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科目名日本史概説A
担当者長谷川 裕子
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目人物から読み解く日本前近代史
授業の達成目標教科書を含めたあらゆる歴史叙述はあくまでも一つの仮説であり、「歴史をみる眼」によって多様な歴史像を描くことが可能です。歴史学は単なる暗記の学問ではなく、現代社会を理解するための学問であるという認識をもって歴史を捉えるための方法を学びます。また、前近代社会のなかに近代社会が萌芽していることを理解し、特に近代・現代に繋がる前近代の歴史の転換に人びとがどのように関わってきたのか、あるいは自然環境や歴史的な社会状況がいかに影響を与えてきたのかを探りながら、前近代社会の特質を様々な角度から考え、説明できるようになることを目標とします。
今年度の授業内容前近代社会には、現代社会とは異なる独自の思考や合理性が存在しています。しかしその一方で、現代社会に繋がる仕組みや体制が作られていきますが、その大きな転換点は14〜15世紀にあったといわれています。自然環境の影響や度重なる戦乱によって、現代よりもはるかに生存することが難しかった前近代社会において、人びとが生き残るために作り出した共同体およびその主体的な行動が、権力を動かして原始・古代的な社会を変質させ、伝統的日本社会を形作ってきた過程を、その時代を代表する人物を取り上げながら見通していきます。また、過去の人びとが「生存」するために生み出した様々な文化的な営為に学ぶことで、現代社会が抱える諸問題を解決するための広い視野を獲得することを目指します。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業日の1週間前に配布する授業レジュメをあらかじめ一読し、分からない歴史用語などを調べておいて下さい。また、授業を受けて分からなかったこと、質問をリアクションペーパーに記入した上で、それについて自分なりに考えておいて下さい。また、あらかじめ『日本史年表』(岩波書店)等で近代以前の歴史の大まかな流れを確認しておいて下さい。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項歴史用語については、『国史大辞典』(吉川弘文館)や『日本国語大辞典』(小学館)で事前に調べておいて下さい。
第1回ガイダンス―日本史の時代区分と歴史をみる眼―
第2回天武天皇―朝鮮半島様式から中国方式へ―
第3回藤原道長―災害の頻発と「王朝国家」の展開―
第4回平将門―軍事貴族としての「武士」の」誕生―
第5回後白河法皇―治承・寿永内乱の展開とその実像―
第6回北条泰時―武家の法と飢饉への対応―
第7回北条時宗―モンゴル戦争と「徳政」と悪党―
第8回後醍醐天皇―「異形の王権」としての天皇の姿―
第9回足利義政―応仁・文明の乱から群雄割拠の戦国の世へ―
第10回北条氏康―戦国大名の領国支配体制―
第11回豊臣秀吉―「惣無事」の実現と三国国割構想―
第12回徳川家光―寛永の飢饉の衝撃と初期幕藩政改革―
第13回徳川綱吉―「いのち」へのまなざしの変化―
第14回松平定信―人びとの「生存」のための社会政策―
授業の運営方法講義形式の授業を中心とします。適宜、授業冒頭ではリアクションペーパーに対する質疑応答を行い、授業内容によっては、史料購読やデスカッションを実施します。
遠隔授業を実施する場合は、授業資料をポータルに掲示し、Teamsを利用します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法リアクションペーパーや小テストについての解説を授業内に実施します。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しません。
小論文・レポート 50% 学期中に実施する論述式のレポートによって授業内容の理解度を評価します。
授業参加 30% リアクションペーパーの提出と、積極的・協力的な授業態度によって評価します。
その他 20% 学期中に2回実施する小テストによって授業内容の理解度を評価します。
テキスト 授業レジュメを配布します。
参考文献 授業の中で紹介します。
その他、履修生への注意事項 授業で使用する資料は、対面授業の場合は授業日に配布し、遠隔授業の場合はポータルに掲示します。
対面授業日は、授業終了時にリアクションペーパーの提出をもって出席とし、遠隔授業日は、授業終了後にポータルのアンケートからリアクションペーパーの提出をもって出席とします。
遠隔授業はリアルタイム型で実施する場合はTeamsを使用します。オンデマンド型で実施する場合は、授業開始時間に授業動画へのリンクをポータルに提示します。
遠隔授業日のTeamsに参加するためのコードは、初回授業の前にポータルを通じて提示します。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】