルヴァ書房、2022年)3500円。ISBN978-4-623-09305-2
木村幹「日韓歴史認識問題とは何か」(ミネルヴァ書房、2014年)2800円。ISBN978-4-623-07175-3
大沼保昭「『歴史認識』とは何か」(中公新書、2015年)840円。ISBN978-4-12-102332-2
波多野澄雄ら「決定版 日中戦争」(新潮新書、2018年)840円。ISBN978-4-10-610788-7
福永文夫「日本占領史1945-1952」(中公新書、2015年)900円。ISBN978-4-12-10296-7

学生の問題意識に合わせ、適宜、助言する。

その他、履修生への注意事項

(成績評価)
 全14回の授業のうち、三分の二以上、つまり10回以上の出席者を成績評価対象とする。



 
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
実務経験の概要

35年間に及ぶ新聞記者生活。政治部、国際部などに所属し、北京特派員として中国の暗部を探るなど、ジャーナリズムの最前線で働いてきた。

実務経験と授業科目との関連性

政治、外交、安全保障にかかわる豊富な現場体験をもとに、理論と現実の相違点を実証的にわかりやすく分析する。単なる教科書的な理論の紹介ではなく、深く現実政治の動向を見据えながら、ダイナミックに国際事象に切り込んでいく。