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科目名イスラム史
担当者木村 風雅
開講期2025年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業形態対面(一部オンライン)
オンライン実施回
第1回/第4回/第5回/第7回/第9回/第11回/第13回
授業題目イスラームの歴史:比較宗教学と宗派比較の視点から
授業の到達目標イスラームの教義や宗派、政治体制を説明できるようになる。
特にイスラームの特徴を先行する一神教(ユダヤ教とキリスト教)と比較する視点から説明することができるようになる。
イスラームを多数派のスンナ派の視点からだけでなく、シーア派など少数派や他宗派と比較して説明することができる。
今年度の授業内容この講義ではイスラームの教えを説いた預言者ムハンマドの時代から近現代までのイスラームの歴史を概観する。本講義の特徴は、イスラームの誕生を当時のアラビア半島(現在中東と呼ばれる地域)における多神教やユダヤ教、キリスト教など他宗教の関係から読み解く点にある。また、ムハンマド没後のイスラーム王朝や国家の歴史を語る際も、現在の多数派のスンナ派だけでなく、少数派とされるシーア派や他宗派との関係から総体的にイスラームの歴史を捉える点を第二の特徴とする。
 上記の講義を進めるにあたり、時系列による政治勢力の歴史的変遷を単に追うだけでなく、イスラームの教義の内容、政治思想や神秘主義思想や文化の影響力の推移を前近代から近現代まで概説する。
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業前にポータルに登録されている授業の関連資料を読み、次回の授業のトピックを予習しておく。授業後は授業内小テストやコメントペーパーの作成を通じて、授業内容を振り返る。
合計60時間。
1回平均約190分
自習に関する一般的な指示事項授業内で案内する複数の参考文献のうち、自らの関心に基づき研究テーマを掘り下げること。
授業の特徴(アクティブラーニング)リアクションペーパー/ミニテスト/レポート
第1回ガイダンス
第2回イスラームの誕生(とその歴史的背景):預言者ムハンマドについて
第3回初期イスラーム共同体と他宗教との関わり:多神教徒・ユダヤ教徒・キリスト教徒
第4回イスラームの教義:先行する一神教との比較の視点から
第5回預言者ムハンマドの教友である「正統」カリフの時代:632―661年
第6回政治的・宗教的後継者争いと分派の発生
第7回イスラームの「古典期」:ウマイヤ朝(661-750)とアッバース朝(750-1258)を経て
第8回中世イスラーム国家の林立:「シーア派の世紀」とスンナ派の復興
第9回シーア派とスンナ派の教義と政治論の違い
第10回イスラームの「ポスト古典期」:マムルーク朝(1250-1517)における学問の成熟
第11回イスラームの「近世」:オスマン帝国(1299-1922)の歴史と近代の前夜
第12回イスラームと近代:イスラーム圏の植民地化とオスマン帝国の終焉
第13回イスラームの政治思想の歴史:前近代から近現代まで
第14回イスラーム神秘主義の歴史と文化
授業の運営方法ポータルを通じて授業資料の配布や課題の提出を行います。
講義はパワーポイントを用いて行います。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法小テストは、ポータルの自動採点機能を使用する予定です。
また、期末レポートはポータルを通じて返却する予定です。
授業後のコメントペーパーに記入いただく講義内容に関する質問は次回授業の冒頭などで回答する予定です。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 40% 期末レポート
授業参加 40% コメントペーパー
その他 20% 小テスト
テキスト 適宜ポータルを通じて資料を配布します。
参考文献 概説書
菊地達也編著『図説 イスラム教の歴史』河出書房新社、2017年
小杉泰『イスラームとは何か~その宗教・社会・文化』 講談社現代新書、1994年
カレン・アームストロング(小杉朋則訳)『イスラームの歴史:1400年の軌跡』中公新書、2017年
タミム・アンサーリー(小沢千重子訳)『イスラームから見た「世界史」』紀伊国屋書店、2011年
余部福三『イスラーム全史』勁草書房、1991年
用語辞典
大塚和夫・小杉泰ほか(編)『岩波イスラーム辞典』岩波書店、2002年
日本イスラム協会(監修)『新イスラム事典』平凡社、2002年
関連ページ https://researchmap.jp/s13305fk
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】