科目名 | 人文学特殊講義(日本文学)B |
担当者 | 加美 甲多 |
開講期 | 2024年度秋学期 |
科目区分 | 週間授業 |
履修開始年次 | 3年 |
単位数 | 2単位 |
授業の方法 | 講義 |
授業題目 | 説話文学の世界 |
授業の達成目標 | 伝本、諸本、校定といった本文についての定義を正確に認識できるようになる。世俗説話や仏教説話の在り方について自ら考えることができ、例えば特殊な仏教語という視点や、逆に文学的視点から説話を見ることで、説話が多角的に読めるようになる。時代の流れの中で、中世文学、特に中世説話文学の特質を理解できるようになる。 |
今年度の授業内容 | 中世という時代において、説話文学は私たちに様々な「貌」を見せる。その要因として、説話文学が様々な分野と密接に関係しながら成立してきたことが挙げられる。例えば、昔話に代表される口承文学、説教・唱導に代表される語り物の世界、仏典に代表される仏教文学、歌徳説話に代表される和歌文学、能狂言・落語に代表される古典芸能等とつながりを有する中世の説話文学は、ひとつの分野にとどまらない広がりを持っている。特に鎌倉時代後期に成立した『沙石集』はその多様性が明確に示された作品である。『沙石集』等の説話集を見ることで、多様な文学の在り方をおさえながら、中世期における説話文学の本質的役割について考える。混沌の中に存在する中世説話独特のエネルギーを体感してほしい。 |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルに掲示する各回の資料に目を通し、気になったことや疑問に思ったことを整理しておくこと。講義終了後は、配信資料などを見直して授業内容の理解に努めること。 |
合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 説話について自らの興味関心に従って積極的に調査すること。また、期末テストに向けて準備すること。 |
第1回 | ガイダンス、授業の流れ(中世説話文学の魅力) |
第2回 | 中世説話文学を学ぶにあたって(伝本等について) |
第3回 | 中世説話における笑話(1)愚者と笑い |
第4回 | 中世説話における笑話(2)笑いの力 |
第5回 | 中世説話と仏典(1)仏教説話とは |
第6回 | 中世説話と仏典(2)文学と啓蒙 |
第7回 | 中世説話と仏典(3)宗教の力 |
第8回 | 中世説話と和歌(1)和歌説話とは |
第9回 | 中世説話と和歌(2)世俗と仏教 |
第10回 | 中世説話と和歌(3)歌の力 |
第11回 | 中世説話の後世受容(1)時代と文学 |
第12回 | 中世説話の後世受容(2)文学の比較 |
第13回 | 中世説話の後世受容(3)中世説話の力 |
第14回 | まとめ 改めて中世説話文学とは |
授業の運営方法 | 基本的には講義形式で行うが、テーマによって意見等を求める場合がある。なお、毎回の授業の最後に少し時間を取り、コメント用紙(紙媒体)に意見や考え等を記入の上、提出してもらう。 |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 各回のコメント用紙について、次回の講義の冒頭で紹介し(無記名)、解説、コメントする。 |