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科目名世界の宗教
担当者宮崎 修二
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目
宗教の世界を考える
授業の達成目標世界の様々な宗教を扱うので、個々の宗教について基本的な内容を理解することは重要だが、宗教がそれぞれの社会、文化において、どのような意味をもっているかをある集団の精神文化としてだけでなく、個人の人生など、人間の個としての視点からも考察を進められるようになることが望まれる。宗教を避けておくことを無難とする日本社会においても、宗教をどのように理解しておくべきなのかと不意に問いかけられることがある。そうしたことに備える意味でも、宗教について考え、必要なときには自分なりの意見を展開できるようになることが求められる。そのための材料を備えておくことも本講義の目的と言える。また、個別の宗教とは無関係に、人間にとっての宗教とは何であるのかを考える基本的な姿勢の醸成を目標とする。
今年度の授業内容近年、人類の歴史を深いところで動かしつづける「宗教」という現象への理解がますます必要とされている。日々の生活の中で見え隠れする宗教、世界情勢の中で時に重要な要素として語られる宗教とはいったいどういったものなのだろうか。それとどう向き合ったらいいのだろうか。本講義はさまざまな状況の中で漠然と扱われている宗教について、世界のさまざまな宗教に目を向けながら、自らの視線でそれを整理していくきっかけを提供する時間にしたい。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について指定された書籍や、配布する文書をあらかじめ読んでおくこと、また、後にも振り返って読み返し理解を広げることが望まれる。 また、こちらからキーワードのようなものを毎週、提案するので、それについて短い文章を比較的短い時間(例えば20分)で、特別調べたりすることなく書き出してみることをお勧めする(提出は求めない)。その蓄積が講義への関心、理解の増進につながり、最終的な到達点を高めるためのひとつの方法となる。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項学期の早い段階で、指定書籍などを通読して様々な宗教の概要を概観しておくことで、新しいことや自分の知らない考え方に接する準備ができる。学期中、できるだけ一般向けの書籍を随時紹介するので、そうした書籍を積極的に読んでおく。期末レポートは比較的自由にテーマを選ぶ余地も設けるので、講義と並行する読書によって、自分のテーマを見つけられるよう心掛ける。
また、上の欄の「キーワード」を用いた予習、復習の実施も推奨される。
第1回
はじめに ~宗教をどう考えるか~履修に関する説明の後、宗教をめぐる議論についての基本的な前提などを確認する。
第2回宗教と道徳、日本人の宗教意識
宗教の周辺に位置する道徳、倫理、哲学などの概念との関係において、宗教はどのように捉えられるのか。また、日本人の「無宗教」などの宗教意識について考える。
第3回宗教の起源を探る
宗教研究の歴史を辿りながら、宗教の起源がどのように考えられてきたのか、また、宗教はどのように定義されてきたのかについて考える。
第4回ヒンドゥー教
ヒンドゥー教について、その構成内容、歴史的な変遷などを辿り、仏教に繋がっていくインドの宗教思想の基本構造を探求する。
第5回
古代宗教とゾロアスター教
古代宗教を概観しつつ、後の主要な宗教思想に大きな影響を与えたゾロアスター教の役割について考える。
第6回
アブラハムの宗教(1)イスラム教とその教え
イスラム教成立の経緯などを中心に、その基本的な教えを見ていく。
第7回
アブラハムの宗教(2)イスラム教の歴史
イスラム教の時代ごとの変遷、近代以降の西洋との関係など。
第8回
東洋の思想と宗教(1)原始仏教とその後の展開
仏教の基本的な構造と、その後、東アジアなどに広がっていくに際しての変化について辿っていく。
第9回
東洋の思想と宗教(2)道教と儒教
道教と儒教の成立と展開を中国の歴史の流れの中で確認しながら、東アジア全体における位置づけを考える。
第10回
東洋の思想と宗教(3)神道と日本の仏教
神道と日本における仏教の展開を辿りながら、日本人の宗教心について考えていく。
第11回さまざまな宗教
通常、世界の宗教という文脈では取り上げられることのない宗教について、今回は特にアフリカの宗教について概観してみる。
第12回
アブラハムの宗教(3)ユダヤ教の世界
キリスト教、イスラム教の先駆的存在であるユダヤ教について、聖書の歴史、また、その後のユダヤ人の歴史を辿りながら、その思想上の根本を探っていく。
第13回アブラハムの宗教(4)キリスト教キリスト教の宗教として基本構造を概観した後、西洋の歴史において、キリスト教が果たしてきた役割について考える。
第14回宗教と近代キリスト教の近代以降における社会的位置づけの変化の意味、科学思想との関係、また、西洋における無神論、スピリチュアルなものに対する興味の拡大などの現象について。
授業の運営方法講義形式で行います。
質問、コメントについては、リアクションペーパーとして、各回についてポータルを用いて提出してください(用紙の配布はしません)。特別な質問がある場合は「Q&A」も利用してください。
以前、リモート講義で用いたスライド動画が公開されており、内容は近いので、それを予習、復習として閲覧することもできます。

学期中に2回、講義の内容についての理解度を確認する課題を出します。短い記述を求めるものと、穴埋め式の問題が混在したものになる予定です。この課題は短時間での提出を前提とするテスト形式とし、ポータルのテスト機能を用いて行います。

期末テスト期間中にテストは行いません。

また、学期の後半に、学期末提出のレポート課題を出します。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法リアクションペーパーなどについては随時、必要な場合にコメントをつける。重要と思われる疑問点については、ポータルの機能などを通じて、全体にその議論を共有する。「Q&A」における質問についても同様。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 30% 期末提出のレポート
授業参加 10% リアクションペーパーによる参加度評価
その他 60% 学期内に2度行う理解度確認課題
参考文献
「宗教の世界史」シリーズ(山川出版社) 
推奨図書 中村圭志『面白くて眠れなくなる宗教学』(PHP研究所)
その他、履修生への注意事項 毎回リアクションペーパーの提出を求めます。 出席はポータルの機能を使って取りますが、出席率(受講率)による加点、減点は一切ありません。 期末テスト期間中にテストは行いません。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】