科目名 | 近代日本文学 | |
担当者 | 小仲 信孝 | |
開講期 | 2025年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業形態 | 対面(全回対面) | |
オンライン実施回 | — | |
全回対面 | ||
授業題目 | 女性の近代−家族・身体− | |
授業の到達目標 | 近代家族が成立した明治期以降、家族のあり方は時代によって大きく変貌を遂げてきた。その変化の影響をとりわけ強く受けてきたのは女性たちであり、生き方ばかりではなく身体にまでその影響が及んでいる。この授業では、女性の視点から家族の問題を描いた小説の分析を通して、女性の現在を解読できるようになることを目標とする。 | |
今年度の授業内容 | 家族、とりわけ妻、母の現在地を考察する。明治期の家族・女性のあり方と比較しつつ、現代女性作家たちが捉えている〈いま〉を生きる女性たちが向き合わなければならない問題について解読していく。 | |
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルで配信する授業資料を読み、疑問点を確認して問題意識を持っておく。講義終了後は、講義内容を参照しながら、理解が深まったか検証しておくこと。 | 1回平均約190分 |
自習に関する一般的な指示事項 | 講義で取り上げるテキストを事前に読んでおくこと。 | |
授業の特徴(アクティブラーニング) | 実施しない | |
第1回 | ガイダンス 授業の運営方法、取り上げる作品の紹介を行います。 |
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第2回 | 徳冨蘆花「不如帰」(1)−作品紹介− 人物紹介を軸に作品の展開を紹介します。 |
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第3回 | 徳冨蘆花「不如帰」(2)−近代家族制度と女性− 主人公の悲劇の根源となった近代家族制度について解説します。 |
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第4回 | 森鴎外「半日」(1)−作品紹介− モデルとなった森鴎外の家族に触れながら作品の概要を紹介します。 |
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第5回 | 森鴎外「半日」(2)−新しい女の誕生− 主人公の女性の生き方が〈新しい女〉の誕生を背景にしていたことを解説します。 |
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第6回 | 江國香織「きらきらひかる」(1)−作品紹介− 制度の枠に縛られたくない主人公たちの生きづらさについて確認します。 |
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第7回 | 江國香織「きらきらひかる」(2)−夫婦って? 家族って?− 夫婦という制度、家族という制度について検証します。 |
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第8回 | 山本文緒「眠れるラプンツェル」(1)−作品紹介− 専業主婦の主人公をめぐる恋の行方を紹介します。 |
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第9回 | 山本文緒「眠れるラプンツェル」(2)−専業主婦の恋− 作品に込められた作者のメッセージを読み解きます。 |
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第10回 | 角田光代「八日目の蝉」(1)−作品紹介− 犯罪被害者となった女性の人生の足跡を紹介します。 |
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第11回 | 角田光代「八日目の蝉」(2)−母性という制度− 母性とは何か。女性に対する母性の抑圧について考えます。 |
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第12回 | 村田沙耶香「消滅世界」(1)−作品紹介− 衝撃的設定による未来予測小説の内容を紹介します。 |
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第13回 | 村田沙耶香「消滅世界」(2)−家族のディストピア− 作品解読を踏まえて家族の未来を検証します。 |
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第14回 | 取り上げた作品から読み取れる家族の現在地について確認します。 | |
授業の運営方法 | 講義形式で行います。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 授業終了後、全体的な講評をポータルで配信します。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 90% | 期末レポート |
授業参加 | 0% | 実施しない |
その他 | 10% | 積極的・協力的な授業態度 |
評価内容(評価方法、評価基準4) | 積極的・協力的な授業態度 |
テキスト | テキストはプリントで配布する。なお、「半日」以外の作品は文庫本で購入可能(参考文献を参照) |
参考文献 | 徳富蘆花「不如帰」(岩波文庫)、江國香織「きらきらひかる」(新潮文庫)、 山本文緒「眠れるラプンツェル」(角川文庫)、角田光代「八日目の蝉」(中公文庫)、 村田沙耶香「消滅世界」(河出文庫) |
その他、履修生への注意事項 | ポータルで配信した授業資料についてプリントアウトしたものを持参するか、各自のパソコンで参照してください。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |