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科目名人文学特殊講義(現代思想・社会)A
担当者神山 伸弘
開講期2025年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業形態対面(全回対面)
オンライン実施回
全回対面
授業題目「述べる」とは何か
授業の到達目標私たちは、おしゃべりするとき、なにかを「述べて」います。
「述べる」とは、たとえば、「ああ、つまらない」といったものでも、「A(授業)はB(つまらない)」といった判断の形式を無自覚にとっています。
ただ、その「述べる」主語(A)とか「述べた」述語(B)というものには、いろいろ曰くが付いています。たとえば、「この授業」(A個別)は「つまらない」(B肯定、しかしじつは否定)といった範囲が明確にされるといったそれです。(これが「しばしば」というか「ほとんど」省略されるので、状況の確認できない(その典型は「チャット」「ツイート」なるもの)ときには、おうおうに誤解を生み出し、さらには敵対的にもしてしまいます。)
この種の言明は、形式的には「判断」といわれますが、自分があるいは他人が何を言っているのかまともに理解するためには、内容以前に形式を弁えておく必要があります。    
もっとも、状況に応じた会話では、おたがいの親密度(信頼度・共感度)や共通了解(省略しても補足されうる当然の事 柄)などによって、その形式を識別していくことがかなりの程度可能です。このさい、非言語的コミュニケ二ションの役割は絶大で、これを無視する「チャット」「ツイート」なるもの、もっと一般的にいえば「オンライン」(ICT)が誤解を生まないはずがありません。    
ということで、「判断」の形式の特性を腑分けしてみたいと思います。(非言語的コミュニケーションについては、別途の講義がありますから、そちらに譲ります。)
そこで、このことをヘーゲル『論理学』概念論(1816年)の「主観性・判断」を読み解くことで考え、受講者が「述べる」ことについて説明でき、またみずからがこれを思索できるようになることを目標とします。
今年度の授業内容へーゲルの『論理学』「概念論」(1816年)をもとに、「主観性・判断」について考えます。
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について予習は、講義用の翻訳を各回分熟読します。(各回2時間(90分)超)
復習は、講義ノートを整理し、提出します。(各回2時間(90分)超)
1回平均約190分
自習に関する一般的な指示事項配布する資料をよく読み込んでください。
後で読んで分かるよう講義ノートを整理しましょう。
授業の特徴(アクティブラーニング)レポート
第1回「主観性・判断」を考える必要性
第2回「現にあるもの」についての判断(その1)
第3回「現にあるもの」についての判断(その2承前):目の前のことに飛びついて考えることについて
第4回「現にあるもの」についての判断(その3承前):とくに「肯定」について
第5回「現にあるもの」についての判断(その4承前):とくに「否定」について(その1)
第6回「現にあるもの」についての判断(その5承前):とくに「否定」について(その2承前):「否定」をネガティブにしか考えられない性向について
第7回「現にあるもの」についての判断(その6承前):とくに「無限」について
第8回「振り返り」にかかわる判断(その1):とくに「単称」と「特称」について
第9回「振り返り」にかかわる判断(その2承前):とくに「全称」について
第10回「必然」にかかわる判断(その1):とくに「確定」について
第11回「必然」にかかわる判断(その2承前):とくに「仮定」について
第12回「必然」にかかわる判断(その3承前):とくに「選択」について
第13回「主観」(概念)にかかわる判断(その1):とくに「主張」について
第14回「主観」(概念)にかかわる判断(その2承前):とくに「疑念」「断定」について
授業の運営方法講義者独自の翻訳を示しながら講述します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法小論文・レポートは、講評し返却します。Teamsを利用する。
講義ノートは、講義初頭において、その取り方を指導します。Teamsを利用する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 70% WEBの参照を認めません。講義に応じた論文を求めます。
授業参加 30% 講義ノート(自筆)のコピーの提出を求めます(各回)。3分の2以上の出席がない場合、E評価とします。
テキスト 資料を配布します。
参考文献 とくに読む必要はありません。
その他、履修生への注意事項 最初はよく分からなくとも、テキストを繰り返して読むなかで理解できるはずですから、辛抱強く取り組んでください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】