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科目名比較神話論
担当者森谷 裕美子
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目神話と表象
授業の達成目標1 神話の解釈を通して、宗教実践と自社会の日常的実践の関連性を分析することができるようになる。
2 神話的表象を求める人の理解を深めることで、 現代社会の抱える精神的問題を解決するための道筋をつけることができるようになる。
今年度の授業内容神話とは「いかにして世界と人類が今日のような姿を取るようになったかを説明する物語」であり、ある民族が自身の世界に対して与える解釈である。こうした文化の解釈は文化人類学の主要なテーマの一つであり、これまで人類学者たちは特定の社会でのフィールドワークを踏まえた文化の解釈を行うことで、単なるお話に見えた「神話」が実は意味深い世界を語っていること明らかにしてきた。そこで本講義では「神話」と神話に登場する神々や英雄、動物、植物といったものの象徴性や神話の機能、構造にかかわる人類学者の研究や、そうした神話的表象を求める人々の文化を宗教の行為的側面である儀礼とのかかわりのなかで学ぶことで、神話という人類にとっての古い「伝統」が、新しい時代に適応した「物語」として変形され継承されていく可能性を考えていく。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業時にきちんとメモを取り、毎回、その内容を復習してから次の授業に臨むこと。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項私たちの日々の生活の中にあふれる「現代の神話」を意識して捉え、その意味を積極的に考える習慣をつける。
第1回授業のねらい:神話とは何か
第2回1 儀礼と神話 (1) 儀礼と神話の関係
第3回1 儀礼と神話 (2) - 1 ドゴン族の神話
第4回1 儀礼と神話 (2) - 2 ドゴン族のシギの儀礼 <映像資料使用> 
第5回2 未開社会における神話:フレイザー  (1) 『金枝篇』
第6回2 未開社会における神話:フレイザー (2) 王殺しの意味
第7回3 神話の機能:マリノフスキー (1) トロブリアンド諸島民と神話  <映像資料使用> 
第8回3 神話の機能:マリノフスキー (2) 呪術 『呪術・科学・宗教・神話』
第9回4 神話における無意識の構造:レヴィ=ストロース   (1) 無意識の構造と野生の思考 <映像資料使用> 
第10回4 神話における無意識の構造:レヴィ=ストロース (2)  神話的思考
第11回4 神話における無意識の構造:レヴィ=ストロース (3) - 1 『アスディワル武勲詩』
第12回4 神話における無意識の構造:レヴィ=ストロース (3) - 2 『アスディワル武勲詩』の解釈
第13回5  現代に生き続ける神話  (1) 神話と近現代   <映像資料使用>  
第14回5 現代に生き続ける神話 (2) 神話とポップカルチャー   <映像資料使用> 
授業の運営方法パワーポイントと映像資料を用いて授業を行う。これに合わせて、授業の理解度を問う小テストや映像資料を見ての課題が授業時間内にある。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法小テスト・課題については、次回の授業にて講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 70% 授業の理解度を問うテスト
その他 30% 授業中の小テスト・課題
テキスト 独自に作成した資料を授業時間内に配布する。
参考文献 ・フレーザー『金枝篇』東京書籍、1994年(ISBN-13‏ :‎ 978-4487761586)
・マリノフスキー『呪術・科学・宗教・神話』人文書院 、1997年(ISBN-13‏ :‎ 978-4409530191)
・レヴィ=ストロース 『野生の思考』みすず書房、1976年(ISBN-13‏ :‎ 978-4622019725)・レヴィ=ストロース『アスディワル武勲詩』青土社、1993年(ISBN-13‏ :‎ 978-4791752775)
その他、履修生への注意事項 授業スケジュールは、授業の進み具合によってずれることがあるので注意すること。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】