科目名 | 図書・図書館史 | |
担当者 | 水谷 長志 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 知識のあり様とあり処の過去・現在・未来 | |
授業の達成目標 | (1)歴史の中で知識のあり様とあり処がどのように変遷したかのアウトラインを学び、(2)現代の図書館と図書館人もまた歴史的産物であることを理解する。あわせて、(3)図書館とならんで知識の保存・伝達に寄与してきた機能であるミュージアム、アーカイブについて、その現状と課題についての理解を深め、MLAの三者においての差異と同質、および連携の今日課題と意義について、自からの言葉で表現できるようになることを目的とする。 | |
今年度の授業内容 | 人類の知識のあり様とあり処が、古代から始まり中世〜近代を経て現在に至るまでどのような変遷をたどったかを、特にそこに関わった先人の叡智、工夫、挑戦に注目し、専門職能人としての図書館員の形成を史的に踏まえ、図書館員であることの今日的課題を考える。あわせて、図書館を越えて、知識保存・伝達の機能を果たしてきたミュージアム、アーカイブについても知見を及ぼし、インターネットにおいて進行する三者連携の動きを紹介して、文化の史的遺産であり未来への情報資源の継承について考察する。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルの「授業資料」にアップロードしているPPTスライド、および必要に応じて追加する参考資料を必ず自己PC等の記憶媒体にダウンロードし、スライドについては記載内容を閲読し、参考資料は資料題目及び筆者・掲載媒体・刊行年について把握しておくこと。授業終了後は、それらを再利用可能できるようファイリングを細心につとめること。 |
合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 自らの読書、学習からこれまでどのように図書と図書館との関係を持ってきたかを振り返り、その体験を歴史的背景に照らし合わせることを試み、さらに、本講義を踏まえ、自らが望む理想の図書館のイメージを構築すること。可能な限り多くの図書館と美術館・博物館への訪問も受講の前提とする。 | |
第1回 | イントロダクション−文化の「継承」について | |
第2回 | 知識と情報の始まり−学術情報の流通モデルまで | |
第3回 | 文字の始まり、古代の図書館そしてアレクサンドリアの図書館へ | |
第4回 | 西欧中世修道院の図書館と大学の誕生 | |
第5回 | グーテンベルクがもたらしたもの | |
第6回 | 近代化する西洋の図書館と図書館人の試み[1]−コンラート・ゲスナー『世界書誌』の夢 | |
第7回 | 近代化する西洋の図書館と図書館人の試み[2]−アントニオ・パニツィと大英博物館円形閲覧室 | |
第8回 | 近代化する西洋の図書館と図書館人の試み[3]−王の図書館から国と国民の図書館へ | |
第9回 | アメリカの図書館と図書館人の試み−M. デューイとA. カーネギー | |
第10回 | ドキュメンテーション活動から情報と図書館の国際協力へ−P. オトレとH. ラ・フォンテーヌの夢 | |
第11回 | 日本の近代の図書館の展開と限界 | |
第12回 | 日本の戦後の図書館の展開と課題 | |
第13回 | 「館」の壁を越えて[1]−MLAという枠組み(Museum, Library, Archives) | |
第14回 | 「館」の壁を越えて[2]−インターネットとデジタルアーカイブは何をもたらし、何を変えるのか | |
授業の運営方法 | 参考文献の筆頭に挙げた文献をベースにしながら、配布資料とPowerPointのスライドを素材に解説し、イメージの視覚認識から内容の理解を促すことにつとめる。 なお、各種Webサイトへの参照・検索およびGoogle-Formsの作業を行う予定なので、各人私有のノートPCの持参を必須とします。 ほかは、下記の「その他、受講生への注意事項」をよく読んでおくように。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | ほぼ毎時の講義において出題されるRP程度のミニマムな課題(Google-Formsを用いる予定)およびレポート類の回収後、特徴的な意見、質問あるいは看過しがたい誤解誤謬のある場合は、時々の必要に応じて解説を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施せず、代替にメインレポート(1~2種)を課す【重要】この提出をもって単位認定の前提とする |
小論文・レポート | 80% | ミニ課題:レポート未満かつRP以上となるミニ課題を学期中に複数回課し学習の到達度の指標とする |
授業参加 | 20% | 対面・遠隔の両講義においてRP程度の簡易な作業を毎回課す【重要】この提出をもって授業参加とする |
その他 | 0% | ※下記の「その他、履修生への注意事項」をあらためて確認のこと。 |
テキスト | テキストは採用指定しませんが、参考文献の筆頭に挙げた文献に概ね準拠します。 ※主たる授業資料は講義でプロジェクトするPPTのスライドとなり、基本、このスライおよびその他の資料をPortalからPDFにて配布します。紙でのプリントアウトの配布はいたしません。必要と思う場合は、各人で自前のプリントを用意してください。 |
参考文献 | 図書館文化史(図書館情報学の基礎11)/水谷長志/勉誠出版/2018年/1,200円+税 図書・図書館史(現代図書館情報学シリーズ11)/佃一可/樹村房/2012年/2,000円+税 書物の秩序(ちくま学芸文庫)/Rシャルチエ/筑摩書房/1996年/854円+税 図書館建築の図像学(INAX ALBUM 22)/桂英史/INAX/1994年/900円+税 |
その他、履修生への注意事項 | ・教室での対面授業。 ・講師の講義への集中力を著しく低下させることがあるため、講義においては私語は深く慎むように。 ・出欠確認は、原則、Google-Formsを用いての作業の提出をもって行う予定。「成績評価の方法」とあわせて特によく確認して講義に臨んで下さい。 ・初回講義において、受講に関する必須情報を共有しますので、特に初回講義への出席をマストであると認識してください。 ・対面講義においては、各種Webサイトへの参照・検索およびGoogle-Formsの作業を行う予定なので、各人私有のノートPCの持参を必須とします。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】 カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】 |
実務経験の概要 | 専門図書館員:東京国立近代美術館アートライブラリ |
実務経験と授業科目との関連性 | 図書館、特に主題専門図書館員(アートライブラリアン)としての経験知を踏まえた講義を通して、広く図書館の今日的課題について習得する。 |