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科目名人文学特殊講義(現代思想・社会)B
担当者三笠 俊哉
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目日常言語の哲学としての言語行為論 - J.L.オースティン『言語と行為』を読む
授業の達成目標・言語哲学の論文を読解し,その内容を理解し要約・説明できるようになる。
・哲学・思想にKANする議論を批判的に分析し,それについて考察を加えて論述できるようになる。
今年度の授業内容本講義のテーマは言語についての哲学的考察の一つの到達点である言語行為論です。

現代の哲学において,言語についての哲学的関心は大きな潮流の一つです。J.L.オースティンは,言語の役割として事実を記述するだけでなく,「欺く」とか「約束する」といったような言語の日常的な使用の場面に注目し,よりきめ細かく日常的な言語の使い方を分析するべきと主張しました。それが言語行為論のスタート地点です。本講義では,J.L.オースティンによる言語行為論の全体像について説明した講義がもとになっている『言語と行為』(原題'How to Do Things with Words'(1962)')を取り上げ,オースティンの言語行為論について検討する。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間についてテキストの該当箇所の内容を整理し,疑問点をまとめておくこと。
授業後は,理解した内容を自分なりに整理しておくこと。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項参考文献を参照し,自分の興味に関連する箇所を読んでおくこと。
第1回ガイダンス-日常言語の哲学は何を問題にするのか
第2回言語を用いた行為の分類 (1)[第1講]:事実確認的言明と行為遂行的言明
第3回言明の適切性理論(1)[第2講]
第4回言明の適切性理論(2)[第3講]
第5回言明の分類を解体する(1)[第4講]
第6回言明の分類を解体する(2)[第5講]
第7回言明の分類を解体する(3)[第6講]
第8回言語行為の構造[第7講]
第9回言語行為の分類(2) 発話行為・発話内行為・発話媒介行為[第8講]
第10回発話行為と発話媒介行為の分析(1)[第9講]
第11回発話行為と発話媒介行為の分析(2)[第10講]
第12回発話内行為と真偽の関係[第11講]
第13回発話内の力のリストをつくる[第12講]
第14回言語の哲学における言語行為論の展開とまとめ
授業の運営方法授業は講義形式で進める。
Information Portal,Teamsで講義資料を公開する。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法レポートについて全体について解説する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 80% 学期末レポート
授業参加 20% リアクションペーパーなどによる授業参加
テキスト J.L.オースティン,『言語と行為    いかにして言葉でものごとを行うか』,講談社学術文庫,2019年.
(電子書籍もある)
参考文献 J.L.オースティン,『オースティン哲学論文集』,勁草書房,1991年.
J.サール,『言語行為』,勁草書房,1986年.
J.サール,『表現と意味』,誠信書房,2018年.
和泉悠,『悪い言語哲学入門』,筑摩書房,2022年.

その他、履修生への注意事項 Teamsへの参加コードは初回授業時に伝える。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】