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科目名人文学特殊講義(日本史)A
担当者清水 光明
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目江戸時代の古文書を読む
授業の達成目標江戸時代の人々が筆で書いた文書を2~3種類読解することで、古文書解読や史料批判といった歴史学研究(とくに日本近世史研究)の基礎を習得し、古文書の文面と内容を説明できるようになる。
今年度の授業内容全15回の授業を通して、2~3種類の文書を読みます。一つは、比較的かなが多い文書です。物語的な内容のものにするか、事件的な内容のものにするかは皆さんの意見を参考にして決めます。もう一つは、候文と言われる、近世日本に典型的な和漢文で書かれた文書です。武家文書にするか百姓文書にするかは、字体と中身を少し見た上で皆さんの意見を参考にして決めます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について辞書を引きながら史料を読み進めてみること(予習、1時間)。授業の内容を踏まえて史料を読み直し、さらに次の週の箇所を読み進めてみること(復習、1時間)。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項最初は全く読めないかもしれません。が、毎回、予習・復習を怠らなければ、半年後にはかなり読めるようになります。
第1回2〜3種類の文書全てと、工具書の紹介・活用方法、史料学・アーカイブズ学についての解説、解読の分担を決定。
第2回文書①《翻刻された史料》の読解(1)
第3回文書①《翻刻された史料》の読解(2)
第4回文書①《翻刻された史料》の読解(3)
第5回文書②《かな多め》読解の基礎
第6回文書②《かな多め》読解の発展
第7回文書②《かな多め》読解の応用
第8回文書③《漢字多め》読解の基礎
第9回文書③《漢字多め》読解の発展
第10回文書③《漢字多め》読解の応用
第11回文書③《漢字多め》読解の発展(2)
第12回古文書読解の総復習(1)
第13回古文書読解の総復習(2)
授業の運営方法毎回、教員が学生をランダムに指名する。指名された学生は黒板に出て担当箇所の文字を書き、教員がそれを訂正する。最初のうちは復習に力を入れ、一度出た文字はよく眼に焼き付けておく。そうすると、回を重ねるにつれて、予習だけでもかなり読めるようになる。同時に、苦手な文字を適宜復習しておけば、いつの間にかすらすらと読めるようになる。一回でも欠席すると大きく遅れを取ることになるので、止むを得ず欠席した場合は、必ず友達や知り合いから読みを書き写しておくこと。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回、学生が黒板に書いた文字を教員が訂正する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 50% 古文書解読の試験を実施する。
小論文・レポート 0% なし。
授業参加 50% 担当時の読解と毎回の準備状況。
その他 0% なし。
テキスト 『くずし字用例辞典 普及版』(東京堂出版、1981年)等(より安価な辞典でも構わない)。テキストとする古文書のコピーは、初回授業時に配布する。
参考文献 上野大輔・清水光明・三ツ松誠・吉村雅美編『日本近世史入門――ようこそ研究の世界へ!』(勉誠社、2024年)を読むと、より一層理解が深まるであろう。
その他、履修生への注意事項 とにかく文字をじっと眺め、辞書を引きまくり、分らなくても絶対に諦めないことが大事です。それから、文字の形だけではなく、文脈を適切に把握することも、文字を特定する重要な手掛かりになります。もし予習で行き詰まったら、しばらく時間を置いてから再度同じ文字を眺めてみてください。それで呆気なく読めてしまう場合もあります、不思議なことに。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】