科目名 | メディア環境論 | |
担当者 | 副島 善道 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | メディアの定義あるいはその及ぶ範囲の変化進展の速度を知り、コンピュータ関連のコミュニケーションとの関連からこれを明らかにする。 また各論的には音楽と映画との関係について、メディアの視点から考察する。 さらにこのことによって、「メディア」そのものの現代的な意味の解釈を試みる。 |
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授業の達成目標 | ICTという新しい枠組みのなかで萌芽するメディア、それを特に旧来の芸術表現とのかかわりにおいて考察する本講義では、メディアの本質をその後の通りに「媒介」に定めるので、ここから受講生はコンピュータの枠組みにとらわれない新しい観点から、旧来の芸術解釈も可能となる。つまり、たとえば、「なぜ映画は音楽を必要とし、なぜ音楽は映画を利用するのか」、というような本質的な問題についても、この相互関係を作品に当たりながら検討することが可能になる。この検討を重ねることでをメディアの「本当の意味」そしてその「及ぶ範囲」を理解することができるようになる。 |
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今年度の授業内容 | コンピュータの語が登場することが多く合っても、その物理的な仕組みやあるいは社会的な機能をもっぱらに論じるのではない。ここでは、先述の通りに、コミュニケ―ションの『メディア』として把握する。実作品に当たりながら解説し、それらの相互関係を分析することを手掛かりに、メディアの多様な展開に応用的にアプローチできるように授業を展開する。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | さまざまな作品の鑑賞は授業時間だけでは不足、これには予習的な自己鑑賞、また復習的な分析鑑賞が欠かせない、そのためには講義時間と同時間以上を確保されたい。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | コンピュータを応用した作品も鑑賞(聞くこと、見ること)が根本になければ理解は出来ません。一本でも多くの作品(できれば実作品)に触れること(鑑賞すること)を避けないように。 |
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第1回 | メディアとは何か、コンピュータを使う何か、と狭く規定しないこと。ここではメディアの語源にさかのぼってこれを「手段」とまず理解する。 | |
第2回 | メディアとコミュニケーションは関連するのか。関連するとなれば、コミュニケーションはどうやって成立するのか。 | |
第3回 | コミュニケ—ションの本質に「表現」を措定する。これによってメディア=表現媒介の意味が鮮明になる。さらに具体的なメディア作品としてここではアニメ映画を取り上げる。 |
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第4回 | 表現の種類として、音=音楽に注目。また視覚的な表現としての美術も扱う。 | |
第5回 | 表現の種類として、言葉=文学に注目。また一般にメディアアートといわれる作品の鑑賞をここで推奨する(作品事例は授業中に)。 | |
第6回 | 表現の種類として、色と形=美術に注目。ここで言う美術には絵画以外の造形美術全般を含ませる。 | |
第7回 | 表現の総合として、従来のミューズ的芸術から映画への移行に注目。そして再びメディアの復活。 | |
第8回 | メディア芸術とは何か、あるいはメディアでない芸術が成立するのかをここで再確認する。 | |
第9回 | 映画をメディアとして理解する不都合は、その非双方向的あるいは一方的な情報伝達にあることを理解する。作品鑑賞を講義中に推薦する。 | |
第10回 | おと・いろ・ひかり、これらをメディアとする場合の所謂ICTとのかかわり。バイナリデータはアナログ表現に関われるのか。 | |
第11回 | さらにメディアの復権。総合芸術とコミュニケーションの視点をメディアアートにも応用する。 | |
第12回 | 総合的な観点からメディア=コミュニケーション=エクスプレッションの関連をとらえる。 | |
第13回 | メディアを環境とするその表現として何がみ発見できたか、まず総括的なまとめを思索する。 | |
第14回 | 以上のプロセスから、文化(あるいは文化表現)にとってメディアとは何か、その本質の理解を求める。 | |
授業の運営方法 | 作品の鑑賞・分析は欠かせないが、授業時間だけを使ってこれを実施することも出来ない。さまざまな「自習」を課すことがある。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 鑑賞作品のレポート等を求めた際には、次回以降の講義中にその意見を紹介して、さまざまな観点あるいは視点の多様性を理解するように試みる。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
小論文・レポート | 40% | |
定期試験 | 60% |
テキスト | ポータルへの授業資料掲示を行うので、特定の教材(テキスト)の購入はしない。 |
参考文献 | 『大人のためのメディア論講義』石田英敬 (著) ちくま新書 ISBN-104480068716 こちらがもっとも入手しやすい入門書である、が、このシラバスを執筆して授業が開始されるまでの間に、さらに新しい知見が刊行されるのがこの学問である、したがって講義中に適宜に指示する。 |
関連ページ | Yoshimichi SOEJIMA in Youtube http://www.youtube.com/watch?v=ae2cNk4qNvM |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【全学共通科目】 |