科目名 | 比較文化概論 | |
担当者 | 森 まり子 | |
開講期 | 2023年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | ヨーロッパから見たイスラーム世界、イスラーム世界から見たヨーロッパ | |
授業の達成目標 | 今で言うところの「ヨーロッパ」のキリスト教徒がイスラーム世界という他者をどの様に捉え、それをもとにいかに自己認識を形成していったのかを探る事によって、当時の状況を異文化同士の接触や比較という視点で再現する想像力を養い、それを通じて今日のヨーロッパの成り立ちやイスラーム世界との関係についての奥行きある視野を養う。ひいては、この様なテーマを例として学ぶ事を通じて、「異なる文化や社会を比較するとはどういう事か」「その様な比較によって何を得られるか」「しかし比較による異文化理解には限界もあるのか」「理解すれば紛争は本当になくなるのか」といった奥深い問題を、新鮮な視野で考えられる様になる事が、この授業における受講生の達成目標である。 | |
今年度の授業内容 | 中世・近世・近代のヨーロッパとイスラーム世界の接触体験として、十字軍、コーヒーや砂糖など文物の伝播、「アラビアのロレンス」などを取り上げ、ヨーロッパはイスラーム世界をどう見たか、またイスラーム世界はヨーロッパをどう見たかという相互認識を探る。具体的には例えば、十字軍時代のイスラームの英雄であるサラディン(サラーフ・アッディーン)が十字軍にいかに対応したのか、16~19世紀のヨーロッパ人はオスマン帝国の首都イスタンブールのカフェをどの様に見たか、また「アラビアのロレンス」ことT.E.ロレンスはオスマン帝国やアラブをどう見たか、逆にアラブから見た「アラビアのロレンス」はどの様な存在か、などを扱っていく(「アラビアのロレンス」については映画も映像史料として用いる予定である)。 | |
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にテキストの指定箇所(ポータルで連絡する事もある)を通読し、事前に配布する講義資料(ポータル等で事前に配布)を印刷するなどして一通り目を通し、不明な言葉(歴史用語など)や出来事があれば辞典などで調べておくと理解が深まります。事後には、200字程度以上の感想を提出して頂きますので、それを書く過程で授業を振り返って疑問点や問題意識を高め、ご自身の基本的知識の不足を感じる箇所はそのままにせず、テキスト指定の地図帳やお手持ちの高校世界史教科書で補う努力をして下さい。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 世界史的背景は授業でも説明しますが、高校の世界史の知識はある程度前提とするので、必要な場合は高校世界史教科書(山川出版社『詳説世界史B』をお勧めします)で基本事項は確認する様にして下さい。シラバスの参考文献欄に挙げてある本、また授業中に紹介する本は、授業内容と直接連動しますので、授業の理解を深めるために積極的に読んでおく様にして下さい。 | |
第1回 | イントロダクション | |
第2回 | 十字軍とイスラーム世界(十字軍の従来のイメージ) | |
第3回 | 十字軍とイスラーム世界(当時のイスラーム世界) | |
第4回 | 十字軍とイスラーム世界(アラブから見た十字軍) | |
第5回 | 十字軍とイスラーム世界(サラディン) | |
第6回 | 十字軍とイスラーム世界(十字軍が現代に及ぼした影響) | |
第7回 | 平和時におけるヨーロッパとイスラーム世界の文化交流(文物の交流) | |
第8回 | 平和時におけるヨーロッパとイスラーム世界の文化交流(現代に及ぼした影響) | |
第9回 | 「アラビアのロレンス」と砂漠の反乱ーー時代背景の説明ーー(新聞記事) | |
第10回 | 「アラビアのロレンス」と砂漠の反乱ーー時代背景の説明ーー(歴史的説明) | |
第11回 | 映像史料「アラビアのロレンス」の視聴と、ロレンスの描かれ方の検討(前半について) | |
第12回 | 映像史料「アラビアのロレンス」の視聴と、ロレンスの描かれ方の検討(後半について) | |
第13回 | ロレンスはアラブをどの様に見ていたかーー自伝『知恵の七柱』から探るーー | |
第14回 | アラブはロレンスをどの様に見ていたか | |
第15回 | 総括 | |
授業の運営方法 | 遠隔授業の実施については、Teamsによるリアルタイム授業を基本とします(チームコードは事前にポータル通知し、授業開始前に全員にご登録頂きます)。具体的な内容は「履修生への注意事項」を参照して下さい。 | |
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 毎回の授業冒頭に、前回の感想に書かれた質問に答えたり、どのような感想が多かったかなどを紹介します。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 50% | 期末レポートの内容によって評価する(具体的には授業中に説明) |
授業参加 | 50% | 毎回の授業の感想(提出率・内容によって総合的に評価) |
その他 | 0% |
テキスト | 新座生協に入荷をお願いする予定。 ●ジョルジュ・タート著、南条・松田訳『十字軍ーーヨーロッパとイスラム 対立の原点ーー』(「知の再発見」双書30)、創元社、1993年 ●日下部公昭ほか著『第4版 詳説世界史図録』山川出版社、2021年 |
参考文献 | ✱アミン・マアルーフ著、牟田口義郎訳『アラブが見た十字軍』ちくま学芸文庫、2001年 ✱ラルフ・ハトックス著、斎藤・田村訳『コーヒーとコーヒーハウスーー中世中東における社交飲料の起源ーー』同文館出版、1993年 ✱中野好夫著『アラビアのロレンス』岩波新書、1940年 ✱スレイマン・ムーサ著、牟田口義郎・定森大治訳『アラブが見たアラビアのロレンス』中公文庫、2002年 ✱T.E.ロレンス著、田隅恒生訳『完全版 知恵の七柱』全5巻、平凡社(東洋文庫)、2009年 (映画『アラビアのロレンス』は同書を一つの参考として制作。授業でも同書の一部を紹介する。) |
その他、履修生への注意事項 | <遠隔授業の実施方法> 遠隔授業についてはTeamsを使用し、リアルタイムで行います。初回授業の前に履修生宛てにTeamsのコードを伝えますので、初回授業前に全員登録し、遠隔授業に当たる日はそれにアクセスして、私が立ち上げる「会議」に参加して下さい。 <遠隔授業時における出席の取り方>遠隔授業をリアルタイム配信するする際は、授業内で出欠の確認を行います。 <授業一般の方法> ●授業資料は事前にポータル配布しますので、事前に印刷するなどして各自持参して下さい。感染防止のため、教室では紙媒体では配布いたしませんのでご注意下さい。また授業資料はTeamsファイルにもアップしておきますので、紛失の心配なく、いつでも保管されています。従って教室に来て受講する場合は、ご自分のPCを持参してTeamsファイルにアップされている資料をデジタルで見る事も(インターネットアクセスが問題ない教室であれば)可能です。しかし心配な方は、授業資料を予め印刷して教室に持参することをお勧めします。 ●授業後の感想は、毎回配布する所定の用紙にワードで入力し、ポータル課題提出機能で提出して頂きます。ポータル課題機能設定は、授業終了後に行います(当日の深夜になる事もあります)。設定されたら提出できます。授業後2~3日の期限で設定されますので、期限内にご提出下さい。 ●授業スケジュールは授業の実際の状況や進捗に応じて、削減したり一部内容を変えたり、順番を変えたりすることがあります。 <成績評価に関する注意点> ●毎回提出する授業の感想が50%と高い評価割合を占めているため、全く未提出の場合、期末レポートの状況によっては単位取得が難しくなるので、留意して毎回提出して頂くことが重要です。 ●他方、毎回感想を提出していても、期末レポート未提出の場合は自動的にE評価となる(単位が取得できない)事に注意して下さい。つまり期末レポート未提出の場合は、普段きちんと感想を提出していても再評価対象とならずに自動的にEとなるため、充分注意して下さい。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |