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科目名総合科目(地域社会)
担当者石崎 裕子、篠崎 健司
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目地域社会における市民の役割と期待
授業の達成目標私たちが日頃直面するさまざまな問題事象は、一つの問題に対して多種多様な要因が複雑かつ有機的に絡んでおり、極めて多面的な構造を呈したものがほとんどです。そのために、一つの問題を解決しようとする場合、ある一方からの視点だけではなかなか解決することができません。
 このようなことは学問の研究の場合についても同様で、一つの問題提起に対して、一専門分野からの視点だけでは解決できない場合が多く、複数の学問分野の視点からアプローチすることによって初めて解決可能となる場合が多くなっています。
  この総合科目では、専攻分野の異なる複数の担当者で一つのテーマを扱います。一つのテーマについて、それが多面的な構造であることを理解するとともに、その本質はいったい何なのか、総合的視野に立って分析・解決するとはどういうことか、どのような複数のアプローチが可能か、などということについて具体的に事例を挙げながら授業を進め、総合的な視野で考える力を身につけ、多面的に説明できることを目的とします。
 1年次におけるプロゼミは学問研究への導入として、この総合科目は総合的・多面的な視野からものの本質を捉えるための具体的な学問研究の方法として、それぞれ位置付けられており、互いが有機的に機能するように配置されています。
今年度の授業内容前半(第1回〜第7回)は篠﨑が担当し、地域社会の現状や抱える課題を見ながら、解決方策としてどのような関わり方が考えられるのかを各自が検討していきます。
このため授業ではテーマを設定し、具体的な事例等を通してみんなで考える講義とします。
後半(第8回〜第14回)は石崎が担当し、「女性と地域社会」をテーマに、地域における男女共同参画の推進について学びます。男女共同参画の視点から特に農山漁村における女性の参画や防災・災害復興における女性の参画に関する現状と課題を把握し、課題の解決に向けて、どのような方策が求められているのか、地域の担い手である市民としてどのような役割が期待されているのか考えます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について前半(第1回~第7回、篠﨑担当)に関しては、事前にポータルの授業資料に掲示する資料について熟読し、自分なりの意見や疑問点を整理しておいて下さい。また授業後は自分とは異なる意見や考え方に足して、あらたんて自分なりの意見を整理し、理解を深めておいて下さい。
後半(第8回~第14回、石崎担当)に関しては、各回の授業で扱うテーマについて、あらかじめ示す参考文献から予習し、ノートにまとめておくこと。講義終了後は、授業資料や配付資料を見直して、自分なりにまとめ直し、理解を深めておくこと。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項前半は全国的視点から問題や課題を捉えていきますが、各自が自分の住んでいる地域ではどのようになっているのか想像しながら、自分事として考え、問題の本質を捉えて下さい。
後半は、日頃より地域社会と男女共同参画に関するニュース等で気になる記事、心に残った記事の切り抜きを集めるなど情報収集をすることを求めます。
第1回授業の進め方(ガイダンス)
第2回地域社会の現状(人口減少と少子高齢化の実態)と地域社会における課題について考えます。
第3回地域社会がどのように変容し、脆弱化しているのか、その原因とその影響を考えます。
第4回少子化が進み、一人ひとりへの手厚い関わりが期待される一方で、子どもの貧困がなぜ起こるのか、その対策について考えます。
第5回地域社会における様々な問題・課題に対する取り組みについて考えます。
第6回様々な地域課題を解決するための方策を通して、地域力とは何かを考えます。
第7回私たちが自分こととして捉え、地域社会に関わっていくためにはどうすればよいのかを考えます。
第8回日本の男女共同参画は進んでいるか?1:「世界経済フォーラム」が男女格差を国別に順位付けし、毎年公表している「男女格差指数」の概要について学びます。日本の順位がいわゆる「先進国」の中では最低レベルであるという現状を把握し、その原因について考えます。
第9回日本の男女共同参画は進んでいるか?2:「世界経済フォーラム」が男女格差を国別に順位付けし、毎年公表している「男女格差指数」の概要について学びます。日本の順位がいわゆる「先進国」の中では最低レベルであるという現状を把握し、その原因について考えます。
第10回男女共同参画社会基本法について:国や自治体が男女共同参画を推進していく上でのよりどころとしている男女共同参画社会基本法の理念や男女共同参画社会基本法に基づいて策定される男女共同参画基本計画の概要について学びます。
