科目名 | 中国文化史 | |
担当者 | 原 正人 | |
開講期 | 2025年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業形態 | 対面(全回対面) | |
オンライン実施回 | — | |
全回対面 | ||
授業題目 | 中国と「儒教」 ―いまの東アジアを考えるために― | |
授業の到達目標 | 1.現代の中国、ひいては東アジアを見るための前提議論として、おそらく皆さんも耳にしたことのある「儒教」について理解を深める。 2.特に近代以降の中国史の流れとともに、当時の知識人たちが儒教をどのように考えてきたかを理解する。 3.現在の中国が儒教からどのような影響を受けているのかを学ぶ。同時に、中国における知識人と政治、さらには社会との関係を考えたい。 |
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今年度の授業内容 | 中国の近代以降の歴史および思想史を、「儒教」を軸にして概説します。 現在中国を見るときに、しばしば「中華思想」や「中華意識」という言葉が使われます。そしてそれが儒教/儒学に由来していると思われています。それはそれである意味では正しいのですが、当の中国人にとっても、「儒教とはなにか」、そして「儒教はどうあるべきか」は古くて新しい問題であり続けています。 そこで、今の中国、さらにはその影響を良かれ悪しかれ強く受けた現在の東アジアを見渡すために、儒教とは本来何であったのか、そして近現代中国において「儒教」がどう捉えられてきたか、さらには儒教が現代の中国にどのように影響を及ぼしているのかについて考えていきたいと思います。 |
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準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 予習は特に必要ありません。授業後にわからなかったところについては、レジュメに示した参考文献やインターネットなどで理解を深めておくこと。 | 1回平均約190分 |
自習に関する一般的な指示事項 | まず授業を聴いて、わからない部分やさらに調べたい部分があれば図書館などで調べましょう。また、質問などは教場で直接受けるほか、メール(hara@tamacc.chuo-u.ac.jp)でも受け付けます。 | |
授業の特徴(アクティブラーニング) | リアクションペーパー | |
第1回 | ガイダンス―中国、東アジア、儒教 | |
第2回 | 「儒教」とはなにか?(1) ―思想史的アプローチから ・儒教と儒学/孔子、孟子から朱子学、陽明学へ/清朝の儒学 |
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第3回 | 「儒教」とはなにか?(2) ―政治・社会史的アプローチから ・儒教の政治思想/体制教学としての儒教/儒教と近代以前の中国社会/「中華思想」と「冊封体制」 |
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第4回 | 洋務運動と「西学」・「中学」 ・官僚による改革運動と「西学」の導入/洋務運動時期における「中学」と「西学」 |
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第5回 | 清末の思想家たちと儒教(1) ―中国社会の改良と儒教 ・変法運動とは/康有為による儒教の読み替え/梁啓超による儒教解釈と歴史学の改革 |
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第6回 | 清末の思想家たちと儒教(2) ―辛亥革命と儒教 ・改良派と革命派/アナキズム/孫文と儒教 |
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第7回 | 五四新文化運動における反儒教(1) ―“人が人を食う”儒教? ・五四新文化運動から五四運動へ/孔教批判:陳独秀、胡適、李大釗を中心に/「デモクラシーとサイエンス」/東西文化論戦 |
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第8回 | 五四新文化運動における反儒教(2) ―“女性”をめぐって ・“女性解放”の言論とその限界:節烈・纏足・童養媳 |
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第9回 | 五四退潮期における儒教と反儒教(1) ―中国における思想論戦の夜明け ・「科学と人生観」論戦/マルクス主義者の儒教批判/「アナ・ボル」論戦 |
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第10回 | 五四退潮期における儒教と反儒教(2) ―儒教の“転生” ・「現代新儒学」の台頭と発展/文化保守主義の「学衡派」/「中国本位の文化建設宣言」 |
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第11回 | 抗日戦争期における儒教 ・孫文と蒋介石/「新生活運動」と儒教/戴季陶の「三民主義」と儒教/全面西洋化論 |
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第12回 | 毛沢東と儒教 ・青年期毛沢東における「儒教」/毛沢東思想におけるマルクス主義と儒教/批孔批林/文化大革命における伝統批判 |
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第13回 | 1980年代以降における「儒教」と「反儒教」 ・ポスト文化大革命における知識人/中華圏における「儒教資本主義」/「文化熱」と「河殤」/ |
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第14回 | 全体的総括 | |
授業の運営方法 | 原則として講義形式で行いますが、随時リアクションペーパーや口頭で意見を求めるかもしれません。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | リアクションペーパーなどは、講義の次の回で全体的に総括・講評します。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 70% | 記述式試験を行い、その成績を加味します。 |
授業参加 | 20% | 授業時に課したリアクションペーパーの成績を加味します。 |
その他 | 10% | 出欠状況や受講態度を加味します。 |
テキスト | テキストは用いず、適宜プリント類などを配布します。 |
参考文献 | 参考文献は授業中に指示しますが、さしあたって中国近現代史・思想史の基本的な知識が得られる文献として以下を挙げておきます。 ・戸川芳郎ほか『儒教史』山川出版社、1987年 ・湯浅邦弘編著『概説中国思想史』ミネルヴァ書房、2010年 ・横山宏章『中国近代政治思想史入門』研文出版、1987年 ・松丸道雄ほか編『世界歴史体系中国史5 清末~現在』山川出版社、2002年 ・溝口雄三ほか『中国思想史』東京大学出版会、2007年 |
関連ページ | 特にありません。 |
その他、履修生への注意事項 | 中国にだけでなく、知的アンテナをできるだけ広く張り巡らせてください。また、当然のことですが、授業を真摯に(しかし楽しく)聴くこと。まじめに授業を聴いている学生を邪魔する行為は、言うまでもなく認められません。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |
実務経験の概要 | なし。 |
実務経験と授業科目との関連性 | なし。 |