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科目名物語論
担当者稲垣 智花
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目「物語」の諸相をさぐる
授業の達成目標「物語」の発生と展開を知り、その特色について、関連する諸事情にも広く目を向けて考えられるようにする。
「物語」はどのようにして生みだされたか、文学におけるひとつのジャンルとしてどのように生成されていったか、説明できるようにする。
それぞれの時代にさまざまな作品がつくりだされた事情について知り、その研究方法についても説明できるようにする。
今年度の授業内容はじめに、「物語」とは何かを知り、口承文芸から文学への発展の道筋をたどる。
つぎに、古典文学のなかでもとくに平安時代における「物語」の系譜を把握し、個々の作品の特質についての理解を深める。
さらに、「物語」はどのように「享受」されていったか、「享受」のさまざまな実態について学び、その影響について、現代も射程にいれて考える。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前に教科書、補足資料に子細に目を通し、意味のわからない語や事項は古語辞典や百科事典等を使って調べ、本文全体の内容を把握しておく。
作者や時代背景など、関連する項目についても同様に調べておく。
授業後は学習した内容を振り返り、学んだテーマについて自分なりに発展的に考察し、理解を深める。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項興味をもった作品は、現代語訳でもよいので、なるべく通読すること。
第1回「物語」とは何か 口承文芸から文学へ
『竹取物語』1 「物語」のいできはじめの祖(教科書第五講)
第2回『竹取物語』2 「物語」のなかのさまざまな話型(教科書第五講)
第3回『伊勢物語』1 和歌と「物語」の関係(教科書第十一講)
第4回『伊勢物語』2 在原業平をめぐる「物語」(教科書第十一講)
第5回『うつほ物語』1 「物語」の長編化(教科書第四講)
第6回『うつほ物語』2 「物語」と貴族社会(教科書第四講)
第7回『落窪物語』 王朝のシンデレラ「物語」
第8回『源氏物語』1 平安朝「物語」の分水嶺(教科書第九講)
第9回『源氏物語』2 光源氏の「物語」(教科書第六講)
第10回『源氏物語』3 光源氏後の「物語」(教科書第六講)
第11回『浜松中納言物語』1 「物語」作者は誰か(教科書第十二講)
第12回『浜松中納言物語』2 「物語」における形代と転生(教科書第十三講)
第13回「物語」の享受1 「物語」を絵画化する:源氏物語絵巻
第14回「物語」の享受2 「物語」の補作を書く:『山路の露』『雲隠十帖』 
授業の運営方法基本は対面講義形式であるが、つねに問題意識をもって授業に臨み、課題はきちんと提出すること。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法ポータルを通じて課題を返却し、個別にコメントする。
また、全体的な講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 80% 期末レポートの授業目標達成度が一定程度ならC、十分ならB、優れていればA、特に優れていればSと評価する。
授業参加 20% 課題の提出率により、授業への参加度を評価する。
その他 0% 実施しない
テキスト 『平安文学十五講』井上眞弓・鈴木泰恵・深沢徹編 翰林書房 ISBN978-4-87737-329-0 1078円

このほか、補足プリントを配布する。
参考文献 関連する文献については、随時紹介する。
角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックスは、『竹取物語』『伊勢物語』『うつほ物語』について簡便に知ることができる。
本文を通読する場合は、新編日本古典文学全集(小学館)が便利である。
その他、履修生への注意事項 教科書のほかに補足資料プリントを配布しますが、あらかじめポータルから自分でダウンロード(プリントアウト)しておいてください。
授業時に教室に持参したPCで閲覧するのでもかまいません。
原則として、教室内では資料は配布しません。
期末レポートはポータルを通じての提出になります。

 
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】