第11回地域における男女共同参画1:地域社会において男女共同参画を推進していく上での現状と課題を把握し、農山漁村における女性の活躍による地域活性化の可能性について考えます。
第12回地域における男女共同参画2:地域社会において男女共同参画を推進していく上での現状と課題を把握し、農山漁村における女性の活躍による地域活性化の可能性について考えます。
第13回防災・復興における男女共同参画1:男女共同参画の視点から災害時の支援のあり方や避難所づくり・運営について考えます。
第14回防災・復興における男女共同参画2:男女共同参画の視点から災害時の支援のあり方や避難所づくり・運営について考えます。
授業の運営方法前半は、テキストを踏まえながら、授業でいくつかのテーマを設定し、一人ひとりやグループで意見を交わしながら、発表を求め、意見に基づいた講義を行います。
後半は、基本的には講義形式で行います。適宜、授業中に参考資料の配布や映像資料の視聴などを行います。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法前半(第1回~第7回)は各回のリアクションペーパーの内容に対して、ポータルを通じてコメントをフィードバックします。
後半(第8回~第14回)は各回のリアクションペーパーの内容に対して、次回の講義にて講評を行います。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 40% 文献やノート類の持ち込み不可
小論文・レポート 25% 前半は講義期間中にレポートを提出
授業参加 35% 前後半通じて、各回の授業後にリアクションペーパーを提出してもらい内容を評価。
その他 0%
テキスト 特に指定しません。必要に応じて授業中に資料等の配布を行います。
参考文献 篠﨑(前半)『「つくる生活」がおもしろい』(牧野篤/著) さくら舎 1,400円,ISBN978-4-86581-085-1 

地域における男女共同参画の推進に関する参考文献
『「男女格差後進国」の衝撃―無意識のジェンダー・バイアスを克服する』(小学館新書)、治部れんげ、小学館、2020年、800円+税、ISBN978-4-09-825380-7
『ラブコールさかい  女に議員はムリですか?―境町初の女性議員の体験をあなたにつなぐ』、内海和子、梨の木舎、2021年、1,700円+税、ISBN978-4-8166-2101-7
『ファーストペンギン―シングルマザーと漁師たちが挑んだ船団丸の軌跡』、坪内知佳、講談社、2022年、1,650円、ISBN978-4-06-529577-9
『そうだ、葉っぱを売ろう!—過疎の町、どん底からの再生』、横石知二、ソフトバンククリエイティブ社、2007年、1500円、ISBN978-4-7973-4065-5
『地方を変える女性たち—カギは「ビジョン」と「仕組みづくり」!』、麓幸子、日経BP社、2018年、1600円、ISBN978-4-296-10093-4
『としまF1会議—「消滅可能性都市」270日の挑戦』、萩原なつ子編、生産性出版、2016年、1800円、ISBN978-4-8201-2055-1
『災害支援に女性の視点を!』(岩波ブックレット)、竹信三恵子・赤石千衣子編、岩波書店、2012年、560円、ISBN978-4-00-270852-2
『よりよく生き延びる—3.11と男女共同参画センター』、公益財団法人せんだい男女共同参画財団編、2017年、新潮社、1300円、ISBN978-4-10-910106-6
『女たちの避難所』(新潮文庫)、垣谷美雨、新潮社、2017年、590円、ISBN978-4-10-126952-8
『男女平等はどこまで進んだか—女性差別撤廃条約から考える』(岩波ジュニア新書)、山下泰子・矢澤澄子監修、国際女性の地位協会編、岩波書店、2018年、900円、ISBN978-4-00-500874-2
『やっぺす!―石巻のお母さん、まちづくりに奮闘する』、兼子佳恵、英治出版、2022年、1700円+税、ISBN978-4-86276-325-9
『食と農でつなぐ 福島から』(岩波新書)、塩谷弘康・岩崎由美子、岩波書店、2014年、780円+税、ISBN978-4-00-431497-4
『飯館村のかあちゃんたち―福島・女性たちの選択』、古居みずえ、彩流社、2023年、2,200円+税、ISBN978-4-7791-2896-7
このほか必要に応じて、授業中に紹介します。
関連ページ 地域における男女共同参画の推進に関連するホームページ
{独立行政法人国立女性教育会館ホームページ、https://www.nwec.jp/
{内閣府男女共同参画局ホームページ、http://www.gender.go.jp/
このほか必要に応じて授業中に紹介します。
その他、履修生への注意事項 授業のテーマに応じて、ゲストスピーカーを招聘する場合があります。


卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】