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科目名総合科目(現代社会)
担当者川島 京子、木村 理子
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目「義経」に焦点を当て、ドラマや舞台・映画における「英雄」イメージ構築の多様性と時代背景を探る
授業の達成目標私たちが日頃直面するさまざまな問題事象は一つの問題に対して多種多様な要因が複雑かつ有機的に絡んでおり、極めて多面的な構造を呈したものがほとんどです。そのために、一つの問題を解決しようとする場合、ある一方からの視点だけではなかなか解決することができません。

このようなことは学問の研究の場合についても同様で、一つの問題提起に対して、一専門分野からの視点だけでは解決できない場合が多く、複数の学問分野の視点からアプローチすることによって初めて解決可能となる場合が多くなっています。

この総合科目では、専攻分野の異なる複数の担当者で一つのテーマを扱います。一つのテーマについて、それが多面的な構造であることを理解するとともに、その本質はいったい何なのか、総合的視野に立って分析・解決するとはどういうことか、どのような複数のアプローチが可能か、などということについて具体的に事例を挙げながら授業を進め、総合的な視野で考える力を身につけ、多面的に説明できることを目的とします。

1年次におけるプロゼミは学問研究への導入として、この総合科目は総合的・多面的な視野からものの本質を捉えるための具体的な学問研究の方法として、それぞれ位置付けられており、互いが有機的に機能するように配置されています。
今年度の授業内容過去幾度もブームになった「源平合戦」、そして、その中で「英雄」として注目される「義経」。
日本人の「義経」の英雄としてのイメージ構築に焦点を当て、考えてゆきます。

前半は、これまでの大河ドラマや舞台、アニメにおける「義経」の比較、それぞれの「義経」の特色を比較考察しながら、「義経」の「英雄」としてのイメージの多様性を認識し、それらが放映・上演された時代と「義経」の時代、それぞれの時代背景を踏まえ、多角的な視点から現代に蘇る「英雄」としての「義経」について捉え直します。

後半は、日本で流布した「義経伝説」に焦点を当て、演劇映画作品における「チンギスハーン」像を比較し、「義経伝説」が日本人の「チンギスハーン」像構築に与えた影響について考察しながら、現代における「義経」が意味するものとは何か、義経がいた時代とアジアとの関りに焦点当て、検討してゆきます。

以上の作業を通して鑑賞、表現、選択するときに役立つ知識と技術と感性を習得し、履修者各自の専門領域とどのように関連させていけるかについて考え、実践する力の習得を目指します。

前半は、川島が主担当となり、「義経」像についてみなさんと一緒に日本の映像や舞台作品から考えてゆきます。

後半は、木村が主担当となり、「義経伝説」に焦点を当て、「チンギスハーン」像の比較を通して、現代に蘇る「義経」についてみなさんと一緒に考えてゆきます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について余裕をもって課題の準備を行うこと。
前半授業では、毎回コメントを提出してもらいます(約15分)。
後半の授業でも、毎回コメントシートを提出してもらいます(約15分~)。授業で紹介する映画作品については鑑賞可能なものについては可能な限り鑑賞し、感想をコメントシートにできる限り含めてください。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項授業に関連する文献、情報の収集を積極的に行うこと。
第1回・イントロダクション
授業のガイダンス、授業の進め方、課題についての説明を行います。
第2回・古典文学に描かれる義経像『平家物語』『義経記』『吾妻鑑』から
・大河ドラマにみる義経像①『義経』(2005)
第3回・大河ドラマにみる義経像②『義経』(2005)
第4回・大河ドラマにみる義経像・・・『草燃ゆる』(1979)、『武蔵坊弁慶』(1986)、『鎌倉殿の13人』(2022)

第5回・古典芸能にみる義経像・・・歌舞伎『義経千本桜』(1747)、『勧進帳』(1840)、長唄『賤の小田巻』(1908)
・アニメに見る義経像・・・『平家物語』(2022)
第6回・今に伝わる義経伝説
・レポート(コメント)執筆
第7回後半の授業のガイダンス
授業の進め方などについての説明を行います。

モンゴル国におけるチンギスハーン崇拝と日本における「義経伝説」の流布について
「義経伝説」と黄禍論
歌謡曲における「チンギスハーン」像
ジンギスカン『Dschinghis Khan』(1979年/西ドイツ)ほか
第8回演劇における「義経伝説」と「チンギスハーン」像について
宝塚歌劇団『この恋は雲の涯まで』(1973年初演花組/1973年再演星組/1992年再演雪組)
第9回世界の映画における「チンギスハーン」像の特色について
日本映画
『成吉思汗』 (主演:戸上城太郎/1943)『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』(主演:反町隆史/2007/日モ合作)ほか
第10回世界の映画における「チンギスハーン」像の特色について
モンゴル映画(1)
『チンギス・ハーン』(主演:A.エンフタイワン/1992/モンゴル/日モ合作)
第11回世界の映画における「チンギスハーン」像の特色について
モンゴル映画(2)
『イフ・トゥリーン・ゴロムト』(主演:B.ジャルガルサイハン/2005/モンゴル)ほか
第12回世界の映画における「チンギスハーン」像の特色について
アメリカ映画
『征服者』(主演:ジョン・ウェイン/1956/アメリカ)
『ジンギスカン』(主演:オマー・シャリフ/1965/イギリス・西ドイツ・ユーゴスラビア・アメリカ合作)ほか
第13回世界の映画における「チンギスハーン」像の特色について
ロシア映画/ロシア人監督作品
『アジアの嵐』(主演:ワレリー・インキジノフ/1928/ソ連)
『MONGOL』(主演:浅野忠信/2007/セルゲイ・ボドロフ監督・脚本/カザフスタン・ロシア・ドイツ・モンゴル)
第14回期末レポート
授業の運営方法講義形式。具体的内容は、「その他、履修生への注意事項」を参照のこと。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法授業内、およびメール、ポータル。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 60% 期末レポートの提出
授業参加 40% コメントペーパーの提出
参考文献 後半の授業の参考文献については授業時にお知らせします。
その他、履修生への注意事項 評価については下記の通り。
<コメントペーパー(40%)>
1.前半川島担当分(20%)
2.後半木村担当分(20%)
<レポート(60%)>
期末レポートのみ

期末レポートの受験(あるいは提出)がなかった場合は単位をつけられませんので、ご注意ください。

授業で提示する資格資料や映像の一部に、裸体および、やや刺激的な表現を含むものがあります。紹介する場合はアナウンスしますが、あらかじめご理解ください。
シラバスに掲載の映画作品は、授業の進度や履修者の関心によって変更する場合があります。

リアクションペーパーの提出を以て出席とする。
詳細は初回の講義で説明いたします。


卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】
実務経験の概要