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科目名男性学
担当者喜山 朝彦
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目男性学/男性性研究の現在からみた<男>というジェンダーのゆくえ—文化人類学的視点を中心に—
授業の達成目標この授業では、最近の男性学/男性性研究の研究動向を踏まえ、先ず文化人類学的な視点から、世界のさまざまな地域、文化における《男性性》について、社会的、文化的、歴史的、経済的な背景との関連でアプローチし、その多様な姿を把握する。次に現代社会における一人前の<男>であることの意味、<男>の生きづらさ、<男>というジェンダーのゆくえ・揺らぎ、男女の関係性の構造とあり方等について知見を深め、積極的に男女関係のあり方や家族の形成について自分の意見・考えを発信できるようにする。
今年度の授業内容この授業では、男性を「人間」の標準として捉えるのではなく、女性とは別の意味でジェンダー化された存在と明確に位置付けた上で、
(1)主に伝統社会の社会的・文化的な<男性性>の構築・形成とそのプロセスについて知見を深め、<男らしさ>の問題にアプローチする。
(2)近代社会、近代家族の中での<男>、<男らしさ>について、性別二元論を中心に批判的な観点から考察を展開し、<男らしさ>や<男>の生きづらさを検討する。
(3)現代社会の揺れ動く<男らしさ>の多様な姿を検討し、新しい男性性や自分らしく生きること、新しい男女関係のあり方等について考察を深める。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について受講生は、事前にポータル<授業資料管理>で配信する講義資料、記事などを読み、内容を理解し、疑問に思うことなどをあらかじめ把握しておくこと。授業終了後は、講義資料や各自のメモ、ノート類を見直して自分なりに纏め直し、理解を深めるように努める。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項1.ポータルの<授業資料管理>で原則水曜日に配信した講義資料類を事前にきちんと読み、授業に臨んで下さい。
2.積極的に授業で紹介した関連文献などを読み、議論を深める努力をして下さい。
3.広い意味での「男性学/男性性」の問題に関心を持ち、主体的に新聞・雑誌・書籍・ニュース・ウェブなどを中心に情報を集め、自ら調べ、考える姿勢を持って下さい。
第1回イントロダクション・・・文化人類学の基本的な視点と研究技法、授業の目的。
第2回ジェンダー/セクシュアリティの概念と男性学/男性性研究について
第3回近代家族モデルと男女関係のあり方—男性学/男性性研究との関連での現状と課題
第4回男性学/男性性研究の成立の歴史的背景、課題
第5回伝統社会・文化における<男>と<男らしさ>(1)—1人前の男になるための通過儀礼との関連で—
第6回伝統社会・文化における<男>と<男らしさ>(2)—儀礼化された同性愛—
第7回伝統社会・文化における<男>と<男らしさ>(3)—地中海沿岸社会の<男らしさ>とセクシュアリティ
第8回ミソジニーとファロセントリズムの概念と<男らしさ>
第9回男性の身体と<男らしさ>—セクシュアリティの側面からみた<男らしさ>の構築—
第10回揺れ動く<男らしさ>(1)—性別二元論と<男>の条件の喪失—
第11回揺れ動く<男らしさ>(2)—現代社会における<男>の生きづらさ—
第12回揺れ動く<男らしさ>(3)—新しい<男らしさ>の出現—
第13回女性の目に映る<男>、<男らしさ>像・再考
第14回ジェンダー政策の拡がりと<男>—新しい<男性性>との関連—
授業の運営方法1.この講義は、14回すべて対面授業で実施します。
2.対面授業は、講義形式と双方向的授業形式を織り交ぜて実施します。履修学生の積極的な授業参加が求められます。
3.授業時間内に3回程度、関連するDVDを視聴し、小レポートを提出してもらう予定。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法期末課題レポート回収、採点後、提出されたレポートの中から、特徴的な見解の紹介や典型的な誤解などの代表例について解説を行います。ポータル<掲示板>を通して受講生に配信する予定です。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 70% 期末課題レポートの内容(テーマ設定の着想、レポート書式なども含む)
授業参加 30% 小課題レポートの内容、積極的・協力的な関わり授業へ関わり、各回授業の出席代替課題の内容など
その他 0% 実施しない
テキスト 特定のテキストは使用しない方針です。ポータルの<授業資料管理>で事前に配信する講義資料類をもとに授業を進めます(学期中、原則として水曜日に文書データを配信の予定です。期間限定の配信ですので、受講生は速やかにデータを保存、印刷して下さい。一度配信した文書データを再度配信することはしません)。
参考文献 レイウィン・コンネル、イヴ・K・セジウイック、デイヴィド・ギルモア、伊藤公雄、田中俊之、沼崎一郎、多賀太など
その他、履修生への注意事項 1.原則出席はとります。遅刻・欠席には注意して自分で出席状況を管理する。
 ①授業回数14回のうち2/3以上出席することが成績評価(=期末課題レポート提出の資格)の前提となります。
 ②14回の授業で、毎回指定された時間内にポータル<課題管理>に出席代替課題の回答を提出することで出席をカウントします。 

 ③a,指定された時間内に出席代替課題回答を提出できない、b回答が間違っている場合は、全て欠席となります。
2.授業に積極的に取り組み、とり上げるテーマ・問題に対してきちんと向きあい、自分の意見・考えを発信する。
3.文化人類学的、社会学的な視点・研究技法に関心があること。
4.①テキストは使用しません。原則毎週水曜日にポータル<授業資料管理>で講義資料類を配信します。指定された期間内に文書データを保存し、各自で必ずプリントアウトしておくこと。同じ授業資料を何回も配信することはしませんので注意すること。
5.◎男性学/男性性研究について授業を展開する上で、セクシュアリティ(性行動)の問題は避けて通ることができません。履修生は、この点を十分理解して履修選択し、授業に臨んで下さい。
6.◆成績評価全体の70%を占める期末課題レポートは、①指定したレポート書式を守る、②各自のレポート・テーマ設定の着想、アイデア、③レポートの内容などが重要です。
7.※就活の重要性は十分認識していますが、就活による授業欠席が特定の曜日、時間帯に集中しないように上手く分散化させる努力も受講生には必要です。
8.授業中に3回程度、関連するDVDを視聴し、授業テーマを掘り下げる予定です。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】