科目名 | 人文学研究入門B | |
担当者 | 加美 甲多 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 2年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | くずし字から学ぶ中世文学 | |
授業の達成目標 | 古典文学が変体仮名(くずし字)で書かれていることを認識できるようになる。変体仮名の基本を理解し、少しずつでも変体仮名が読めるようになる。中世日本文学に興味を持てるようになる。 | |
今年度の授業内容 | 古典作品の多くはもともと変体仮名で書かれている。私たちが現在、読んでいる古典文学の本文の多くは変体仮名で書かれた作品を先人たちが翻刻したものである。従って真の意味で古典文学を理解するためには変体仮名を自ら読むことから始まるのである。もちろん、変体仮名を読むためにはいくつものスキルやコツが必要であり、この授業では段階を経ながら変体仮名を読むことで古典文学を理解する。同時に変体仮名を手掛かりとして中世文学の文学的な特質についても考察する。各自がそれぞれの感性で中世文学に触れ、新たな発見をすることもこの授業のテーマである。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルに掲示する各回の資料に目を通し、気になったことや疑問に思ったことを整理しておくこと。講義終了後は、配信資料などを見直して授業内容の理解に努めること。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 変体仮名を楽しみながら学習するためには一定の予習復習が不可欠なので、主体的、意欲的にそれらを行うこと。 | |
第1回 | ガイダンス、授業の流れ | |
第2回 | 古典文学とは(写本、版本)/中世文学とは(1) | |
第3回 | 変体仮名とは/中世文学とは(2) | |
第4回 | 変体仮名の基本(1)/日本人の地獄観 | |
第5回 | 変体仮名の基本(2)/辞典・辞書に親しむ | |
第6回 | 様々な変体仮名に触れてみる(1)/説話集の面白さ | |
第7回 | 様々な変体仮名に触れてみる(2)/『平家物語』 | |
第8回 | 様々な変体仮名に触れてみる(3)/『徒然草』 | |
第9回 | 様々な変体仮名に触れてみる(4)/中世文学を楽しむという視点 | |
第10回 | 変体仮名で文学を読む(1)/『宇治拾遺物語』 | |
第11回 | 変体仮名で文学を読む(2)/中世文学の再生産 | |
第12回 | 変体仮名で文学を読む(3)/『方丈記』 | |
第13回 | 変体仮名で文学を読む(4)/『建礼門院右京大夫集』/言葉遊び | |
第14回 | まとめ 変体仮名や説話の可能性 | |
授業の運営方法 | 変体仮名の基本について学習し、全員で共有しながら作品の翻刻等を行い、解釈する。また、中世文学の文学的な特質について全員で共有した上で個々で自由に考察する。なお、毎回の授業の最後に少し時間を取り、コメント用紙(紙媒体)に意見や考え等を記入の上、提出してもらう。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 各回のコメント用紙について、次回の講義の冒頭で紹介し(無記名)、解説、コメントする。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 0% | 実施しない |
授業参加 | 70% | 授業や作業への積極的な参加(コメント用紙への記入内容を含む) |
その他 | 30% | 小テスト(2回の予定) |
テキスト | 伊地知鐵男編『増補改訂仮名変体集』(新典社、1966年)及び資料配布 |
参考文献 | 笠間影印叢刊刊行会編『字典かな新装版 写本をよむ楽しみ』(笠間書院、2003年) 小島孝之『古筆切で読むくずし字練習帳』(新典社、2006年) 田代圭一、山中悠希、和田琢磨編『変体がなで読む日本の古典』(新典社、2016年) 人間文化研究機構国文学研究資料館所蔵編集『嵯峨本方丈記』(勉誠出版、2016年) |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |