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科目名哲学概論
担当者神山 伸弘
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目哲学の基本課題
授業の達成目標哲学とはなんでしょうか? 哲学は、常にこの問いに取り憑かれています。この講義では、哲学としての基本課題を明らかにするために、哲学に固有の思考対象、思考方法の吟味を行うことを目標とします。この際、哲学の歴史において重要な問題として取り上げられた事項についても、関連して説明します。
このことにより、学生は、説明する悟性が批判されるべきことを説明することができ、理性の限界の指摘が克服されることを指摘することができ、哲学を実施することができるようになります。
今年度の授業内容一般的な学問ないし科学は、近代では、哲学の一分野として考えられていません。したがって、逆に、哲学は、そうした学問ないし科学の残余部分として、あるいは知性の余技として取り扱われる傾向があります。これに対して哲学が逆上して哲学的ジャーゴンの遊戯に堕するならば、その運命は、見世物小屋で好事家に撫でられるか、あるいは知性の粗大ゴミと化するかでしかありません。本講義では、このことに抵抗して、おおよそ人間の理論的および実践的活動のすべてにわたり哲学的問題が横たわることを指摘し、人間における哲学の必要性を検討します。これは、人文学科開設の本科目のとしての本懐です。けだし、人文主義の精神は「哲学のないものは人間ではない」という認識によって立つことに思いを致すからです。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について読書と思索が求められます。
予習として、最低限、課題図書を読み、そこで書かれていることを熟読・熟慮してください。(各回2時間(90分)超)その成果は、レポートとして提出します。
復習として、最低限、講義ノートを整理し、各回に教師に提出します。(各回2時間(90分)超)
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項最低限、参考文献で挙げたものを――よく分からなくとも――玩味しながら読みきってください。そこで挙げたものは、人文学科の学生であれば、読んでいなければ常識が欠けているとみなされても仕方のない、きわめて基本的で重要な――そしてさほど長くもない――書物です。
第1回講義説明
序 哲学の「始まり」と存立地盤について
(1)他の学問分野との差異(その1)
第2回
(1)他の学問分野との差異(その2)
第3回
(2)哲学の人間論的基盤——人間観と人間の自然的基盤(その1)
第4回
(2)哲学の人間論的基盤——人間観と人間の自然的基盤(その2)
第5回
1.理論的なもの——確信と真理について
     (1)感性(その1)
第6回
(1)感性(その2)
(2)悟性——法則化とその限界(その1)
第7回
(2)悟性——法則化とその限界(その2)
第8回
(3)自己意識——なぜ主奴関係を論ずるのか(その1)
第9回
(3)自己意識——なぜ主奴関係を論ずるのか(その2)
第10回
(3)自己意識——なぜ主奴関係を論ずるのか(その3)
第11回
(4)自由と理性(その1)
2.実践的なもの——正しさと善について
第12回
(1)正しさ(権利)について
第13回
(2)善さについて
第14回
(3)人道的なものについて――正しさと善さの統一
授業の運営方法講述します。
ノートをとってください。ノートの提出を求めます。
ここに掲げる以外の参考書は、多岐に及ぶので、テーマごとに授業中に指示します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法小論文・レポートに対しては、論旨の基調について、コメントして返却します。
講義ノートに対しては、冒頭数回においてその取り方の改善点を指導します。Teamsを利用。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 40% プラトン『ソクラテスの弁明』、ルネ・デカルト『省察』についてのレポートを課します。
授業参加 60% 講義ノート(自筆)のコピーの提出を求めます(各回)。3分の2以上の出席がない場合、E評価とします。
テキスト 用いません。撰文を適宜配布します。
参考文献 プラトン『ソクラテスの弁明』。(諸訳あるが、納富信留訳を推奨する。)
ルネ・デカルト『省察』。(諸訳あるが、山田弘明訳を推奨する。)
その他、履修生への注意事項 授業を聴取しノートする能力が要求されます。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】