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科目名東洋史概説
担当者小川 忠
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目東洋史概説:アジアの立場から見た東洋史 ハンムラビ法典からK-POPまで

授業の達成目標 この「東洋史概説」では、中国を中心とする東アジアから西アジア(中東)までを含むユーラシア大陸のアジア全般の歴史を扱います。古代メソポタミア文明から、現在隆盛を誇る韓国ポップカルチャーまで含む、広大で多様なアジアの歴史が対象となります。

  世界経済の主軸が近代以来長く続いてきた欧米から、アジアを中心とする新興国へ移行する、という世界史的潮流が加速するなか、21世紀は「アジアの世紀」と言われています。しかし中学・高校で学ぶ世界史は西洋史中心であるとともに、東洋に関する記述は西洋的な視点から描かれたものが多く、日本の東洋史理解は、先入観・固定観念や断片的知識に左右されているのが現実です。
   本授業は、西洋の視点からではなく東洋自体の視点から、東アジア、東南アジア、南アジア、西アジア各地域の歴史とその背景を学びます。また、政治、経済のみならず、文明・文化の基盤となる宗教に着目しつつ、アジア各地域の文化の発展、文化交流について学ぶことを通じて、以下を目標とします。
・アジア各地域の社会・宗教・文化がいかに形成されてきたか説明できるようになる。
・アジア各地域と他地域との関わりがいかに形成されてきたか説明できるようになる。

今年度の授業内容グローバル・ヒストリーの一部として「東洋」を広義で捉え、「東アジア」「東南アジア」「南アジア」「西アジア」地域を対象とします。それぞれの地域の変遷をタテ軸に、地域を越えたヒト・モノ・情報の流れをヨコ軸にして、東洋の歴史を多角的に概観します。
 各地域の歴史は、「古代から近世の歴史」「近代の開始から第二次世界大戦までの近代史」「第二次世界大戦後から現在までの現代史」の三つに区切ります。
 21世紀が「アジアの世紀」と言われる今、文明の基層を為す宗教の社会的機能に着目しつつ、いかにして現在のアジア世界が形成されているか、を考察します。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出する各回の講義資料をよみ、重要と思われる点、新たな学びだと思う点をメモしておいてください。(1時間)
また授業終了後、講義資料を読み直し理解を深めるようにしてください。(1時間)
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項講師作成の授業資料を講義の5日前までにポータルサイトに掲載するので、各自予習してください。また日ごろから新聞の国際面記事、特にアジア関連記事に関心をもつよう心がけてください。
第1回ガイダンス
第2回近代前の西アジア
第3回西アジア近代史
第4回西アジア現代史
第5回近代前の南アジア、東南アジア
第6回南アジア近代史
第7回南アジア現代史
第8回近代前の東アジア
第9回東アジア近代史
第10回東アジア現代史
第11回東南アジア近代史
第12回東南アジア現代史
第13回文化の視点から近現代アジアを考える:近現代のアジア美術・K-POPの台頭・宗教復興
第14回まとめ
授業の運営方法講師作成資料を解説しながら、討議を交えて授業を進めます。可能な限り映画や音楽の映像資料を紹介して、理解の一助とします。
各回の授業終了後に課題として、ポータルを通じて、その授業で学んだこと等のリアクション・ペーパー提出を求めます。各学生のリアクションペーパーを匿名形式でまとめ、次回授業時に授業資料として掲示し、他の学生の学習から学べるようにします。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法各回の授業終了後に課題として、ポータルを通じて、その授業で学んだこと等のリアクション・ペーパー提出を求めます。提出された学生リアクションに対して、各学生にポータルを通じて講師のコメントをフィードバックします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 30% 小論文を最終講義までに提出
授業参加 70% 毎回の討議への参加、課題へのリアクション・ペーパーの記述ぶり
テキスト ポータルサイトに掲示する講師作成資料
参考文献 小川忠『自分探しするアジアの国々 揺らぐ国民意識をネット動画から見る』明石書店、2021年 ISBN978-4-7503-5174-2
その他は授業のなかで示します。
その他、履修生への注意事項 授業資料の最後に、学生への課題を示すとともに、同じ内容を「ポータルサイト:課題管理」に掲示します。ポータルサイトを通じて、毎回課題を提出するようにしてください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
実務経験の概要 1982年から2017年まで国際交流基金職員として、文化外交、国際文化交流事業を企画立案しました。その間、インド、インドネシアに駐在するとともに、米国にも頻繁に出張しました。
実務経験と授業科目との関連性 国際交流基金においてアジア諸国との文化外交、国際文化交流を実践した経験に基づき、授業内容、授業スケジュールを策定しています