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科目名文化と心理
担当者森谷 裕美子
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目心と文化の出会い
授業の達成目標1 いろいろな社会の人たちがそれぞれの地域でどのような心性を育んできたかを理解し、これを説明できるようになる。
2 他の社会の文化のありかたを参照しながら自身の心性を顧み、現代社会におけるさまざまな問題を解決するための道筋をつけることができるようになる。
今年度の授業内容心理学と文化人類学はきわめて関係の深い学問である。文化人類学は、欧米の人類学者が「未開」とされた社会を訪れ、その文化を観察し記述するところから始まったが、こうした社会にも自分たちの社会とはまったく異なる独自の社会システムがあって、それが実にうまく機能していることを知り、そこから文化とそれぞれの社会に特有な人間の心性にはどのような関係があるのか、そうした文化を担う人たちの心性が個々の社会でどのように育まれてきたかなどといった問題関心にもとづく比較研究が進められるようになった。そこで本講義では「心と文化の出会い」に関する文化人類学者の研究と、そうした心性が育まれる文化の多様性を学ぶことで、常に変化し多様化・複雑化している現代社会のかかえる問題について問い直していく。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業時にきちんとメモを取り、毎回、その内容を復習してから次の授業に臨むこと。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項常に変化し多様化・複雑化している現代社会のかかえる問題について考えてみる。
第1回授業のねらい:文化と人間のかかわり方についての文化研究の流れを学ぶ
第2回1 文化と人間の欲求:マリノフスキー  (1) 文化の機能  (2) クラ交易における文化と人間の欲求との関係 <映像資料使用>
第3回1 文化と人間の欲求:マリノフスキー  (3) 父方交叉イトコ婚と文化と人間の欲求との関係
第4回1 文化と人間の欲求:マリノフスキー  (4) マリノフスキーと異文化『マリノフスキー日記』
第5回2 文化とパーソナリティー:ベネディクトとミード  (1) 文化決定論
第6回2 文化とパーソナリティー:ベネディクトとミード  (2)-1 ベネディクトの文化の『文化の型』 <映像資料使用>
第7回2 文化とパーソナリティー:ベネディクトとミード  (2) - 2 ベネディクトの日本人を「日本人たらしめるもの」
第8回2 文化とパーソナリティー:ベネディクトとミード  (3) - 1 ミードの文化が個人のパーソナリティーに与える影響  (3) - 2 ミードの『サモアの思春期』 
第9回2 文化とパーソナリティー:ベネディクトとミード  (3) - 2 ミードへの批判 
第10回3 無意識の構造: レヴィ=ストロース  (1) 人類の婚姻と無意識の構造
第11回3 無意識の構造: レヴィ=ストロース  (2) 人類の婚姻における限定交換・一般交換とその問題
第12回4  新構造主義:メアリー・ダグラス  (1) 構造主義と新構造主義
第13回4  新構造主義:メアリー・ダグラス  (2) 『穢れと禁忌』
第14回総括  文化の解釈
授業の運営方法パワーポイントと映像資料を用いて授業を行う。これに合わせて、授業の理解度を問う小テストや映像資料を見ての課題が授業時間内にある。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法小テスト・課題については、次回の授業にて講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 70% 授業の理解度を問うテスト
その他 30% 小テスト・課題
テキスト 独自に作成した資料を授業時間内に配布する。
参考文献 ・マリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』講談社学術文庫、2010年(ISBN-13‏ : ‎978-4062919852)
・マリノフスキー『未開人の性生活』新泉社、1999年 (ISBN-13 : ‎978-4787771070)・ベネディクト『文化の型』講談社学術文庫、2008年(ISBN-13‏ : ‎978-4061598812)
・ベネディクト『菊と刀』光文社古典新訳文庫、2008年(ISBN-13‏ : ‎978-4334751692)
・ミード『サモアの思春期』蒼樹書房、1976年(ISBN-13 : ‎978-4789110143)
・フリーマン『マーガレット・ミードとサモア』みすず書房、1995年(ISBN-13 : ‎978-4622036463)
・レヴィ=ストロース『親族の基本構造』青弓社、2000年(ISBN-13‏ : ‎978-4787231802)
・メアリー・ダグラス『穢れと禁忌』 筑摩書房 、2009年(ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480091864)
その他、履修生への注意事項 授業スケジュールは、授業の進み具合によってずれることがあるので注意すること。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】