科目名 | 人文学特殊講義(日本史)B | |
担当者 | 岡山 麻子 | |
開講期 | 2025年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業形態 | 対面(全回対面) | |
オンライン実施回 | — | |
全回対面 | ||
授業題目 | 日本の近代化と日本文化論 | |
授業の到達目標 | 日本の近代化過程における文化の諸相、とりわけ西洋及びアジアとの関係を踏まえた日本文化論について検討する。次の二点を到達目標とする。 1 近代日本における文化領域の史料及び論文を内在的に読解し、時代の中に位置づけて説明できるようになる。 2 史料や論文から論点を提起し、それに対する自分の考えを論理的に表現できるようになる。 |
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今年度の授業内容 | 近代日本において、西洋とアジアとの関係を視野に入れつつ、日本文化のあり方を考えた人々の思想と行動に注目し、文化の存立形態及びその背景にある精神構造について検討する。 日本は近代化の過程において、西洋文明を積極的に取り入れつつ、急速な近代化を進めた。それは西洋近代に近づく「進歩」と考えられた一方、アジアとの連帯や、民衆の生活に根差した文化が疎外されるという問題を抱えたものでもあった。この授業では、近代日本の音楽・美術・文学等の文化領域における、西洋文明の受容のあり方を検討し、アジアの生活と民衆の精神的地盤に根を張った「もう一つの近代化」「もう一つの近代日本文化」の可能性を追求していく。 授業は講義形式でおこなうが、史料・論文の読み解きに際しては、学生自身が文献や史料を読みこんで、積極的に授業に参加することが必要である。毎回の授業において、内容に応じて出される課題を提出することが求められる。 |
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準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前に授業資料を読んで、論点・疑問点を整理しておく。 講義終了後、授業で指示された課題を提出する。 |
1回平均約190分 |
自習に関する一般的な指示事項 | 指定された史料や論文を必ず自分で読んでから授業に臨むこと。 史料・参考文献を読み、講義で得た知見を生かして、課題に対する回答を作成すること。 |
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授業の特徴(アクティブラーニング) | リアクションペーパー/レポート | |
第1回 | 日本文化論への視座―日本の近代化と西洋・アジア | |
第2回 | Ⅰ 近代日本の文化と西洋 伊沢修二と音楽の近代化①―音楽と近代国家 |
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第3回 | 伊沢修二と音楽の近代化②―音楽教育の理論と実践 | |
第4回 | 岡倉天心と美術の近代化①―文明観と美術 | |
第5回 | 岡倉天心と美術の近代化②―日本文化と西洋 | |
第6回 | 芥川龍之介と岡本かの子—大正・昭和初期の文化的課題 | |
第7回 | 保田與重郎の歌論と近代批判 | |
第8回 | Ⅱ 戦後思想と日本文化論 国家論と日本文化論 |
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第9回 | 竹内好の国民文学論 | |
第10回 | 鶴見俊輔の限界芸術論 | |
第11回 | Ⅲ 戦後日本における女性と文化 石垣りんと生活者の言葉 |
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第12回 | 茨木のり子―女性の言葉と日本社会 | |
第13回 | 鶴見和子と生活記録運動 | |
第14回 | 森崎和江と日本文化論 | |
授業の運営方法 | 講義形式でおこなう。レジュメを配付する。 必要に応じて、授業で指示される小課題を提出する。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 提出された課題については、後日の講義にて特徴的な見解の紹介と講評をおこなう。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 60% | 期末レポート |
授業参加 | 40% | 課題の提出とその内容 |
その他 | 0% | 実施しない |
評価内容(評価方法、評価基準4) | 実施しない |
テキスト | 必要に応じてプリントを配付する。 |
参考文献 | 鹿野政直『近代日本思想案内』岩波文庫、1999年 竹内好『日本とアジア』ちくま学芸文庫、1993年 久野収・鶴見俊輔『現代日本の思想 その五つの渦』岩波新書、1956年(電子書籍版、2019年) 岡山麻子『竹内好の文学精神』論創社、2002年 |
その他、履修生への注意事項 | ・初回授業には必ず出席すること。 ・課題の丁寧な記述と提出を重ねることを通して、文化史に対する各自の視点を形成していってもらいたい。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |