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科目名教育学概論
担当者生貝 博子
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目教育学概論~学校・家庭・地域社会で考える「未来の教育」~
授業の達成目標
①教育をめぐる現代的な課題について、教師・保護者・地域社会等の視点からアプローチし、教育の意義・目的・機能・現状について考察することができる。
②様々なメディアから情報収集・選択・活用するメディアリテラシーの力をつけ、現代社会における教育の問題点について分析できる。
③学校教育に関する事例や教育課題について、多面的・多角的に捉え、討論を通して考えをまとめ、発表することができる。
今年度の授業内容①教育をめぐる現代的な課題について、探究的な学びを行い、未来を拓く教育を考える。
②学校や児童生徒に関するデータを読み解き、現在の教育の状況と課題を分析する。
③教育に関する時事をとらえ、現在の日本の教育の動向を理解する。
④教育に関する本を購読し、レポート作成及びプレゼンを実施する。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について各回の授業に対しては、授業前に関連資料やメディアの記事等を読んだり、整理する等の予習に2時間程度、授業後に講義内で取り扱った関連資料を読むこと等の復習に2時間程度、合計4時間程度の授業外学修を要する。また、グループワークや課題については、授業外に4時間程度の準備が必要である。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項①メディアに取り上げられた「教育に関する報道」や「現代的な課題」に関心をもち、自身で気になる記事等を切り抜く等、情報の収集整理をする。
②授業中に提示した課題や参考文献については、主体的に向き合い、自身の学びを深める。
③教育に関する本を読む。(参考文献は読破することをめざす)

第1回●オリエンテーション 未来に向けた、学校・家庭・社会での「教育」の役割を考える
 授業のテーマ、到達目標、授業の進め方について理解する。
 準備:「今」自身が気になる教育の問題は何かを新聞等から教育時事を読み取り、メモを用意してくる。(30分)
第2回●教育の究極の目的を考える。
 ノーベル賞受賞者が語る教育の現在と未来への考えを知り、教育の究極の目的を考える。
第3回●多様な社会を生きる。
 英国で保育士として勤務したノンフィクション作家の体験を読み、多様性を尊重する社会を生きることについて考える。
【参考】「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)

第4回●2050年を生き抜く。
 校長(民間人校長を経て現在、私立学校長)が考える教育の実践を読み、グローバル教育の視点、「ポストコロナ」の教育について考える。
第5回●学校と社会を繋ぐ。
 企業の人材開発の研究をしてきた大学教授の実践・提言を読み、社会と繋がる学校の在り方、教師の役割について考える。
第6回●教育で「復興」する。
 東日本大震災をきっかけに教育観が転換した生物科教諭の指導観を知り、未来を生きるために本当に必要な学びとは何かを考える。
第7回●「学校の当たり前」を見直す。
 映画「みんなの学校」の舞台になった大阪市立小学校の初代校長の実践から、当たり前の「学校」とされている現状を見直し、考える。
【参考】「『みんなの学校』が教えてくれたこと」(小学館)

第8回●教育改革を知る。
 米国と日本の教育改革を知る教育研究者が提言する「教育改革」の光と闇、未来に必要な本当の改革を知り、日本の教育改革を考える。
【参考】「崩壊するアメリカの公教育ー日本への警告」(岩波書店)
第9回●オンライン学習と教師の役割を考える。
 コロナ禍で活用された「スタディサプリ」を運営している企業人の分析から、これからの時代に求められる「教師」の役割について考える。
第10回●「未来の教室」の実証事業を知る。
 経済産業省の「未来の教室」で使われた「AI型教材・キュビナ」の開発者の発信から、問い直される授業と学びについて知る。
第11回●特別なニーズを必要とする子どもを支援する。
 児童精神科医である大学教授が指摘する「認知機能」の低さや支援の仕方に注目し、学校や家庭での対応方法を学ぶ。
【参考】「ケーキの切れない非行少年」(新潮新書)
第12回●グローバル・ティーチャーから学ぶ。
 英国の非営利教育団体「バーキー財団」が創設した「グローバル・ティーチャー賞」を受賞した3名が語る「未来を生きる子どもの力」を育むための実践を知る。
第13回●ポストコロナの学校像(その1)・・・学校の本質を考え直す。
 広島県教育長が語る「今、問われる学校の本質」を読み、コロナ禍での学校の実態を知り、考える。
第14回●ポストコロナの学校像(その2)・・・自学自習の力を育てる。
 PISA調査結果から懸念された日本の子どもの「読解力の低下」に関する研究をリードしてきた大学教授の警鐘を読み解く。
【参考】「AI vs.教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)

