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科目名色彩象徴論
担当者田中 久美子
開講期2025年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業形態対面(全回対面)
オンライン実施回
全回対面
授業題目西洋文化圏における色彩の意味
授業の到達目標ひとつの色でも、時代、宗教、政治的文脈によって異なった意味を持つことがあり、特定の色がTPOによってはタブーとなる場合もある。芸術の世界では、色彩が再現的にではなく象徴的に用いられるケースが多々見られる。西洋の中世から近代の芸術作品に目を向け、そこに見られる色とその意味を考察することで色彩のいろいろな役割を理解することができるようになる。色彩にこめられた意味を知り、芸術作品をより深く理解し、芸術作品を読む楽しみを知り、より深い部分から享受することができるようになる。
今年度の授業内容はじめに色彩論の視点から、色彩の特徴、役割を理解したうえで、西洋中世から近代美術における色彩の役割や意味を、多様な角度から眺めてみる。取り上げるのは、紋章、宗教画など多様なジャンル、絵画ばかりか工芸品やステンドグラスなど多様な媒体におよび、また多様な時代の多様な地域の作品をテーマにとりあげる。色彩が造形作品や社会生活の中でどのような役割を演じているのかを考察し、多様な文化における色彩の受容のあり方を比較する。色彩について多角的な視野から眺めてみたい
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について○色彩理論の視点からの最初の3回の授業については、毎回トーナルカラーを用いての課題を提出する予定。
○講義では絵画など芸術作品を例として取り上げることが多いが、画家やそれが描かれた時代の美術一般については、美術全集を参照したり、美術書を読むことによって理解の基礎を固めておくことが望まれる。

1回平均約190分
自習に関する一般的な指示事項開催される展覧会を紹介するので、極力足を運び、情報収集すること。
取り上げる美術作品について、画集で確認し、美術史ではどのように語られ、どのような位置づけにあるのかなど学習をすること。
授業の特徴(アクティブラーニング)リアクションペーパー/レポート/体験学習・調査学習
第1回導入—多様な役割を演じる色彩 全授業を先取りして、取り上げる作品などを解説する。
色彩論の観点から見た色I 色相-色相環を実際に作成する。
第2回色彩論の観点から見た色II 明度、彩度
解説をおこなったのちに、明度、彩度を考慮して、効果の異なる二つの立方体を作成する。
第3回色彩論の観点から見た色III 色が及ぼす心理的作用
解説を行った後、ワークシートを配布。学生個人が持っている色彩の心理的側面を実感する。
第4回美術における色彩とその意味 さまざまな色彩の象徴的意味1
赤、黄色、白、緑を取り上げ、絵画作品を鑑賞しながら、それらに託されている象徴的意味を具体的に把握する。
第5回美術における色彩とその意味 さまざまな色彩の象徴的意味2
金、青、黒、縞を取り上げ、絵画作品を鑑賞しながら、それらに託されている象徴的意味を具体的に把握する。
第6回美術における色彩とその意味
ステンドグラスを取り上げる。ステンドグラスは、色についたガラスだが、ゴッシク美術の造形表現として極めて重要な役割を果たした。
その背景にある宗教的側面を考える。

第7回美術における色彩とその意味 
紋章を取り上げる。西洋世界では紋章は非常に重要な役割を果たした。紋章では色彩に関して厳格な規則がある。
紋章の成立過程、紋章の役割、紋章に用いられている色彩を考える。
第8回美術における色彩とその意味 
宗教画1-宗教画には様々な規則がある。誰でもが込められた意味を正確に理解することが必要だからである。色彩にもきまりごとがある。
    聖母子やキリスト像を中心に、色彩の観点から考えてみる。
第9回美術における色彩とその意味 宗教画2 カタコンベの時代から描かれてきた「最後の晩餐」を取り上げ、色彩という観点から、象徴的な意味を考える。
第10回美術における色彩とその意味 
神話画1 ブロンツィーノ作《愛のアレゴリー》を色彩の観点から読み解く。
第11回美術における色彩とその意味
神話画2 西洋美術館に所蔵された神話画をテーマに色彩という観点から読み解く。
第12回欧米社会に受け継がれた色彩の意味I 
印象派‐色彩理論という観点から印象派の特徴を読み解く。
第13回欧米社会に受け継がれた色彩の意味II 
近現代の絵画‐クレーなど豊かな色彩を用いた画家の作品を取り上げ、どのような意味を持っているのか、色彩の観点から絵画を読み解く。
第14回欧米社会に受け継がれた色彩の意味III 
近現代の絵画 美術館、展覧会で見られる近現代の絵画を取り上げ、色彩という観点から考えてみる。
授業の運営方法色彩論についてはトーナルカラーを用いて実践を行う。他は講義形式。プリント、パワーポイント、DVDなどを用いて、多くの事例を提示し、解説を行う。講義中に課題提出を求めることもある。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法授業内課題、小テストの実施後、講義において解説と講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 50% 試験もしくは最終レポートを課します。授業内容をどの程度理解しているかが評価のポイントです。
小論文・レポート 30% 不定期ですが、授業内容にかかわる課題やレポートを提出。授業内容の理解度が評価基準です。
授業参加 20% 質疑応答、授業内課題などが評価の対象です。
テキスト とくに使用しません。必要に応じてコピーを配布します。
参考文献 その都度指示します。
その他、履修生への注意事項 シラバスの内容は展覧会情報などを紹介することなどもあり、変更する場合もあります。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】
カリキュラムマップ【文学部 コミュニケーション文化学科】