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科目名比較文学
担当者濱田 寛
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目日本における中国故事の享受について〜源為憲撰『世俗諺文』を巡って〜
授業の達成目標中国古典における「故事」の出典と、日本におけるその故事の享受の実態の一斑を、平安時代の作品である源為憲撰『世俗諺文』の分析・考察を通して探求する。
本講義を通して、中国古典作品についてのより深い理解を得るとともに、「写本」の影印をテキストとすることでより古態の「訓読」の実態を理解することができる。
また授業においては厳格な「原典考証」による出典論的考察を重ねて行うことで、その方法論を理解し、実践した問題解決ができるようになる。
今年度の授業内容寛弘四(1007)年に成立した源為憲撰『世俗諺文』の唯一の写本をテキストとし、基本的には各回ごとに完結する、「諺文」の読解と原典考証そして発展的考察という3つの内容からなる授業を運営する。但し、前半の授業においては当該作品の解題、研究史などの紹介、「写本」に付された様々な記号についての基礎的な学習を行い、『世俗諺文』の「序文」についての読解について、丁寧な「導入」の授業を計画している。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について各回の授業の2日前に、必ずポータルに当該回の授業の「テキスト」のファイル(複数回の授業で使用する場合がある)と、当該回の「解説」ファイル、そして適宜「参考資料」などをアップロードする。受講生は「予習」として、「テキスト」および「解説」のファイルを通読することをお願いしたい。「解説」ファイルの内容は授業時間内でおさまらない発展的な課題についても記されているので、「復習」において改めて「解説」ファイルを読み直すことで高い学習効果が期待できる。また、「復習」においては、学期末の課題レポートの対策・準備を行うことも積極的に推奨する。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項適宜教場にて紹介する。
第1回ガイダンス/源為憲撰『世俗諺文』とは
第2回『世俗諺文』序文解説① 「駢儷文」概説
第3回『世俗諺文』序文解説② 「序文」読解

第4回『世俗諺文』読解① 「祭如在」を巡る考察
第5回『世俗諺文』読解② 「蝨催袴焼」を巡る考察
第6回『世俗諺文』読解③ 「守在海外」を巡る考察
第7回『世俗諺文』読解④ 「茅茨不剪」を巡る考察
第8回『世俗諺文』読解⑤ 「俟河之清」を巡る考察
第9回『世俗諺文』読解⑥ 「香餌之下必有懸魚」を巡る考察
第10回『世俗諺文』読解⑦ 「良薬苦於口・忠言逆於耳」を巡る考察
第11回『世俗諺文』読解⑧ 「非熊非羆」を巡る考察①
第12回『世俗諺文』読解⑧ 「非熊非羆」を巡る考察②
第13回『世俗諺文』読解⑨ 「如土蜂取人子爲己子」を巡る考察
第14回総括/『世俗諺文』における漢籍引用の方法論について
授業の運営方法各回の授業においては、まずは当該回で取り組む「テキスト」の読解を行い、引用された中国古典作品についての基礎的な解題を紹介し、メインとなる「原典考証」を展開する。この「原典考証」を経て、「課題」を設定し、その「課題」を解決する方法論を考察し、具体的な「考察」を進めるという構成となる。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法各回の授業におけるコメントへのフィードバックを次週の授業にて行うことを原則とする。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
授業参加 50% 教場における質疑応答・コメントシート等
小論文・レポート 50% 評価はA+/A/A-/B+/B/B-/C/Dの8段階評価で行う
定期試験 0% 実施しません
テキスト ポータルにアップロードするので、必ず授業前までにダウンロードすること。
参考文献 濱田寛『世俗諺文全注釈』新典社・平成27年10月30日
関連ページ 適宜紹介する
その他、履修生への注意事項 「テキスト」「解説ファイル」「参考資料」は電子データでの利用を推奨する(印刷すると膨大な量になる)。従って、教場にはPCやタブレットなどの端末を参照する環境を推奨する。
やむを得ない場合は、当該回で使用する「テキスト」と「解説」ファイルを印刷して持参すること。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】