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科目名国際文化交流
担当者小川 忠
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目異文化理解と文化外交
授業の達成目標グローバル化する世界の中で、どこにあっても異文化と接触する機会が日常的になりつつあります。こうした異文化接触の加速化に反比例するように、内向きのナショナリズムや排外主義が世界各地で台頭しています。世界が戦争やパンデミック危機に直面する今ほど、国境を越えた相互理解と協調が求められる時はありません。
 現代において「文化」は、どのように捉えられ活用(悪用)されているのか。国際文化交流がめざす異文化理解とはどのようなものなのか。その障害となる要因は何か。このような問いを通じて、本授業は以下を目標とします。
・職場・地域・家庭において異なる文化を持つ人々と接する機会があった時、彼らの文化的背景を推察できる。
・異なる文化を持つ人びとと対話できる。
・国際情勢について、文化と政治の多様な関係性を説明できる。
今年度の授業内容本講義では全回を通じて、日本と海外諸国の相互理解事業を担っている人たちが書いた『国際文化交流を実践する』を読みながら、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、中東他で行われている最新の国際文化交流事業の実際とその背景、課題等を考察します。
 また前半の回では異文化理解の意味、方法、課題等について解説し、中盤の回ではグローバリゼーション時代において「文化」はどのように語られ、政策的に活用されているのかを検討します。さらに終盤の回では文化を活用した外交の実際とその概念に関し、日本を含む各国の事例を取り上げていきます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出する各回の講義資料箇所を読み、重要と思われる点、新たな学びだと思う点をメモしておいてください。また授業終了後、ポータルに掲出する各回の講義資料を読み直し理解を深めるようにしてください。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項指定するテキストを通読するとともに、日ごろから新聞の国際面記事に関心をもつよう心がけてください。
第1回ガイダンス
第2回異文化へのあこがれ
第3回異文化体験
第4回異文化に対する偏見と先入観
第5回文化は衝突するのか
第6回異文化との対話
第7回グローバリゼーションの捉え方
第8回文化のグローバル化とローカル化
第9回ソフトパワー論
第10回文化をめぐる理論と政策のはざま
第11回文化外交の最前線
第12回文化外交の方法、文化外交への疑問

第13回日本の外交と文化
第14回まとめ
授業の運営方法講師作成資料を解説しながら、討議を交えて授業を進めます。可能な限り映画や国際文化交流現場の映像資料を紹介して、理解の一助とします。

 各回の授業終了後に課題として、ポータルを通じて、その授業で学んだこと等のリアクション・ペーパー提出を求めます。各学生のリアクションペーパーを匿名形式でまとめ、次回授業時に授業資料として掲示し、他の学生の学習から学べるようにします。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法各回の授業終了後に課題として、ポータルを通じて、その授業で学んだこと等のリアクション・ペーパー提出を求めます。提出された学生リアクションに対して、各学生にポータルを通じて講師のコメントをフィードバックします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% なし
小論文・レポート 30% 最終講義までに小論文を提出
授業参加 70% 毎回の討議への参加、課題へのリアクション・ペーパーの記述ぶり
その他 0% なし
テキスト 国際交流基金編『国際文化交流を実践する』白水社、2020年、2100円、ISBN978-4-560-09797-7

参考文献 青木保『異文化理解』岩波新書、2001年、700円、ISBN4-00-430740-6
渡辺靖『<文化>を捉え直す』岩波新書、2015年、780円、ISB978-4-00-431573-5
渡辺靖『文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代』中公新書、2011年、780円、ISBN978-4-12-102133-5
小川忠編『国境を越えるためのブックガイド50』白水社、2022年、2000円、ISBN978-4-560-09451-8
その他授業のなかで示します。
その他、履修生への注意事項 授業資料の最後に、学生への課題を示すとともに、同じ内容を「ポータルサイト:課題管理」に掲示します。ポータルサイトを通じて、毎回課題を提出するようにしてください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
実務経験の概要 1982年から2017年まで国際交流基金職員として、文化外交、国際文化交流事業を企画立案しました。その間、インド、インドネシアに駐在するとともに、米国にも頻繁に出張しました。

実務経験と授業科目との関連性 国際交流基金において文化外交、国際文化交流を実践した経験に基づき、授業内容、授業スケジュールを策定しています。