●最前線の14の取組みから見えてきた「未来の教育」とは?
 小論文を書く。(授業のまとめ) ※テーマは別に設定する
授業の運営方法①授業には必ずテキスト、PC、またはタブレット等を持参する。
②授業資料は、各回提示する。
③授業のテーマごとに示された【参考】書籍やシラバスにある【参考文献】等には目を通すことを期待する。
④グループ・ディスカッションの時間を毎時間設定する。(1グループ4名~5名の編成の予定)
⑤教育時事に敏感になるため新聞やインターネットで情報を収集し、適宜活用する。
⑥毎回リアクションペーパーを提出する。授業での学びについて考え・意見の記述を求める。(字数制限内でまとめること。時間内での提出を原則とする)
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法・授業終了時には、教員がその授業全体の活動や発表に対する講評を行う。
・課題等の全体へのフィードバックは次時の授業で行う。また、ポータルなどを活用して個別に対応する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 40% 目標を概ね達成はC,十分達成はB,達成かつ優れた論述はA,特に優れた論述はS
授業参加 30% 授業に対す積極性、リアクションペーパー、課題の提出率によって評価する。
その他 30% 提出された課題内容から目標への達成度を評価する。
テキスト ・「FUTURE EDUCATION~学校をイノベーションする14の教育論~ 教育新聞編」(岩波書店)
参考文献 《授業で扱う「14の教育論」を、広い視点から読んで理解するために》
・「日本の教育はダメだめじゃない」(ちくま新書)
・「学校が『とまった』日」(東洋館出版社)
・DVD「世界の果ての通学路」(株式会社KADOKAWA)

《「教育学」の基本を理解するために》
・「よくわかる教育学言論」ミネルヴァ書房2012第1版
・「現代教育学概論」(第4次改訂版)佐藤晴雄 著(学陽書房) 

《「学校」を知るために》
「学校って何だろう」苅谷剛彦著(ちくま文庫)
関連ページ 文部科学省ホームページ
その他、履修生への注意事項 ★自ら考える授業である。講義を聴くという受け身の姿勢ではなく、自ら課題をもって参加することを期待する。毎時間、発表場面(話す・書く)を設定する。
★テキストは必ず第1回の授業前に購入しておくこと。
★授業では課題の考察や探究などの学習場面があるので、各自スマートフォンやタブレット、パソコンなどを携帯して適宜活用すること。


①出席管理
・毎回の「課題シート」の提出及び「グループ・ディスカッション」への参加をもって「出席」とする。
・「グループ・ディスカッション」の参加は必須。
・「課題シート」の提出がない場合は「出席」にはならない。
②成績評価方法
・シラバスで示したとおりに実施する。
③授業に関する連絡事項は、ポータル「教員からの掲示・メール」で通知する。
 毎回、必ず確認をすること。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】
実務経験の概要 ・千葉県公立小・中学校教諭(美術科)
・千葉県松戸市教育委員会 指導主事
・千葉県松戸市立小・中学校 校長
・公認心理師
実務経験と授業科目との関連性 授業担当者は、中学校で教員、校長として学校教育に携わるとともに、教育行政機関で教育施策の企画、運営、実施に当たった経験を有している。実務経験の中で経験した事例をもとに、現代の「教育」の課題及び今後の教育の在り方について、探求的な授業を行う。