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科目名国際連合
担当者小川 忠
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目国際連合を通して考える平和と国際協調
授業の達成目標国連をはじめとする国際機構論は、国際学の重要なテーマの一つです。国際連合は学生にとって身近な存在とは言えないかもしれませんが、新型ウイルス危機とウクライナ、パレスチナでの戦争後の世界を展望する時、国際連合が存在する意味を正しく理解する必要があります。
 新型コロナウイルス危機では、国際協調が機能せず、各国の自国優先ナショナリズムがむき出しになりました。ウクライナでの戦争では、国際秩序に責任を負う国連安全保障理事会常任理事国が他国の領土を侵略する事態が生じているにもかかわらず、国連はこれを止めることができません。こうした状況のなかで、国連は不要という意見も出てきています。しかし本当に国連は不要なのでしょうか。国際連合設立の原点に立ち戻って考える必要があります。
 本講義では、国際連合の全体像を捉える学びを通じて、以下を目標とします。
・なぜ今、国際連合が必要なのか、その理想と現実のギャップについて説明できるようになる。
・日本が国連に関わる意味について自分の意見を述べることができるようになる。
・必ずしも将来国際機構で働く予定のない学生であっても国際連合が直面する課題が、今の自分の暮らしや将来と結びついていることを説明できるようになる。
今年度の授業内容本講義は、三部構成となっています。第一部では、新型ウィルスの世界的流行、ウクライナ、パレスチナでの戦争によって国際協調、国際秩序が危機に瀕している今日、原点をふりかえって、これまで国際社会・国際秩序はいかにして形成され、国際連合という機構を通じて、平和を維持する取り組みが行われてきたのかという歴史を学びます。第二部では、国際秩序に日本はいかに関わっているのか、国連で活躍した日本人に焦点をあてて検討します。第三部では平和構築を目的とした、国連の新たな取り組みと現在の国際危機の要因について解説します。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出する各回の講義資料箇所を読み、重要と思われる点、新たな学びだと思う点をメモしておいてください。また授業終了後、ポータルに掲出する各回の講義資料を読み直し理解を深めるようにしてください。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項日ごろから新聞の国際面記事に関心をもつよう心がけてください。
第1回ガイダンス
第2回国連の歴史:国際連盟の創設と瓦解
第3回国連の歴史:国連の誕生
第4回国連の歴史:冷戦期の国連
第5回国連の歴史:国連改革
第6回国連と日本人 緒方貞子(国連難民高等弁務官)の決断
第7回国連と日本人 緒方貞子とユーゴ内戦
第8回国連と日本人 明石康(国連事務次長)とカンボジア和平
第9回国連と日本人 国連の舞台裏 国連事務局
第10回国連と日本人 日本政府国連代表部 北岡大使の広報活動
第11回国連と日本人 松浦晃一郎(ユネスコ事務局長)のユネスコ改革と米国
第12回国連と日本人 ユニセフを支える
第13回様々な平和構築の試み、岐路に立つ国際秩序

第14回まとめ
授業の運営方法講師作成資料を解説しながら、討議を交えて授業を進めます。可能な限り国際連合の現場の映像資料を紹介して、理解の一助とします。各回の授業終了後に課題として、ポータルを通じて、その授業で学んだこと等のリアクション・ペーパー提出を求めます。各学生のリアクションペーパーを匿名形式でまとめ、次回授業時に授業資料として掲示し、他の学生の学習から学べるようにします。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法各回の授業終了後に課題として、ポータルを通じて、その授業で学んだこと等のリアクション・ペーパー提出を求めます。提出された学生リアクションに対して、各学生にポータルを通じて講師のコメントをフィードバックします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% なし
小論文・レポート 30% 小論文を最終講義までに提出
授業参加 70% 毎回の討議への参加、課題へのリアクション・ペーパーの記述ぶり
その他 0% なし。
テキスト ポータルサイトに掲示する講師作成資料
参考文献 授業のなかで示します。
その他、履修生への注意事項 授業資料の最後に、学生への課題を示すとともに、同じ内容を「ポータルサイト:課題管理」に掲示します。ポータルサイトを通じて、毎回課題を提出するようにしてください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
実務経験の概要 1982年から2017年まで国際交流基金職員として、文化外交、国際文化交流事業を企画立案しました。その間、インド、インドネシアに駐在するとともに、米国にも頻繁に出張しました。

実務経験と授業科目との関連性 国際交流基金において文化外交、国際文化交流を実践した経験に基づき、授業内容、授業スケジュールを策定しています。