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科目名現代アメリカ社会
担当者笹島 雅彦
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目

分断国家・アメリカの社会分析


授業の達成目標

現代アメリカ社会が抱える人種、少数派、宗教、貧富の格差、移民、銃社会、保守とリベラルの対立など社会の分断状況を理解し、説明できるようにする。そのために、米国関連記事の熟読を習慣化し、メディア・リテラシー(情報を読み解く力)も高めることができる。

今年度の授業内容

第2次大戦後のアメリカ外交の特徴をつかんでいく。そのうえで、バイデン政権誕生後の米国の外交、内政問題を概観し、米国内の分断状況を考察していく。11月のアメリカ大統領選挙に向けて、情勢分析を行う。


準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について毎回、指定する範囲内でテキストを熟読、予習すること。新聞の国際ニュースを毎日欠かさず読み、流れをつかむこと。
また、国際ニュースの担当者は、1週間の出来事の中から重要と思われる報道内容をレジュメにまとめて紹介する準備を行う。(1時間)
合計60時間

合計60時間
自習に関する一般的な指示事項新聞を毎日熟読し、国際ニュースの流れをつかむ。
第1回授業の概要説明と担当振り分け
第2回バイデン政権誕生の意味
第3回保守対リベラルの対立

第4回「実験国家」としてのアメリカ

第5回言論の自由とは何か
キャンセル・カルチャーとポリティカル・コレクトネス(PC)の最前線
第6回移民社会

第7回銃社会は生まれ変わるか
第8回BLM運動と人種差別をめぐる発想の転換

第9回少数派(マイノリティー)と多様性(ダイバーシティ)の未来



第10回白人貧困・中間層の社会不満と格差社会
第11回ポピュリズム(大衆迎合主義)と民主主義モデルの危機

第12回戦後アメリカ外交の始まり

第13回冷戦時代の封じ込め政策
第14回冷戦後の米外交の展開
授業の運営方法

毎回、授業の冒頭では、授業テーマと関連する最新の米国報道について、担当学生が短時間の報告を行う。その内容について背景解説を行った後、現代アメリカ社会が抱える特異な問題点を探っていく。学生の質問、意見、討論を重視する。学生自身が問題点を発見し、その解決策を考え、中間、期末レポートにまとめる。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法ウエブ会議システムMicrosoft-teams上、各学生それぞれの「クラスノートブック」欄を用い、毎回の授業終了時に「リアクション・ペーパー」を投稿する。One Note機能をフル活用する。「リアクション・ペーパー」に質問は書かないこと。質問は授業時間内に直接、質問することが原則。「リアクション・ペーパー」には、授業内容のメモや、指示に基づくそれぞれの意見を書きこむこと。教員はそれに対し、赤ペンで講評、添削を行う。レポート提出の場合も同様である。
場合によっては、チームズのチャット機能や、ポータル上の「掲示板」「Q&A」「メール」機能を利用する場合もある。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0%
小論文・レポート 60% 中間、期末レポート
授業参加 40% 積極的な授業参加態度(ニュース報告と質問、意見表明、毎回の授業後コメント)
その他 0%
テキスト

読売新聞調査研究本部編著「対テロリズム戦争」(中央公論新社、2001年)720円。ISBN4-12-150024-5
川上高司・石澤靖治編「トランプ後の世界秩序」(東洋経済新報社、2017年)のうち、笹島雅彦著「第2章日中関係【政治】」
佐橋亮、鈴木一人編「バイデンのアメリカ」(東京大学出版会、2022年)

参考文献 ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」上・下(草思社文庫)
村田晃嗣「アメリカ外交ー苦悩と希望」(講談社現代新書、2005年)
村田晃嗣「トランプvsバイデン」(PHP新書、2021年)
渡辺靖「アメリカのジレンマ」(NHK出版新書、2015年)
渡辺靖「白人ナショナリズム」(中公新書、2020年)
渡辺靖「アメリカとは何か」(岩波新書、2022年)
待鳥聡史「アメリカ大統領制の現在」(NHKブックス、2016年)
久保文明「アメリカ政治史」(有斐閣、2018年)
佐橋亮著「米中対立」(中公新書、2021年)
中山俊宏「理念の国がきしむとき」(千倉書房、2023年)

学生の問題意識に合わせ、適宜、助言する。
その他、履修生への注意事項 (成績評価)
全14回の授業のうち、三分の二以上、つまり10回以上の出席者を成績評価対象とする。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
実務経験の概要

35年間に及ぶ新聞記者生活。政治部、国際部などに所属し、北京特派員として中国の暗部を探るなど、ジャーナリズムの最前線で働いてきた。


実務経験と授業科目との関連性

政治、外交、安全保障にかかわる豊富な現場体験をもとに、理論と現実の相違点を実証的にわかりやすく分析する。単なる教科書的な理論の紹介ではなく、深く現実政治の動向を見据えながら、ダイナミックに国際事象に切り込んでいく。